7 / 133
レド編
ボクラハカラッポ③
しおりを挟む
「ヒョウッ!」
クロロはケインに爪を振り上げる。ケインは剣でそれを受け止める。
「良いねえ!悪くねえ!んじゃ…俺の魔能力…見せてやるよ。」
クロロの爪が巨大化し、黒い魔力を帯びる。
「これが俺の魔能力・黒狩猫だ。まだ何段階か強くできるぜ?」
「なんで自分で魔能力明かすんだよ。…つーかなんだその技名。痛々しいなぁ…」
「ふびょーどーだろ?だからさ…てめえも言えよ!自分の魔能力をよお!」
「言わねーよ。あの人はこう言う状況だったら明かすだろうが…それはそれだけは無理だね。正々堂々だの知ったこっちゃねえ。自分のできる全力を尽くすのが正々堂々なら明かさねえのも正々堂々ってもんさ!」
ケインはそう言うと、クロロへと刃を向ける。
「ニャハハハ!そうでなくっちゃなあ!」
クロロが爪を振り上げたその瞬間、突如彼の両手は地面に向かって引き寄せられた。
『これは…こいつの魔能力か!さっきの無知性どもの感じからなんとなく分かっちゃいたが…。』
「てめえ…無知性どもに使ったのより強いじゃねえかこれ。」
「ったりめーだ。雑魚相手なら魔力消費くらい抑えるわ。」
ケインはクロロに刀を振り上げる。が、クロロは自身の体を後ろに倒し、自身の両腕を引きちぎって重力の束縛から脱出した。
「はい脱出ぅー。さーあどうする?次は?」
既に彼の両腕は治癒しきっていた。
「…っは!今まで攻撃を受け切った理由…分からなかったのか?」
「?」
クロロが首を傾げようとしたその瞬間、彼の体は後ろに引っ張られた。壁に打ち付けられた事を彼が理解したその直後、天井へと叩きつけられる。そして床、後ろ、左、右……全方向へと動かされる中、クロロは未だ笑い続けていた。ケインは自身の元へとクロロを引き寄せ、右足の蹴りを彼の腹部に与える。引き寄せられた勢いと彼の蹴りがかけ合わさった攻撃に、クロロは呼吸を止める。
そのまま奥までクロロは蹴り飛ばされる。
「……」
ケインは刀を構えた。彼が予想していた通り、クロロは奥から姿を現した。彼の両手の爪はより巨大に、かつ鋭利に変化し、その爪は両脚にも追加されていた。
「ははは!分かったぜ?お前の魔能力。重力操作だろ?お前の攻撃は普通の人間の攻撃とは明らかに威力が違う。だが見た感じでは体に魔力を纏った身体強化でもない。つまり…攻撃の瞬間に重力を操作して自分の攻撃を重くしてんじゃねえのか?そしてそれは他人にも付与できる。その刀で触れた対象の重力を操作できる。しかも重ねがけが可能…こんなとこだろ?」
「…さあな。」
ケインは地面を強く蹴り、クロロとの距離を縮める。
「おっと…喰らっちゃいけねえ。」
クロロはケインの刀を交わすと、彼の手首を爪で切断する。同時に彼の持っていた刀が彼の手を離れ、天井に刺さる。
「痛ッ…!」
「おっ…右手丸ごと狙ったつもりだったんだが…手首までで済んだか。」
「……」
「んだよこの程度で怖気付いたのかよー…。カンベンしてくれよほんとによー。」
「はぁー…クッソ…しゃーねー。クレア悪いな…。ここ壊すぜ。」
ケインは髪を髪むしってそう言うと、地面を強く踏んだ。それによって砕かれた地面は下の階へと落下し、同時に足場が消えたクロロは空中へと放り出される。
「ここからだ…俺の本気は…」
ケインは落下した瓦礫を空中で静止させる。
「重力操作…あれは正解っちゃ正解だ。だが…俺は物体を空中で静止させられる。」
「ニャハハハハ!結局言ってんじゃねえか自分の魔能力をよお!」
クロロは瓦礫を蹴ると、ケインの攻撃を飛んで交わす。ケインは間髪入れずに周辺の瓦礫をクロロに引き寄せた。クロロは再び飛び上がると、瓦礫の隙間を潜り抜け、そのまま右足の爪をケインへと叩き込んだ。ケインはその蹴りを間一髪で交わすと、左手でクロロの右足に刀を滑り込ませる。刀が掠めた彼の右足は、そのまま空中に固定される。間髪入れずケインは、クロロの腹部に刀を向けた。クロロは自身の体を横に大きく捻り、ケインの攻撃を交わす。そしてその体制のまま、ケインに両爪を振り上げた。が、クロロの足場だけが突如崩れる。
「付与対象に一定時間重力を操れるって事は…俺の固定してる瓦礫の一部分だけ重力を強くすることも可能なわけだ。」
ケインは持っていた刀をクロロに投げる。クロロは咄嗟に防ごうとするが、それらを全て貫通し、クロロの両腕、腹部が損傷する。
「がっ…!」
ケインは瓦礫を蹴ると、クロロの顔面に蹴りを入れる。蹴りの勢いに任せ、そのまま彼の頭と首を分離させる。
付与の制限時間が過ぎた瓦礫が、一斉に地面に落ちた。ケインはゆっくりと地面に降りる。
「さて…あいつは…」
そう振り返った瞬間、彼に密着とまで言える距離まで、クロロは迫っていた。
