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進んで行く。

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謎の力ギフトに心からの感謝を捧げ、好きな行動、または逸れたとしてもルームの扉さえ持っていれば合流出来る。食いしん坊な上に方向音痴にはまたとないスキル。

車も手に入れた私達は、美味しい晩ごはんを食べゆったりとお風呂に入りホクホクとしながら眠りについた。

朝、目覚めて今日の運転手を誰が務めるか!ジャンケンによる真剣勝負が行われた。勝者は、樹凛さん。 フンフーン♬と嬉しそうに運転席に座った樹凛さん・・・そんなに?!!まぁ、分かるけど程々にね?と言う皆んなの言葉は、届いただろうか・・・

何人かは車に残り馬さん達や狼さん達はルームの中で自由に走ったりまったりしたりと幸せそうだ。 お城にいた時は自由にしていても心が落ち着かなかったから本当に気持ち良い!そうな。 馬車をひいている時でさえ城の中の自由より自由なんだと鼻をフンカフンカさせながら話してくれた。そして、私をモシャモシャしてニンジンとリンゴをくださいな♪ するまでが馬さん達の甘える幸せコースなんだって。

そんな話聞いたらモシャモシャだって耐えるしかないよね?この世界の初日に馬小屋に入れて暖かく守ってくれた事は忘れない! あの時、本当は泣きたいくらい心細かったし寒かった。


私達の愛車には、全ての車に馬車に見える幻惑と守りの結界が張られている。それは馬車も同じだけどね。だから馬さん達は濡れないけど道が泥濘むと走りにくいから負担かけないように進んでいなかった。今回、新たに結界に馬さん達の蹄や車のタイヤの接地に関しても結界を掛けられるようになったからどんな道も負担は滑らか。

ただ、お天気悪いと視界が悪くなるし疲れるだろうからやはり基本は休憩にしている。


そんな私達が早速お天気が下り坂になって来たなって思いながら進んでいたら雨がザーザー降りになって来た。なんてこったい。しかも、とっても強い雨だ。スコールの様な雨に、それはそれで楽しいと思いつつも休憩する事にした。 

このお天気を外で感じたい!と言う台風を懐かしむ一部の人の為に結界を張り休む事に。ここら辺は結構こう言う突発的な雨に降られる事が多いらしく、困る人も結構いるのだとか。 普通は、私達みたいな素敵仕様は無いため、何とかテントを張って馬達を休めるのがやっとだとの事。良い領主だったら野営地や、休憩地をもっと準備してくれるんだろうがそうもいかず、また、予算が厳しく出来ない領地もあるらしい。


森の中はモンスターや諸々の脅威が有るけれど、雨風の時は樹木がある為マシなんだって。此処は、領主が気の弱い人で予算を分捕ってこれないらしく、あまり余力が無いため道中の拠点迄は手が回らない様だ。

そっか・・・困るのは民草だよね。行商人が困れば、それだけ購入時の代金は増していく。拠点だけだったら。となり此処に雨宿り兼宿泊所を作ろう。となった。

今迄蓄えて来た素材達に力になってもらいましょう。
結界を広くガレージ型に高さも持たせて張った。こうして、ある程度の大きさのキャラバンとかも入れる様に馬小屋、と雨宿り用にコテージを建てていった。 優さんの指示のもと、サクサクと進み大したお手伝いにはなっていないけれど居た方が捗るとの事で目印役や色々皆んなで力を合わせて行った。

途中で雨に降られて寒さに震えた行商人の一行が2組。恐る恐ると言った風に声をかけて来てどうか雨宿りさせて欲しいと。馬達も疲れている様でグッタリしている。なんてこったい!と入れてから馬達の世話をしてもらい早速馬小屋で休んで貰った。

商人さん達には、ドライだけかけていたので馬さんのお世話が終わってから暖かいスープを飲んで貰って・・・何だかお風呂があった方が良いねってなり水源はって事で樹凛さんが土魔法と索敵の合わせ技で探ってくれた。

無事豊かな水脈が見つかり井戸を作成。おおーー、水!出て来たよ。土魔法!偉大なり。サクッと作れたもんね。

早速、銭湯の様な物を男女分かれて入れる様に作ってくれた。めっちゃ早いですやん!私も、入りたいな・・・

まぁ、それはさておき。どんどん作られていく色々な物。勝手に作ってるけど色々大丈夫かな?申請もしていないし、許可も何も貰って無いけど・・・と思ったけど、ヨワヒムさん達がこの趣旨であれば次の街で申請すれば問題無いと言ってくれた。逆に領主が出来ないことを助ける意味で感謝される案件との事。なら良いね!


何も無い広い土地・・・街道沿から少し入った所に出来た雨宿り兼野営地。水場もあるし、お風呂もあるから疲れも取れるね。この世界仕様の竈等使ったキッチンも設置してある。 それを幾つか建ててあるので何組か休むことが出来るね。

優さんのクリエイトもレベルが上がって、一度作った物はサクッと秒で作れる様だ!素晴らしいスキルだよね!
だからこそ何棟か建てられたんだけどね。

本当は管理人さんみたいな人を置けたら良いんだけど。今は無理だな。でも、人員を置ける様になった時のために、転移とか作った時に直ぐ来れる様にマークだけはしておこう。 

マーク 1号 ね!

銭湯もどきが出来て、商人さん達に本当は身体を、洗ってから浸かるのだけど今日は疲れているだろうし身体が冷えてるからと言う事でクリーンをかけてかけ湯で身体を慣らしてからお湯に浸かって貰った。

良く温まった商人さん達はスープを飲んで貰い、其々の隊商毎にコテージで休んで貰った。

正直、お宿だと思ったけど今回は良いか・・・。

その後、また少し大きめのキャラバンが雨宿りを希望して来たから、同じ様に馬さん達を世話して貰い、お風呂で温まった後に少し大きめのコテージで休んで貰った。

その隊商の、商会会頭さんが

「この地には、宿場町も無く、雨の規模も中々酷いことがあり。時折行き倒れて亡くなる方もいるのです。行商の規模にもよるのですが・・・ただ、場所も結構森に近い為この地の領主の力では宿場町を置くことも叶わず。我々の様に大きめの隊商にくっ付いて行商する場合もあります。

貴方達がどの様にしてここまでの設備を備えた建物を建造したのか・・・

何れにしても、ありがたい話しです。本当にありがとうございました。私共も助かりました。」

と、話してきた。そんなものかな。利益より危険の方が大きいから難しいと言うことかもしれないね。
そんな話をされたので、実は・・・という事でこちらには何も許可無く今回建築して造ってしまったので、次の街で許可を貰わないといけないことを、伝えると。

「私は、ゼイル商会会頭のゼイルでございます。そこそこの商会と自負しております。この様なありがたい場所を造って頂いたのです。私の方からも口添えさせて頂きます。 私の商会がある街にいらした時には是非ともお寄りください。お力にもなれますし、お礼をさせて頂きたいのです。
うちの商会の者には、話を通しておきますので・・・」との事。

こちらにも、商人としてヨワヒムさん達が居るので、何か後ろ盾にもなって貰えるかもしれない。ありがたく寄らせて頂くことにした。取り敢えず次の街で、待ってくれるとの事。一緒に申請?に行ってくれるそう。距離がある程度あるみたいなので、もう1箇所くらい同じ様な場所を造る予定だから。



新たな出会いがあった今回の場所。少しでも良い方向に向けば良いな












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