新しい日本のことわざ図鑑

naomikoryo

文字の大きさ
89 / 93

89)鼎の軽重を問う(かなえのけいちょうをとう)

しおりを挟む
鼎の軽重を問う(かなえのけいちょうをとう)

★意味
権力者や指導者の力量を疑い、その地位を揺るがそうとすること。
または、国や組織の権威が衰えつつあることを指すこともあります。

★直訳:「鼎(かなえ=王権の象徴)の重さを測る」
本質的な意味:「権力者の実力や地位の安定性を疑う」

★語源
このことわざは、中国の歴史書**『史記(しき)』**に記録されている故事に由来します。
『史記』の「鼎の軽重を問う」の故事
◆「鼎(かなえ)」とは?
鼎(かなえ)とは、中国の古代に使われた三本足の青銅製の器のこと。
これは単なる食器ではなく、「王の権威」や「国家の象徴」として扱われました。
つまり、鼎の所有=国を統治する正当な資格があることを示すものでした。
◆戦国時代、楚(そ)の王の発言
中国の戦国時代、強大な国「秦(しん)」が勢力を伸ばしつつありました。
その時、楚の王(楚荘王)が、周の王が持つ「九鼎(きゅうてい)」の重さを測ろうとしました。
◆「鼎の重さを測る」という意味
本来、鼎の重さを測ること自体には意味がない。
しかし、楚の王の発言の意図は、「周の王の権威はどれほどのものか?」を探ることだったのです。
つまり、「自分が新たな支配者になる資格があるかどうかを試す発言」だったのです。
◆この言葉が生まれた背景
この発言を聞いた周の王は、「楚が周の王権を軽んじ始めている」と感じました。
それ以降、「鼎の軽重を問う」という言葉は、権力者の実力を疑う行為を指すようになりました。

★教訓
◆「権力は絶対ではなく、常に揺らぐ可能性がある」
どんなに強い権力も、他者に挑戦される可能性がある。
◆「下からの反乱や挑戦は、権力者にとって最大の脅威」
上に立つ者は、常に地位を脅かされることを意識しなければならない。
◆「新たな時代を築くには、権力者を見極める必要がある」
旧体制が衰え、新しい指導者が台頭する過程では、このことわざがよく当てはまる。

★現代での使い方
◆政治の変化や政権交代
例: 「選挙で新しい候補者が現れたことで、現政権に対する鼎の軽重が問われている。」
◆企業のトップ交代
例: 「創業者の経営方針に疑問を持つ声が増えてきた。鼎の軽重を問う時が来たのかもしれない。」
◆スポーツチームの監督交代
例: 「チームの成績が低迷し、ファンの間では監督の鼎の軽重を問う声が高まっている。」
◆学問や芸術の分野での権威の変化
例: 「従来の理論に対する新しい学説が登場し、鼎の軽重を問う議論が始まっている。」

★類似表現
◆「権力の座が揺らぐ」
その地位に疑問が持たれること。
◆「トップの実力が問われる」
指導者としての力量が試されること。
◆「新旧交代の兆し」
旧体制が崩れ、新しい勢力が台頭すること。

★海外の類似表現
◆"Power corrupts, and absolute power corrupts absolutely."(権力は腐敗し、絶対的な権力は絶対に腐敗する)
権力者が長くその座にいると、腐敗が進み、挑戦を受けることになる。
◆"The king is dead, long live the king!"(王が死んだ、新しい王を称えよ!)
権力者が交代する際の象徴的なフレーズ。
◆"Challenging the throne."(王座への挑戦)
現在の支配者に対する挑戦を意味する。

★具体例
◆政治の権力争い
「新しい党首候補が現れ、現政権の鼎の軽重を問う声が増えている。」
◆企業の経営者交代
「創業者が80歳を超え、後継者問題が浮上している。社員たちは鼎の軽重を問うようになった。」
◆スポーツ界の世代交代
「ベテラン選手が衰え、新人が活躍し始めたことで、チーム内で鼎の軽重を問う雰囲気がある。」
◆学問や科学の発展
「従来の物理理論に異を唱える新しい学説が登場し、科学界では鼎の軽重が問われている。」

★このことわざの教え
◆「権力や地位は永遠ではない」
どんなに強い支配者でも、時代の変化とともに挑戦を受ける。
◆「挑戦者が現れることで、新しい時代が生まれる」
競争や権力争いが、より良い社会の発展につながることもある。
◆「指導者は常に実力を問われている」
上に立つ者は、自分の立場が不動のものではないことを理解しておくべき。

「鼎の軽重を問う(かなえのけいちょうをとう)」は、**「権力者の実力や地位が揺らぎ、疑問を持たれること」**を意味することわざです。
政治、企業、スポーツ、学問など、さまざまな場面で使える表現ですね。
もし「このリーダー、本当に大丈夫?」と疑問に思ったら、
このことわざを思い出して、権力の変遷や新しい時代の兆しを見極めてみるのも面白いかもしれません!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。 カレンと晴人はその後、どうなる?

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

処理中です...