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第1話 ヤリモクで登録したんだが、無限に同じ男とマッチングする
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「やっぱりまたお前かよーッ!」
春の土曜日、午後六時、名古屋駅構内、中央コンコースの広場。マッチングアプリで知り合った相手と待ち合わせ。
落ち合う約束をしていたデパートの入り口前で、春海は頭を抱えて悲鳴を上げた。もう二回ほど、マッチングをブロックしたはずの相手がそこにいた。行き交う大勢の視線が一瞬春海へ向いて、すぐに興味を失って散らばる。
(またシュンポロンのバグか!? おいおい工藤、まだ直してないのかよ!)
このアプリの開発者で、テスター依頼をしてきた友人を思い出す。一方、目の前に立つ黒髪の大男は、はにかむような笑みを薄い唇へ浮かべた。前髪は整髪料で斜めに流され、やわらかい癖っ毛があか抜けた雰囲気を醸しだしている。白いシャツの上に黒いカーディガンを羽織っただけのシンプルな装いが、彼の端正で魅力的な容貌を、かえってよく引き立てていた。初めて会ったときは猫背気味だった背筋も、今は自信ありげに伸ばされていた。
小柄な春海と視線を合わせようと屈めば、薄手のトップス越しに、逞しい上半身のラインが強調される。涼やかな切れ長の瞳が、春海を見て、とろけるようにたわんだ。
「お久しぶりです、ヨシです。ハルさんは今日も綺麗で、素敵ですね」
「やめろ! 一週間ぶりは久しぶりじゃねぇ!」
落ち着いた、それでもどこかあでやかな低い声に、背筋がぞくぞくする。春海は思わず自分の身体を抱きしめた。前回までと比べて信じられないほどアップデートが施されたヨシに、どきどき……いや、動揺してしまった。これまではチェックのシャツの裾を、クリーム色のスラックスにインだったのに、どうして。いや、あまりの惨状を見かねて、前回のマッチングでいろいろ口と手を出してしまった春海のせいなのだろうが。
前は野暮ったく目を隠していた前髪をいじりつつ、ヨシは「またお会いできてうれしいです」と微笑む。
(ちがう……! 今度こそ、お前じゃない奴だと思ったんだよ……! 俺はヤれる奴を探してるんだって!)
悶絶する春海をよそに、ヨシが小首をかしげる。その角ばった動きが妙に子犬じみていて、かわいらしい……かもしれない。大柄で筋肉質な身体つきとのギャップに、思わず惚けてしまった。よく見なくても、随分とかっこよくなった。そこらへんのモデルなんかよりも、ずっとかっこいいというか……はっきり言って、春海の、好みだ。
抱かれても、いいかもしれない。そんな煩悩が生まれた。
「でも……僕は、ずっと会いたかったです。毎日だって、ハルさんに会いたい。ハルさんは、俺の運命の人だから」
ここでやっと、理性が「正気に戻れ!」と旗を振る。春海は我に返った。たかがマチアプでマッチングしただけの相手へ、こんな甘い言葉を囁く奴に、ちょっとでも気持ちを揺らしてはいけない。どこまでが本当の気持ちで、どこからが浮かれて口にしているだけなのかも分からないのだし。
ヨシの恋愛経験のなさは、春海も身をもって知っているところだ。どうせはじめての「恋愛ごっこ」に浮かれて気障になっているだけだろう。こちらが何度ブロックしても、厚かましくマッチングを何度も申し込んでくるのだって、イカれている。
そんな春海の様子に気づかず、ヨシは呑気に端末を取り出した。液晶画面をタップしつつ、のんびりした口調で話し出す。
「ハルさん、今日はどこで食べますか? 僕、ハルさんの好きなものが食べたいです。それから、食事の後の時間も一緒に過ごしてもらえたら嬉しいです、なんて……」
もちゃもちゃ何か言っている。春海は腕組みをしてうつむき、無視した。目を閉じて、考え込む。
冷静に考えて、この男、かなり粘着質だ。なんせブロックを一切気にせず、何度もマッチングを申し込んでくるのだから。これまで出会ってきた男たちとは違って、気軽にワンナイトできるような相手ではない。したが最後、絶対に恋人面をされてつきまとわれるだろう。しつこく連絡されて、追いかけられること間違いなしだ。
