ロボット・アリ・ガットン

夢ノ命

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エピソード6

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ガットンは、フジ山の火口に降りてゆくと、

最大ボリュームにして、

録音した人間たちの『ありがとう』を再生しはじめました。



しばらくすると、地鳴りがして、

フジ山の火口から煙が上がりました。



空を灰色に染めるほどの、噴火がおきたのは、

それから間もなくのことでした。



ガットンは、噴火の勢いで空高く飛ばされました。


ありがとうの声も、ガットンと一緒に、空に登っていきました。



すると、どうでしょう?


いつの間にか、赤々と燃えていた火口のマグマが、七色に変わり、

それが次から次へと空に飛び出し虹をかけていくではありませんか。


虹の数はどんどん増えて、やがて、火口をぐるりと一周しながら、千本の虹をかけました。



それは、火口を中心にフジ山を越えて、フクシッピー州全体を虹色のドームでおおっていきました。



ガットンは、空高く飛ばされた後、虹色のドームの上に落ちてはずみながら、

一本の虹を滑り降りました。



そしてたどり着いたのは、

フクシッピー州の西の海岸沿いにあるヤシの木の下の小さな一軒家の前でした。



ガットンが落ちた音を聞いて、パジャマを着た男の子が出てきました。



男の子は、仰向けに倒れているガットンと虹色の空をかわりばんこに眺めると、

目を輝かせて言いました。



『あぁ、夢にみたのとおんなじだ。これでママの病気がなおるんだ。

ガットン!もっともっとありがとうの声を地球さんに聞かせてあげてよ』



男の子からそう言われると、ガットンは、再び録音を再生してみましたが、

動きませんでした。



ガットンはあきらめて空を見上げたまま、

自分の声を、最大ボリュームにして、スイッチを入れました。



『アリ・ガットン!』



〈完結〉
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