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エピソード16 シッポの先に輝く球
しおりを挟むジョルディールの耳に、鳥たちのけたたましい鳴き声が、聞こえてきました。
それが、やがて、獣たちの遠吠えに変わりました。
ジョルディールのシッポを打ち鳴らす地響きと共に、
獣たちの遠吠えは、雄叫びに変わり、それが、物凄い数の大合唱となり、
ジョルディールの背中に、せまってきました。
その時です。
ジョルディールの振り下ろしたシッポの先が、まぶしいほどに輝き、
オレンジ色の光の球が現れました。
時が止まったかのように、何もかもがスローモーションになり、
獣たちの声さえ、聞こえなくなりました。
ジョルディールは、自分のシッポの先に輝くオレンジ色の球を、
しばらく、見つめました。
懐かしい輝き。
懐かしくて……そして何だか、親しみ深いその輝きに、
思い出のヒモがほどけていきました。
ジョルディールは、自分を写し出した不思議な鏡を見ているかのようでした。
その鏡の中に、ありとあらゆる自分が映し出されました。
ああ、今まで忘れていたこと。
本当は分かっていたこと。
ワニのジョルディールは、シッポに灯ったオレンジ色の輝きを見つめながら、
自分を丸裸にしていく、それはつまり、自分を食べちゃう感覚でした。
まるごと、飲み込んで、噛み砕いて、味わって……
その後時間をかけて、お尻から出して、自分の形に戻していく。
そんな行為が終わった後には、もうジョルディールには、
シッポで輝くオレンジの球をどうすればいいのか、
痛いほど分かるような気がしました。
ジョルディールは、大きく深呼吸すると、
目を閉じて、鋭く、シッポを降り下ろしました。
すぐさま山をも揺るがすような地響きがして、
オレンジ色の光の球が、物凄い勢いで地面に吸い込まれていきました。
ジョルディールの意識は、いつの間にかオレンジ色の光の玉に宿って、
一緒に、深く深く、もぐっていきました。
〈続く〉
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