婚約者の王太子が偽聖女を連れてきたので、城から出て行くことになりました。【短編集】

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加護を外したら元婚約者が土下座してきたけど遅いので別の国に嫁ぎます

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「王妃になるのはお前のような地味な聖女よりも美しい彼女のほうが相応しい」

王太子は得意げに新恋人を抱き寄せている。
常にシスター服で露出一切なしの私と違って、お相手は体のラインがくっきりと出る、露出の高いドレスを着た令嬢だ。
確かに王太子の好みだ。

王妃になるのは彼女の方が相応しいね…。
はいはい、そうですか。
そうだったらいいですね。

婚約破棄を言い渡された瞬間、私はふっと笑いが込み上げる。

それを見て、王太子は少し不服そうだ。
泣き崩れるとでも思ったのだろうか。
お前ごときにそんなことするか、バーカ!

私は静かに指輪を外し、テーブルへ置いた。
すると、王国に張り巡らされた結界が揺らめく。
そして、一瞬のうちに結界はパンッと砕け散った。

「な、なんだこれは!?」
「私が仕込んでいた『加護』が外れただけ。今までこの国に外敵が侵入しなかったのは、私の守りがあったから」

王太子の顔が見る見る蒼白になる。
彼の傍らの新恋人は震えていた。
あら、次期王妃の美しさが台無しよ?

王太子は新恋人から離れると、すかさず私に向かって土下座する。

「ま、待ってくれ!あぁ、戻ってきてくれ!」
「無理ね。加護は一度解けばもう付与できないの。国家規模の守護は王家の魔術ではなく、聖女の魔術の特性だったんだから」

その時、扉が開き、黒衣の騎士団長が現れた。
見たことない顔だ。

「ニーナ様、お迎えに参りました。ランドール王国はあなたを正式に王太子妃としてお迎えしたいと」

ランドール王国はこの国の隣に位置する大国だ。
まもなく婚約破棄されるというのが他国には伝わっていたようだ。
仕事が早い。

「ありがとう。では、行きましょう」

崩れ落ちる王太子を横目に、私は騎士団長の差し出した手を取る。
ざまぁを置き土産に、私は新しい国で新しい愛を選ぶのだ。
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