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マヤの告白4
一度ミリア様の様子を見に王都から領地にお帰りになってきた旦那様や奥様には現状を話しました。
ショックでミリア様を抱きしめておられました。
そして、長い話の末、ミリア様の好きなようにしても良いとおっしゃったのです。
旦那様は治療のためにベラニージ国行きの予定を立てるように指示してきました。
同時に「聖女」のことも深刻にとらえ、国王陛下に進言するようです。
どちらも内密に進めることにしました。
サシャが「聖女」として大々的に公表されて一年もしていないのに、すでに「聖女」でなくなっているならば、それを認可した国王陛下の失墜にもなりかねません。
ならば表向きは王太子殿下が解決すれば、王家の面目もたもたれるとか・・・。
わたしにはよくわかりませんが、それが一番いいらしいです。
ミリア様のお兄様であるバード様にも内緒な上、侍女やメイド、使用人のほとんどにも周知しないことになりました。
全てミリア様が望んだことです。
アルト様に知られるきっかけを作りたくないという気持ちが一番大きかったのでしょう。
やると決めたミリア様の表情は瞼を腫らしたものでしたが、凛としたものでした。
約束より遅れながらも王都に戻ると、内緒で再び聖女様の元へ行きます。
治療を施してもらいましたが、ミリア様からは痛みは少しだけなくなったものの変わりがないと言われました。
そして、ミリア様は聖女様・・・サシャに近づいたのです。
さすがアルト様の婚約者でもあり、淑女としても認められているミリア様はすんなりとサシャの懐に入りました。
治療院にも度々顔を出して、お手伝いします。
伯爵令嬢が・・・遊び半分だと思う人もいましたが、ミリア様は深窓の令嬢というのではありません。
やる時はやるお嬢様です。汚れ仕事だってこなします。
なので、すぐに治療院にも馴染みました。
学園も始まり、予定通りミリア様はサシャの隣にいました。
学園内のことは学生同士のこととしてわたしは関与できません。
そばでいたくても無理です。
なので、帰りの馬車の中で一日にあったことを聞くしかありませんでした。
帰ってくるミリア様は疲れ切っていました。
馬車の中で泣きます。
アルト様の声が聞きたい。触れたい・・・と何度も呟いていました。
屋敷にアルト様が来ても追い返します。
ミリア様はアルト様が帰るのを部屋でじっと耐えるです。わからないように窓からアルト様の姿を見送ります。震える身体を抱えて泣いていました。
会いたいはずなのに、我慢しているのが可哀想でなりませんでした。
でも自分が決めたことだからと、必死に押さえ込んでいるのです。
そして、頭痛がひどくなっているようでした。
わたしには隠していましたが、わずかに眉を顰めたり、額をさわったりする頻度が多くなっていました。
この頭痛はミリア様を不安にもさせていたに違いありません。
気丈に振る舞っていても時折、布団の中で涙を流されていたのを知っています。
「ミリア様・・・」
ある時、制服に着替えてを手伝っている時に気がつきました。
腰回りの服のサイズが合っていないのです。
明らかにやせていました。
病気で?いえ一番は精神的なものが一番大きいとは思います。
優しい方です。悪役などできるはずがありません。
それなのに、必死になって悪役になろうとしているのですから、ストレスになっているのでしょう。
食べる量は・・・ベラニージ国で病状がわかった時にショックで一時的に食欲が落ちたのもあり気にかけていなかったので、見落としていたのかもしれません。
「わからないようにしてくれる?」
気づかなかったことに落ち込んでいるわたしに気遣ってか優しくミリア様は言いました。
わたしはミリア様の胴に布を巻いてからコルセットをつけます。
コルセットはウエストを細く見せるためのものです。なのに、逆に詰め物をするなんてあり得ません。
細い腰が痛々しく思えて、手が震えました。
翳りを見せる顔色を明るくするためチークを濃いめにおき、口紅を鮮やかなものにしてゆきます。
けばくならないように最新の注意をしました。
「もう少しよ」