でも、と、どこか浮かれている自分もいた。もしかして、こいつは、春海以外に相手がいないのではないだろうか。そして春海も現状、ヨシ以外からのマッチングの申し出はない。
もしかして、自分とヨシには、何か奇妙な縁があるんじゃないか。もっと言ってしまえば、運命みたいなものが、あるんじゃないか。
身体の関係なしで何度も会うだなんて、これまでの春海だったら信じられないことだ。
その理由は分からない。分からないったら分からない。そして案外、悪いものではないかもしれない。
我ながら、柄にもなく、ロマンチックなことを思ってしまった。春海は首を横に振り、「もういい」とそっぽを向く。そのまま、駅の出口へ向かって歩き出した。
「……食事、俺の好きなやつでいいんだよな。行くぞ」
「は、はい!」
ヨシは飛び上がるように顔を上げ、春海の後に続く。春海は鼻を鳴らしつつ、胸の高鳴りを無視した。
こうなったら、とことん好き勝手やってやる。
開発中のマッチングアプリ「シュンポロン」。春海とヨシを繋いだ、欠陥だらけのシステムの名前だ。二人はリリース前のテストユーザーとして登録しており、これがマッチングして、三度目のデートだった。
春海が何度ヨシをブロックしても、そのたびに彼はブロックを貫通して、再びマッチングを申し込んできた。春海は開発者へ直接、バグの報告をしている。しかし、まだ改善はされていないようだった。
どうしてこんなことに。彼と出会うきっかけになった、シュンポロンのテストユーザーに登録した日を、ぼんやり思いだした。あれはだいたい一か月か、それよりもう少し前だっただろうか。
あの日、うっかりテスト参加を決めてからずっと、春海の毎日は非日常の中にある。
ずっとヨシに振り回されて、散々だ。だけど寂しい思いだけは、していない。これまでずっと、あんなに、寂しかったのに。
だからきっと、そう悪い日々でもない、かもしれない。認めたくなくて、春海は夕暮れの街へと飛び出した。
春の土曜日、午後六時、名古屋駅構内、中央コンコースの広場。マッチングアプリで知り合った相手と待ち合わせ。
落ち合う約束をしていたデパートの入り口前で、春海は頭を抱えて悲鳴を上げた。もう二回ほど、マッチングをブロックしたはずの相手がそこにいた。行き交う大勢の視線が一瞬春海へ向いて、すぐに興味を失って散らばる。
(またシュンポロンのバグか!? おいおい工藤、まだ直してないのかよ!)
このアプリの開発者で、テスター依頼をしてきた友人を思い出す。一方、目の前に立つ黒髪の大男は、はにかむような笑みを薄い唇へ浮かべた。前髪は整髪料で斜めに流され、やわらかい癖っ毛があか抜けた雰囲気を醸しだしている。白いシャツの上に黒いカーディガンを羽織っただけのシンプルな装いが、彼の端正で魅力的な容貌を、かえってよく引き立てていた。初めて会ったときは猫背気味だった背筋も、今は自信ありげに伸ばされていた。
小柄な春海と視線を合わせようと屈めば、薄手のトップス越しに、逞しい上半身のラインが強調される。涼やかな切れ長の瞳が、春海を見て、とろけるようにたわんだ。
「お久しぶりです、ヨシです。ハルさんは今日も綺麗で、素敵ですね」
「やめろ! 一週間ぶりは久しぶりじゃねぇ!」
落ち着いた、それでもどこかあでやかな低い声に、背筋がぞくぞくする。春海は思わず自分の身体を抱きしめた。前回までと比べて信じられないほどアップデートが施されたヨシに、どきどき……いや、動揺してしまった。これまではチェックのシャツの裾を、クリーム色のスラックスにインだったのに、どうして。いや、あまりの惨状を見かねて、前回のマッチングでいろいろ口と手を出してしまった春海のせいなのだろうが。
前は野暮ったく目を隠していた前髪をいじりつつ、ヨシは「またお会いできてうれしいです」と微笑む。
(ちがう……! 今度こそ、お前じゃない奴だと思ったんだよ……! 俺はヤれる奴を探してるんだって!)
