(完結)泡沫の恋を人魚は夢見る

彩華(あやはな)

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34.楽しい?お茶会2

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「そうですの?このような髪の方が二人いるなんてとても綺麗でしょうね」

 ソレイユ様がうっとりとわたしを見てきた。

「ソレイユ嬢の白い髪も綺麗です!」

 ロイド殿下が慌てソレイユ様を褒める。

「ありがとうございます。ロイド様。フィーだったかしら。もしかすると関係がないのかもしれませんがお礼を言わせていただきますわ」
「えっ、はい?」

ーお礼って???

 ソレイユ様はニコニコとした表情を変えない。

「カラナイ国にはいくつか掟があります。白髪で生まれた女性は三ヶ月間、アトラス国の修道院に行くこともその一つです。その中には再び銀髪で紫の瞳を持つ女性にあった時、その方に感謝をのべると言うのもあるのです」

ーこれは公開処刑に近いのでは?

 一国の王女様に頭を下げさせるわけにはいかない。

「ま、間に合ってます!じゃなくて、ぜったいに勘違いです」

 ソレイユ様の方を向き、お落ち着いてと手を体の前に持ち上げた瞬間、ソレイユ様が手を掴んできた。

「いえ、レフィシア様はカラナイ国にきた当初、言葉も出ず歩くこともままならなかったとされています。ですが、その方のおかげで言葉が出るようになり、歩くことができるようになったのです。そのことで、レフィシア様はカラナイ国の聖母とまで言われることになりました。そのレフィシア様が死ぬ間際に彼女に感謝をするようにおっしゃったのです」
 
 白い手が私の手を握りしめ訴えてくる。

 ソレイユ様の宝石のような赤い瞳に吸い込まれた。

ーこの目・・・

『フィーレ。ありがとう。あなたのおかげだわ』

 美しい女性が笑い顔がソレイユ様と重なって見えた。

『レフィシア。薬が完璧でなくてすいません』
『なぜ謝るの?痛みがなく歩けるようになったのよ。それに声だってだせるなんて最高だわ』
『声に魔力がこもりません』

 彼女はきょとんとした表情をした。それからカラカラと子供のように笑う。

『私はもう人間よ。人魚の力なんていらないわ。確かに歌うことは好きだったわ。それで天候を操るのは面白かった。でも、私は彼に会って変わったの。彼は私の声がなくても歩けなくても私が好きだって。彼は私自身を見てくれるの。力がほしいわけじゃないって言ってくれたの。私が声を戻したかったのは、彼の名前を呼びたいから。歩きたかったのは彼の隣に立ちたかったからよ。だから、満足してるわ』

 幸せそうに笑う彼女が綺麗だと思った。幸せなんだなと感じだ。

 白昼夢なのだろう。

「フィー?」

 現実に引き戻された。
 ソレイユ様の不安そうな顔がある。

は・・・幸せでしたか?」

 ソレイユ様にだけ聞こえる声で聞けば、その問いにソレイユ様はレフィシア彼女と同じ笑みを浮かべた。

「レフィシア様は幸せでした。国一のおしどり夫婦として、国を繁栄させましたわ」

ーよかった・・・・・・ってあれ?

 安心と共にとんでもないことを思い出してしまった。
 それについては今どうこうできないので後で考えようと思考をストップさせる。

「ねぇ、フィー。あなた何者?」

 ルナ様の声だ。
 漆黒の瞳が背後から突き刺してくるように感じる。身体を正面に戻し、ルネ様を見ようとした。

「それは・・・」
「そういえば、リュート殿下お疲れのようですが?」

 アルフ様の声がした。
 もしかして助け舟なのか。
 
 リュート殿下は首をさする。

「どんなに真面目なやつでも恋すると公務も手につかなくなるようで、仕事が回ってきてるだけだ」
ロイドのもやっているの?」

 リュート殿下と王妃の視線がロイド殿下に向けられた。
 その瞬間、ロイド殿下は罰の悪そうな顔で下を向いた。

「ロイド様、公務が終わるまではお待ちしてますわ」

 ソレイユ様の言葉にロイド殿下は顔を明るくさせる。

 わたしは横目でセイネ様を見た。喋ることができない分聞き役に徹した、セイネ様はニコニコと笑っていた。


 でもわたしはわかっている。それが心を殺し、作った笑いだと言うことに。

 机の下でセイネ様の手を触った。
 震えている。

ーこの方は強い方だ
 この方には幸せになってほしい

 そう思った。
 

 お茶会は・・・楽しい話題へと変わり、のどかなものへとなった。
 
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