微笑むミリア様にわたしは何も言えませんでした。
ショックでミリア様を抱きしめておられました。
そして、長い話の末、ミリア様の好きなようにしても良いとおっしゃったのです。
旦那様は治療のためにベラニージ国行きの予定を立てるように指示してきました。
同時に「聖女」のことも深刻にとらえ、国王陛下に進言するようです。
どちらも内密に進めることにしました。
サシャが「聖女」として大々的に公表されて一年もしていないのに、すでに「聖女」でなくなっているならば、それを認可した国王陛下の失墜にもなりかねません。
ならば表向きは王太子殿下が解決すれば、王家の面目もたもたれるとか・・・。
わたしにはよくわかりませんが、それが一番いいらしいです。
ミリア様のお兄様であるバード様にも内緒な上、侍女やメイド、使用人のほとんどにも周知しないことになりました。
全てミリア様が望んだことです。
アルト様に知られるきっかけを作りたくないという気持ちが一番大きかったのでしょう。
やると決めたミリア様の表情は瞼を腫らしたものでしたが、凛としたものでした。
約束より遅れながらも王都に戻ると、内緒で再び聖女様の元へ行きます。
治療を施してもらいましたが、ミリア様からは痛みは少しだけなくなったものの変わりがないと言われました。
そして、ミリア様は聖女様・・・サシャに近づいたのです。
さすがアルト様の婚約者でもあり、淑女としても認められているミリア様はすんなりとサシャの懐に入りました。
治療院にも度々顔を出して、お手伝いします。
伯爵令嬢が・・・遊び半分だと思う人もいましたが、ミリア様は深窓の令嬢というのではありません。
やる時はやるお嬢様です。汚れ仕事だってこなします。
なので、すぐに治療院にも馴染みました。
学園も始まり、予定通りミリア様はサシャの隣にいました。
学園内のことは学生同士のこととしてわたしは関与できません。
そばでいたくても無理です。
なので、帰りの馬車の中で一日にあったことを聞くしかありませんでした。
帰ってくるミリア様は疲れ切っていました。
馬車の中で泣きます。
アルト様の声が聞きたい。触れたい・・・と何度も呟いていました。
屋敷にアルト様が来ても追い返します。
ミリア様はアルト様が帰るのを部屋でじっと耐えるです。わからないように窓からアルト様の姿を見送ります。震える身体を抱えて泣いていました。
会いたいはずなのに、我慢しているのが可哀想でなりませんでした。
でも自分が決めたことだからと、必死に押さえ込んでいるのです。
そして、頭痛がひどくなっているようでした。
わたしには隠していましたが、わずかに眉を顰めたり、額をさわったりする頻度が多くなっていました。
この頭痛はミリア様を不安にもさせていたに違いありません。
気丈に振る舞っていても時折、布団の中で涙を流されていたのを知っています。
「ミリア様・・・」
ある時、制服に着替えてを手伝っている時に気がつきました。
腰回りの服のサイズが合っていないのです。
明らかにやせていました。
病気で?いえ一番は精神的なものが一番大きいとは思います。
優しい方です。悪役などできるはずがありません。
それなのに、必死になって悪役になろうとしているのですから、ストレスになっているのでしょう。
食べる量は・・・ベラニージ国で病状がわかった時にショックで一時的に食欲が落ちたのもあり気にかけていなかったので、見落としていたのかもしれません。
「わからないようにしてくれる?」
気づかなかったことに落ち込んでいるわたしに気遣ってか優しくミリア様は言いました。
わたしはミリア様の胴に布を巻いてからコルセットをつけます。
コルセットはウエストを細く見せるためのものです。なのに、逆に詰め物をするなんてあり得ません。
細い腰が痛々しく思えて、手が震えました。
翳りを見せる顔色を明るくするためチークを濃いめにおき、口紅を鮮やかなものにしてゆきます。
けばくならないように最新の注意をしました。
「もう少しよ」
微笑むミリア様にわたしは何も言えませんでした。
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