悠久の Madrugada〈マドゥルガダ〉 -蒼い闇- 《本編完結》「後日譚」連載開始しました

桜楽-sakura-

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La Madrugada 6 〔懇願〕# R18

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 弟は浴場バスルームに導かれ台に腰掛けさせられると、日陰シェイドに目の前に手をかざされ、眼を閉じた。

 顔にハーブで蒸した更紗さらさを乗せられた後に、冷たいハーブ水で絞られた更紗さらさで、火照りほてりしずめられ、丁寧に拭かれた。

 次は、日陰シェイドに、綿紗ガーゼを巻いた指で唇をなぞなれ、口を開くと歯を磨かれた。それからハーブ水を渡され、口をゆすぐ。
  
 日陰シェイドは、無言で誘導するのが上手うまいなと、弟は思う。


「頂きます」

 主室メインルームテーブルに、パンセティと果物、そして紅茶シャイきょうされた。

 パンセティも、そして紅茶シャイも。とても懐かしい味がした。

 そして日陰シェイドから、ハーブの香る更紗さらさを渡され眼に当てたものの、ハーブの香りが王宮の調であることを、記憶の底から呼び覚ますことになり、更に涙が溢れた。


 ひとしきり泣いた後には、食べることを再開し供された朝食が終わるころ、ーーコトリ、と果実水とおぼしき液体で満たされたグラスが置かれた。

 ひと口、口に含むと、柑橘かんきつの爽やかな香が鼻に抜けた。

 ーーライムセラと、数種のハーブ。でもこれは、恐らく。
 弟は躊躇ためらうことなく、あおってグラスを置いた。

「僕は、ここで少し休んでいますね」

 弟は食器を片づける日陰シェイドにそう告げると、日陰シェイドは椅子の背にクッションを挟んでくれた。

「ありがとう」
 背をクッションに預け、眼を閉じる。

 ……ゅる。腹に蠕動ぜんどうを感じ、弟は眼を開いた。

 ーーもう、少し。

 弟が視線を上げると、彼を見つめていた日陰シェイドのそれと重なった。
 弟は日陰シェイドに向かって両腕を差し伸べると、日陰シェイドは彼を抱き上げて、浴場バスルームへと運び、昨日と同じ " 椅子 " に座らせた。


「ん……ぁ、ーーーー……っ」
 戒めを受けていないことが、逆につらいことを弟は知る。
 弟は昨日とは違った羞恥に耐えながら、肛門アヌスへの洗浄を受けた。


日陰シェイド
 弟は日陰シェイドの名を呼び、請い願った。


「……兄さまに僕のを調教するよう、命じられている?」

 日陰シェイドは、頷く。

「なら、そうして」
 日陰シェイドの“問う”眼に、弟は伝えた。

「僕は……たった一夜でいやらしい身体に……もう、なっている。ーーだから、本当のことを兄さまに伝えて。朝から……そして今も、肛門アヌスの奥が……奥が、うずいてたまらないから。ーー誤魔化ごまかせない。兄さまの男根ペニスが、欲しい」

 そして、

「早く、肛門アヌスへ入れてもらえるように、日陰シェイド、どうか僕を調教してください」

 日陰シェイド首肯しゅこうした。



 §



 湯で身体を暖めた後、浴場バスルームの台にあお向けに横たえられ、弟は眼を閉じーーみずから膝を、足を開いた。

「…………っ」

 日陰シェイドは、湯で温め軟膏ローションを塗った、細身の水晶の張り型ディルドで、弟の肛門アヌスの入口をなぞった。
 だが、1回なぞっただけで、張形ディルドを離し、軟膏ローションを拭ってしまう。
 そして、その張形ディルドで弟の唇に、トンと触れた。

“……声を、噛むな”
 弟は、兄の命令を思い出す。

 日陰シェイドは、張形ディルド軟膏ローションを塗り、弟の肛門アヌスへのマッサージを再開した。
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