ワニのジョルデール

夢ノ命

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エピソード14 シッポがモノを言う時

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氷クジラは、湖の底をゆっくりとマワリはじめました。



大きな円を描いたかと思うと、その内側へつむじを描くように、

円を縮めて行きます。


そして、円の中心まで来た時、ぐんと勢い良く上昇して、

湖面の上に飛び上がりました。


その拍子に、ズシンと地響きが鳴りました。



「よく見ているんだぞ、ジョルディール」


そう言うと、氷クジラは、シッポを振り上げ、

湖面の氷に向かって、打ちつけはじめました。



『たたん・とん

たん・ととん

たたむ・たや

たん・だん・だだん

たん・とん

たたん・とん・とん

ふ』



吹き抜けてゆく風の音に、大地の鼓動に、耳を澄ませ。

樹や、草や、水や、土の香りを嗅いで。

大地の高鳴りや、その静けさを。

歓声や、悲鳴やその息吹きを。



ただ、ただ、味わうだけでいい。

全てを味わい、感じて。



さあ、ジョルディール。

お前のシッポを打ち鳴らしてみろ!



産み出せ、リズムを。

葉のゆれるように。

鳥が飛ぶように。



インパラたちが走り抜ける足音、ほら、聞こえるだろう。

俊敏なチーターが草原を飛ぶように駆ける姿、ほら、見えるだろう。

川を渡る水牛たちの行進、水しぶきに、ほら、頬濡らせ。



見つめてみろ。

真っ赤な太陽が沈む地平線を。

叫ぶのもいい。

ケモノの雄叫びを。



そして、シッポを、大地に、打ち鳴らせ。

アゴを、ハラを、

足を、全部を、

地面につけて、根を生やせ。



お前は、大きな樹だ。

お前は、大きなゾウだ。

お前は、輝く太陽だ。

お前は、大地そのものだ。



全部を呼吸して。

打ち鳴らせ、火をつけて。

水に濡らせ、シッポ振れ。



リズムを感じて。

さあ、やってみろ!



ジョルディールは、湖の氷の上で豪快にシッポを打ち鳴らす氷クジラをマネして、

岸辺の土の上で、シッポを振り上げ、鳴らしてみます。



『てん てこ てん てん

てん すか てん

て てん とん

てん とん てん てん』



そうだ、ジョルディール。

感じるままに、打ち鳴らせ。



氷クジラは、シッポを振るのをやめ、ジョルディールのことを見守ります。



『とん とん たった

てん た てん とん

とん すか てん てん』



<続く>
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