雑魚

オタリナ

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母がおかしくなったのは
突然だった。


「ウァァアアア!!!」


奇声で目が覚めた。

まだ幼かったが子供部屋から出てはいけないと
瞬時に思ってベッドで寝たフリをした。


パリーンパリーン

食器の割れる音がして
父の怒声と、母の奇声がぶつかり合っていた。



しばらくして父が部屋に入ってきて
私たちを抱きしめて

「怖かったな、ごめんな」とあやまった。


なんで泣いてるの?って思ったけど




父の切れた瞼を見てたら怖くて言えなかった。



父はいつも優しかったのに


それなのに私たちを置いていったね。



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