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金木犀が咲き始めた頃、年に一度の建国祭になった。
会場内でエリアル嬢とのエミリア嬢が楽しそうに話をしていた。
入場前、カインゼル殿下がエスコートを拒んだのもあり、ギクシャクしていたのに。
「クロード、後で紹介したい子がいるの」
「誰ですか?」
「私の大事な親友です。今日は調子がいいからと、この会場にきているの」
嬉しそう。
エリアル嬢のその顔を見れただけで幸せだった。
だが、この後には用事がある。
フレイさんに呼ばれていた。
後少しで、学園の卒業。流石に結婚式の前に婚約者と一度は顔を合わさねばならなかったのだ。
「そうですか。ですが申し訳ありません。少し用事がありまして」
「そうなの、残念だわ」
困り顔も可愛い。
エミリア嬢は、逆に怒っているように見えた。
そんなさなか、カインゼル殿下が婚約者であるエリアル嬢を公衆の前で、婚約解消を求めたのだ。
「エリアル、すまない。私はやはり、アリシア嬢が好きなんだ。国の為には君と結婚するべきだとわかっている。だが、この恋心を抑えることはできない。この気持ちを抑えて君に接することはできない。君を幸せにできない」
「殿下・・・」
その場が騒然とする。
「わかりましたわ。お受けします。国王陛下は・・・」
「父上にも、話している。承諾は・・・まだたが・・・」
「そう、ですか・・・」
エリアル嬢の憂いの顔を見て、僕はすすみでた。
「殿下。無責任すぎます」
「よく言うよ、クロード。君は、エリアルが好きなんだろう。ならば、これに乗じてエリアルに告白すればいいだろう」
「カインゼル殿下!!」
なぜだろう。その声は、僕の気持ちを後押ししたように聞こえた。
「エリアル嬢。身分が違うのはわかっています。ですが、私は貴女をお慕いしています」
「クロード・・・」
エリアルが僕を見る。
その目を見て希望を期待していいのだろうか。
そんな時に国王陛下がくる。
「何事だ」
威厳ある声が聞こえてくる。
国王の前にカインゼル殿下が進みでる。
「国王陛下。エリアル嬢との婚約解消を認めてください。私はアリシア嬢を愛しています」
「カインゼル!!」
国王陛下の声が響く。
「このような場で行うべきでないのはわかっております。ですが、何度も言っても相手にしてくれないため強硬手段に出たまでです」
「カインゼル!」
「王太子を降ろされようとかまいません。私にはアリシアしかいないのです」
真摯な眼差し。
変えること無い意志。
それを見た、国王陛下はため息をついた。
「・・・わかった。アリシア嬢とのことは認めよう。だが、責任を放棄したことは許すことはできぬ。」
「エリアル嬢。すまない。こんなことになってしまって。エリアル嬢の望むことはなんでも叶えよう」
エリアル嬢は僕を見た。
その表情にどきりと胸が熱くなる。
「では、クロード様との結婚を認めていただけますか?彼はずっと、私の心に寄り添ってくださいました」
「・・・わかった。二人を認めよう」
嬉しい。国王陛下が認めてくださったのだ。
これで覆ることはない。
だが、国王陛下の隣にいた宰相が急に青ざめ、国王陛下の前に進み出て慌てた声を出した。
「陛下、せめて二年、二年だけは待ってください」
「何を言う。恋する二人に二年は重いものだろう」
「ですが!」
「構いませんわ。お父様」
宰相の言葉に被せるように声がして、一人の女性が国王陛下の前に進み出た。
会場内でエリアル嬢とのエミリア嬢が楽しそうに話をしていた。
入場前、カインゼル殿下がエスコートを拒んだのもあり、ギクシャクしていたのに。
「クロード、後で紹介したい子がいるの」
「誰ですか?」
「私の大事な親友です。今日は調子がいいからと、この会場にきているの」
嬉しそう。
エリアル嬢のその顔を見れただけで幸せだった。
だが、この後には用事がある。
フレイさんに呼ばれていた。
後少しで、学園の卒業。流石に結婚式の前に婚約者と一度は顔を合わさねばならなかったのだ。
「そうですか。ですが申し訳ありません。少し用事がありまして」
「そうなの、残念だわ」
困り顔も可愛い。
エミリア嬢は、逆に怒っているように見えた。
そんなさなか、カインゼル殿下が婚約者であるエリアル嬢を公衆の前で、婚約解消を求めたのだ。
「エリアル、すまない。私はやはり、アリシア嬢が好きなんだ。国の為には君と結婚するべきだとわかっている。だが、この恋心を抑えることはできない。この気持ちを抑えて君に接することはできない。君を幸せにできない」
「殿下・・・」
その場が騒然とする。
「わかりましたわ。お受けします。国王陛下は・・・」
「父上にも、話している。承諾は・・・まだたが・・・」
「そう、ですか・・・」
エリアル嬢の憂いの顔を見て、僕はすすみでた。
「殿下。無責任すぎます」
「よく言うよ、クロード。君は、エリアルが好きなんだろう。ならば、これに乗じてエリアルに告白すればいいだろう」
「カインゼル殿下!!」
なぜだろう。その声は、僕の気持ちを後押ししたように聞こえた。
「エリアル嬢。身分が違うのはわかっています。ですが、私は貴女をお慕いしています」
「クロード・・・」
エリアルが僕を見る。
その目を見て希望を期待していいのだろうか。
そんな時に国王陛下がくる。
「何事だ」
威厳ある声が聞こえてくる。
国王の前にカインゼル殿下が進みでる。
「国王陛下。エリアル嬢との婚約解消を認めてください。私はアリシア嬢を愛しています」
「カインゼル!!」
国王陛下の声が響く。
「このような場で行うべきでないのはわかっております。ですが、何度も言っても相手にしてくれないため強硬手段に出たまでです」
「カインゼル!」
「王太子を降ろされようとかまいません。私にはアリシアしかいないのです」
真摯な眼差し。
変えること無い意志。
それを見た、国王陛下はため息をついた。
「・・・わかった。アリシア嬢とのことは認めよう。だが、責任を放棄したことは許すことはできぬ。」
「エリアル嬢。すまない。こんなことになってしまって。エリアル嬢の望むことはなんでも叶えよう」
エリアル嬢は僕を見た。
その表情にどきりと胸が熱くなる。
「では、クロード様との結婚を認めていただけますか?彼はずっと、私の心に寄り添ってくださいました」
「・・・わかった。二人を認めよう」
嬉しい。国王陛下が認めてくださったのだ。
これで覆ることはない。
だが、国王陛下の隣にいた宰相が急に青ざめ、国王陛下の前に進み出て慌てた声を出した。
「陛下、せめて二年、二年だけは待ってください」
「何を言う。恋する二人に二年は重いものだろう」
「ですが!」
「構いませんわ。お父様」
宰相の言葉に被せるように声がして、一人の女性が国王陛下の前に進み出た。
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