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エピソード7 【スーパーウミウシの誕生】
しおりを挟む★「おしゃれ」「お母さん」→マンモス白珊瑚の森に住む。おしゃれ金平糖ウミウシ。
★「イシガキ」→ウミウシながらにウミウシが大好物で、みんなから恐れられている。イシガキ竜宮ウミウシ。
★「風船ウミウシ」→体を丸めて転がって移動する珍しい種族。みんなからスーパーウミウシとあがめられる。
イシガキ竜宮ウミウシが「おしゃれ」の背後にのしかかるように大きな口をあけた瞬間、
魚たちのみんながもうダメだと思った。
まさにその時、奇跡が起きた。
長い岩礁にはさまれた一本の砂の道の向こうから、猛烈な勢いで何かが転がってくる。
それは丸く、半透明な砂の色をして、ぐにゃぐにゃとゆがみながら転がってくる。
あっと言う間にそれは「おしゃれ」の背を飛び越え、イシガキ竜宮ウミウシのアゴに思いきり体当たりした。
気絶して倒れていくイシガキ竜宮ウミウシを目にしたのは、
「おしゃれ」も魚たちもはじめてだったので、その場でみんな呆然としてしまった。
そのうちに、「イシガキ」にぶつかった丸いものが、
ふいに体の外側からほどけていくようにグニャっとなった光景を目にしてすぐに、
それは一匹のウミウシの姿になった。
後になって知ったのだが、彼の名は、「風船ウミウシ」と言うのだそうだ。
彼は体を丸めて転がって移動するウミウシには珍しい種族と言えよう。
ウミウシたちの間では、特別な力を持って、良い行いをする者のことを《スーパーウミウシ》と呼んでいる。
この「風船ウミウシ」も、それ以来、「おしゃれ」たちから、
《スーパーウミウシ》とあがめられることとなった。
〈続く〉
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