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50.船上のパーティー当日
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ロイド殿下とソレイユ様の婚約パーティーはゆったりとしたものだった。
以前のパーティーとは違い人数もそれほど多くなく、華美なものではなかった。
それでも高位貴族が談笑しながらグラスを傾けている。
裏方のメイドであったおばさま方が私に気づいて合図を送ってくれたので愛想笑いで返す。
今日の私はメイド服でセイネ様の近くでいた。
メリア様はルナ様に見惚れ、マリー様はアンナ様の代わりにソレイユ様の付き人をしている。
そのアンナ様は婚約者様と来賓側として参加していた。これを機に仕事を休暇にはいり、結婚に向けて準備にはいるそうだ。
幸せそうな面々にほっこりする。
だが、ルナ様だけは堅い表情でソレイユ様とセイネ様を見ていた。
その様子が気になったものの、どうにもできなかった。
セイネ様はリュート殿下とダンスを踊る。以前はルナ様が乗り込んでくるというハプニングで踊る機会がなくできなかったが、今回はようやく巡ってきた。
軽やかに踊るお二人に誰もが釘付けになる。
ソレイユ様とロイド様はすでに二人だけの世界に入り見つめ合いながら踊っていた。
それを見守っていると、アルフ様が近づいてくると私を上から下へと視線を走らせる。
「今日はドレス着ていないのか?」
「切る必要はないですよね?」
「ふむ、まぁいいか」
1人で納得したかと思えばすっと手を伸ばし私の手を握ってきた。
「せっかくだから私たちも踊ろう」
「はあぁ?」
強引に引っ張られダンスの輪に入ってしまう。
「ちょっ、何を」
「君とダンスを踊りたいんだが?」
「アルフ様なら引くてあまたいますよね。私を巻き込まないでください」
「私は君と踊りたいんだ」
目を細め笑ってくる。
その顔にどきりとした。
白昼夢と重なり、胸が熱くなってゆく。
「恥ずかしいんですけど・・・」
「今更。二日前なんて公衆の面前で君を慰めたんだよ」
「・・・・・・」
あの時のことを思い出し、目線をそらす。
なんで、この方を見ただけで泣いてしまったのか今でもわからず、泣き止むまで抱きしめてくれていたことだけを鮮明に覚えているものだから、余計に恥ずかしいかった。
しかも、その現場を見た誰かが言ったのか、アンナ様とマリー様からはおちょくられ次の日の仕事はやりにくかった。
「あの時のお礼がほしいな」
「わかりました。一回だけですよ。足を踏んでも知りませんから」
「大丈夫だ」
握られた手に力を込めた。
初めてのダンスは正直ダメダメだった。
足がついてゆかずステップが踏めない。
何度も足を踏んで体制を崩す私をアルフ様は上手にカバーして、最後まで踊ってくれた。
そんなダンスでも楽しかった。
「アルフ様、ありがとうございました」
「楽しかった?」
壁際まで送ってくれるアルフ様に向かって笑っていた。
「はい。ずっと思ってみたかったんだと踊りながら気づきました」
「そうか。私も君と踊れて良かった」
彼は私の手に唇を落とした。
その行動に何故かまた泣きたくなった。
離れていく唇と手が寂しく感じる。
「フィー?」
「なんでもないわ」
ーこの思いは引きずられているから。第一、身分が違うのだから
きっと、この想いは一月もすれば忘れてしまう。そう思うことにした。
以前のパーティーとは違い人数もそれほど多くなく、華美なものではなかった。
それでも高位貴族が談笑しながらグラスを傾けている。
裏方のメイドであったおばさま方が私に気づいて合図を送ってくれたので愛想笑いで返す。
今日の私はメイド服でセイネ様の近くでいた。
メリア様はルナ様に見惚れ、マリー様はアンナ様の代わりにソレイユ様の付き人をしている。
そのアンナ様は婚約者様と来賓側として参加していた。これを機に仕事を休暇にはいり、結婚に向けて準備にはいるそうだ。
幸せそうな面々にほっこりする。
だが、ルナ様だけは堅い表情でソレイユ様とセイネ様を見ていた。
その様子が気になったものの、どうにもできなかった。
セイネ様はリュート殿下とダンスを踊る。以前はルナ様が乗り込んでくるというハプニングで踊る機会がなくできなかったが、今回はようやく巡ってきた。
軽やかに踊るお二人に誰もが釘付けになる。
ソレイユ様とロイド様はすでに二人だけの世界に入り見つめ合いながら踊っていた。
それを見守っていると、アルフ様が近づいてくると私を上から下へと視線を走らせる。
「今日はドレス着ていないのか?」
「切る必要はないですよね?」
「ふむ、まぁいいか」
1人で納得したかと思えばすっと手を伸ばし私の手を握ってきた。
「せっかくだから私たちも踊ろう」
「はあぁ?」
強引に引っ張られダンスの輪に入ってしまう。
「ちょっ、何を」
「君とダンスを踊りたいんだが?」
「アルフ様なら引くてあまたいますよね。私を巻き込まないでください」
「私は君と踊りたいんだ」
目を細め笑ってくる。
その顔にどきりとした。
白昼夢と重なり、胸が熱くなってゆく。
「恥ずかしいんですけど・・・」
「今更。二日前なんて公衆の面前で君を慰めたんだよ」
「・・・・・・」
あの時のことを思い出し、目線をそらす。
なんで、この方を見ただけで泣いてしまったのか今でもわからず、泣き止むまで抱きしめてくれていたことだけを鮮明に覚えているものだから、余計に恥ずかしいかった。
しかも、その現場を見た誰かが言ったのか、アンナ様とマリー様からはおちょくられ次の日の仕事はやりにくかった。
「あの時のお礼がほしいな」
「わかりました。一回だけですよ。足を踏んでも知りませんから」
「大丈夫だ」
握られた手に力を込めた。
初めてのダンスは正直ダメダメだった。
足がついてゆかずステップが踏めない。
何度も足を踏んで体制を崩す私をアルフ様は上手にカバーして、最後まで踊ってくれた。
そんなダンスでも楽しかった。
「アルフ様、ありがとうございました」
「楽しかった?」
壁際まで送ってくれるアルフ様に向かって笑っていた。
「はい。ずっと思ってみたかったんだと踊りながら気づきました」
「そうか。私も君と踊れて良かった」
彼は私の手に唇を落とした。
その行動に何故かまた泣きたくなった。
離れていく唇と手が寂しく感じる。
「フィー?」
「なんでもないわ」
ーこの思いは引きずられているから。第一、身分が違うのだから
きっと、この想いは一月もすれば忘れてしまう。そう思うことにした。
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