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夢ノ命

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【目に映る信号は、赤】

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二週間ほど前から、真由美はイライラしはじめた。



それでもなんとか仕事場では表面的に平静さを保っていたが、その反動は伸二の方に向いて走りだしてしまった。



真由美は頻繁に伸二にメールを送った。



内容は、ほとんどグチだった。



真由美は、それに対して伸二からメールで返事がないと、何度でもメールを送り続けた。



不満は伸二への攻撃に変わる。



日に五回から七回、決まって真由美から伸二にメールがある。



時には、別れ話を匂わすメールも送った。



あまりにネガティブな事ばかりをメールしてくるので、嫌になったのだろう。



五日ほど前から、伸二からのメールがパタリと途絶えた。



真由美は、今日こそは電話で謝ろうと思っていた。



心身共に不調だったこの二週間は、自家製の雲も霞と消えていたが、今日は創りだすことができて、本当にもう大丈夫だと思う。



素直な気持で謝り、仲直りがしたかった。



だから電話したのだ。



それなのにあいつは勝手に携帯電話を解約してしまった。



いや、昨日突然かかってきた電話で伸二は携帯を解約すると話していた。



まさか、ジョークだと思った。



そう、わたしも悪いのだ。あの時、素直に謝るべきだった。



伸二は、理由は節約のためだと言っていたけど、それにしてもなんてタイミングが悪いのだろう。



真由美は呆然と携帯電話を握りしめていた自分に気がついた。



急に恥ずかしくなり、交差点を渡りだした。



その途端、クラクションの爆音がなる。



真由美は急いで半歩下がる。



横断歩道の白線から、エンジン音が堰を切る。



真由美の目に信号の赤が映る。







〈続く〉
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