新しい日本のことわざ図鑑

naomikoryo

文字の大きさ
84 / 93

84)一炊の夢(いっすいのゆめ)

しおりを挟む
一炊の夢(いっすいのゆめ)

★意味
人の栄華(成功や繁栄)は儚く、人生は夢のように一瞬である。
このことわざは、「どんなに成功しても、人生は短く、すべてが過ぎ去るものである」 という無常観を表します。
栄華を極めても、すべては泡のように消えてしまう…そんな**「儚さ」や「夢幻(むげん)」の概念**が込められています。

★直訳:「一度ご飯が炊ける間に見た夢のように、人生の栄華は短く儚い」
本質的な意味:「人生の成功や名声は、一瞬の出来事に過ぎず、すぐに消えてしまう」

★語源
このことわざは、中国の唐の時代の故事 『枕中記(ちんちゅうき)』 に由来しています。
『枕中記』は、中国の伝奇小説の一つで、「邯鄲(かんたん)の夢」としても知られています。
◆『枕中記』のあらすじ
◆ある若者の悩み
主人公の盧生(ろせい)は、自分の人生に満足できず、将来の成功を夢見ていました。
ある日、彼は道士(仙人のような人物)に出会い、人生の成功について相談します。
◆不思議な枕
道士は彼に**「枕」**を渡し、「この枕を使って眠れば、望む人生を見られる」と言いました。
盧生は、道士の家でご飯が炊けるのを待ちながら、その枕を使って眠ります。
◆夢の中での成功
盧生は夢の中で、出世し、富を築き、家族に恵まれ、地位も名誉も手に入れる。
彼は最終的に**宰相(国のトップクラスの政治家)**にまで上り詰め、長い成功の人生を過ごしました。
◆目覚めると…
しかし、夢から覚めると、実際には一瞬しか経っておらず、ご飯もまだ炊けていなかった。
つまり、彼が夢で見た数十年の成功した人生は、ほんの一炊(ひとたき=ご飯が炊ける時間)ほどの短い出来事だったのです。
この話から、「人の栄華(成功や繁栄)は儚いもの」という教訓が生まれ、「一炊の夢」という言葉ができました。

★教訓
◆どんなに成功しても、人生は一瞬のように過ぎていく
出世しても、富を築いても、それは一時的なものであり、永遠ではない。
◆夢や成功に執着しすぎても意味がない
すべてのものは移ろいゆくものなので、執着しすぎると虚しさが残る。
◆人生の短さを理解し、今を大切に生きることが重要
未来の成功ばかりを追い求めるのではなく、現在の瞬間を大事にすることが大切。

★現代での使い方
◆成功が短期間で終わること
例: 「あの人気芸能人、わずか3年で引退するなんて…一炊の夢だったね。」
◆栄華の儚さを感じるとき
例: 「会社を経営して一度は成功したけど、倒産してしまった。まさに一炊の夢。」
◆夢のような体験がすぐ終わるとき
例: 「旅行の1週間はあっという間に過ぎた。一炊の夢のようだったな。」
◆バブル経済や短命なブーム
例: 「バブル時代の派手な生活も、今では考えられない。一炊の夢だったよ。」

★類似表現
◆邯鄲の夢(かんたんのゆめ)
一炊の夢と同じ話に由来し、人生の儚さを表す。
◆胡蝶の夢(こちょうのゆめ)
夢と現実の区別がつかなくなること。
◆栄枯盛衰(えいこせいすい)
栄える時もあれば、衰える時もあること。

★海外の類似表現
◆"Life is but a dream."(人生は夢にすぎない)
人生の儚さを表す表現。
◆"All that glitters is not gold."(輝くものすべてが金ではない)
一時的な成功や栄華は、本当に価値のあるものとは限らない。
◆"Fame is fleeting."(名声はすぐに消え去る)
成功や人気は長続きしない。

★具体例
◆芸能界での栄光と衰退
「あの俳優、一世を風靡(ふうび)したけど、今はすっかり忘れられている。一炊の夢だね。」
◆スポーツ選手の引退
「オリンピックで金メダルを取っても、数年後には引退して無名になる。一炊の夢のようなものだ。」
◆ビジネスの成功と失敗
「ベンチャー企業で一時は成功したけど、今は倒産したらしい。一炊の夢だったな。」
◆バブル経済の終焉
「バブル時代の豪華な生活も、今では見る影もない。一炊の夢だったよ。」

★このことわざの教え
◆「人生の成功は一時的なものと心得る」
どんなに成功しても、それが永遠に続くわけではない。
◆「現在の瞬間を大切にすることが大事」
未来のことばかり考えず、今を楽しむことが大切。
◆「執着しすぎず、自然に流れることも必要」
成功や富にこだわると、逆に虚しさを感じることもある。


「一炊の夢」は、「人生の栄華や成功は儚く、一瞬で過ぎ去る」 という意味のことわざです。
芸能界、スポーツ、ビジネス、社会現象など、さまざまな場面で使える表現ですね。
もし「成功したけど、これがずっと続くのかな?」と考えたら、
このことわざを思い出して、今の瞬間を大切に生きることが大事かもしれません!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

処理中です...