悶絶する春海をよそに、ヨシが小首をかしげる。その角ばった動きが妙に子犬じみていて、かわいらしい……かもしれない。大柄で筋肉質な身体つきとのギャップに、思わず惚けてしまった。よく見なくても、随分とかっこよくなった。そこらへんのモデルなんかよりも、ずっとかっこいいというか……はっきり言って、春海の、好みだ。
抱かれても、いいかもしれない。そんな煩悩が生まれた。
「でも……僕は、ずっと会いたかったです。毎日だって、ハルさんに会いたい。ハルさんは、俺の運命の人だから」
ここでやっと、理性が「正気に戻れ!」と旗を振る。春海は我に返った。たかがマチアプでマッチングしただけの相手へ、こんな甘い言葉を囁く奴に、ちょっとでも気持ちを揺らしてはいけない。どこまでが本当の気持ちで、どこからが浮かれて口にしているだけなのかも分からないのだし。
ヨシの恋愛経験のなさは、春海も身をもって知っているところだ。どうせはじめての「恋愛ごっこ」に浮かれて気障になっているだけだろう。こちらが何度ブロックしても、厚かましくマッチングを何度も申し込んでくるのだって、イカれている。
そんな春海の様子に気づかず、ヨシは呑気に端末を取り出した。液晶画面をタップしつつ、のんびりした口調で話し出す。
「ハルさん、今日はどこで食べますか? 僕、ハルさんの好きなものが食べたいです。それから、食事の後の時間も一緒に過ごしてもらえたら嬉しいです、なんて……」
もちゃもちゃ何か言っている。春海は腕組みをしてうつむき、無視した。目を閉じて、考え込む。
冷静に考えて、この男、かなり粘着質だ。なんせブロックを一切気にせず、何度もマッチングを申し込んでくるのだから。これまで出会ってきた男たちとは違って、気軽にワンナイトできるような相手ではない。したが最後、絶対に恋人面をされてつきまとわれるだろう。しつこく連絡されて、追いかけられること間違いなしだ。
でも、と、どこか浮かれている自分もいた。もしかして、こいつは、春海以外に相手がいないのではないだろうか。そして春海も現状、ヨシ以外からのマッチングの申し出はない。
もしかして、自分とヨシには、何か奇妙な縁があるんじゃないか。もっと言ってしまえば、運命みたいなものが、あるんじゃないか。
身体の関係なしで何度も会うだなんて、これまでの春海だったら信じられないことだ。
その理由は分からない。分からないったら分からない。そして案外、悪いものではないかもしれない。
我ながら、柄にもなく、ロマンチックなことを思ってしまった。春海は首を横に振り、「もういい」とそっぽを向く。そのまま、駅の出口へ向かって歩き出した。
「……食事、俺の好きなやつでいいんだよな。行くぞ」
「は、はい!」
ヨシは飛び上がるように顔を上げ、春海の後に続く。春海は鼻を鳴らしつつ、胸の高鳴りを無視した。
こうなったら、とことん好き勝手やってやる。
開発中のマッチングアプリ「シュンポロン」。春海とヨシを繋いだ、欠陥だらけのシステムの名前だ。二人はリリース前のテストユーザーとして登録しており、これがマッチングして、三度目のデートだった。
春海が何度ヨシをブロックしても、そのたびに彼はブロックを貫通して、再びマッチングを申し込んできた。春海は開発者へ直接、バグの報告をしている。しかし、まだ改善はされていないようだった。
どうしてこんなことに。彼と出会うきっかけになった、シュンポロンのテストユーザーに登録した日を、ぼんやり思いだした。あれはだいたい一か月か、それよりもう少し前だっただろうか。
あの日、うっかりテスト参加を決めてからずっと、春海の毎日は非日常の中にある。
ずっとヨシに振り回されて、散々だ。だけど寂しい思いだけは、していない。これまでずっと、あんなに、寂しかったのに。
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