「フヒヒ!」
ケインは攻撃を交わしきれず、首元に彼の爪を食らう。彼の首元から血が噴き出した。
「…驚いたか?さっきより爪が小せえってのが。これはなぁ…幾らでも大きさを調節出来るんだよ。だから間合いをとっても意味はない!」
クロロは後ろに大きく下がる。が、クロロの爪は彼の腹部へと伸び、彼を貫こうとする。その瞬間、激しい金属音が鳴った。
『金属音…?いや待て、何故こいつは刀を持っていない!』
敗れた彼の服から見えたのは、先ほどまで彼が持っていた刀だった。
「…あばよ、楽しくは無かったぜ。」
クロロは強く地面へと引き寄せられる。そして、天井に刺さった刀と自信の刀の間に魔力を発生させ、ケインはこう叫んだ。
「『超.重.力!』」
クロロの上半身を除く全てが押しつぶされる。
「…がっ!」
クロロは下半身を核ごと押し潰され、床に転げ落ちる。
「はあ…はあ…負けか…俺の……ってぇ~!核潰されるってクッソいてーのな…。ってかヴァルの野郎は…。……!死んだか…あいつは魔力遮断するようなのは嫌うし…魔力感知に反応ねーってのは…そう言うことだろうな。…畜生。」
「やっぱ他の奴が居たか。」
「まあ…今回ここに来たのは俺の独断だ…本来はアイツだけだった。悪いことしたなあ…アイツには…。俺のエゴで…戦力削っちまう事になって…素直にあいつの言うことに従っときゃ良かった…。」
「俺がそいつの元に居たら一瞬でやられてたと思うがな。」
「ハハ!ちげえねえ!あいつは弱いからな…俺らん中じゃ…。俺も大概だが…。あー…最悪だ…」
クロロは涙を流した。仲間を失い、自身の愚かさを呪い、涙が出た。
「やっぱ…死にたくねえなあ…。あいつに会いてえよ畜生…!あの女を黙って殺してりゃこんな事には…」
「…さては馬鹿だろお前。」
「…そうだな…俺ぁ…とんでもねえ無能だと自覚してるよ…」
ケインは頭部だけになったクロロの前に座り込んだ。
「…ま、お前のお陰で俺は大怪我だよ。強かったぜ。」
「へっ…そうかよ…」
クロロは満足げな表情で消えていった。
「あ、ケイン氏、そっちは片付いたかい?」
「…すまん、壊しちまった。」
「まあ君は『攻撃規模が大き過ぎて動けないあの人の代わりに俺が居るんだー!』とか言っといて結局毎回そうだしね。」
「腹立つなその言い方。レドは…生きてるか?」
「ああ、あそこで座ってるよ。」
「…!良かった…生き残ったのか…あいつ…。…なんか変だな。」
「まあ…放っておいた方がいいよ。今はね。」
「………」
レドは自身の子供時代を思い出していた。いや、思い出させられてしまったと言う方が近かった。過去の記憶など、自分自身の空虚さそのものでしかないのだから。
クロロはケインに爪を振り上げる。ケインは剣でそれを受け止める。
「良いねえ!悪くねえ!んじゃ…俺の魔能力…見せてやるよ。」
クロロの爪が巨大化し、黒い魔力を帯びる。
「これが俺の魔能力・黒狩猫だ。まだ何段階か強くできるぜ?」
「なんで自分で魔能力明かすんだよ。…つーかなんだその技名。痛々しいなぁ…」
「ふびょーどーだろ?だからさ…てめえも言えよ!自分の魔能力をよお!」
「言わねーよ。あの人はこう言う状況だったら明かすだろうが…それはそれだけは無理だね。正々堂々だの知ったこっちゃねえ。自分のできる全力を尽くすのが正々堂々なら明かさねえのも正々堂々ってもんさ!」
ケインはそう言うと、クロロへと刃を向ける。
「ニャハハハ!そうでなくっちゃなあ!」
クロロが爪を振り上げたその瞬間、突如彼の両手は地面に向かって引き寄せられた。
『これは…こいつの魔能力か!さっきの無知性どもの感じからなんとなく分かっちゃいたが…。』
「てめえ…無知性どもに使ったのより強いじゃねえかこれ。」
「ったりめーだ。雑魚相手なら魔力消費くらい抑えるわ。」
ケインはクロロに刀を振り上げる。が、クロロは自身の体を後ろに倒し、自身の両腕を引きちぎって重力の束縛から脱出した。
「はい脱出ぅー。さーあどうする?次は?」
既に彼の両腕は治癒しきっていた。
「…っは!今まで攻撃を受け切った理由…分からなかったのか?」
「?」
クロロが首を傾げようとしたその瞬間、彼の体は後ろに引っ張られた。壁に打ち付けられた事を彼が理解したその直後、天井へと叩きつけられる。そして床、後ろ、左、右……全方向へと動かされる中、クロロは未だ笑い続けていた。ケインは自身の元へとクロロを引き寄せ、右足の蹴りを彼の腹部に与える。引き寄せられた勢いと彼の蹴りがかけ合わさった攻撃に、クロロは呼吸を止める。
そのまま奥までクロロは蹴り飛ばされる。
「……」
ケインは刀を構えた。彼が予想していた通り、クロロは奥から姿を現した。彼の両手の爪はより巨大に、かつ鋭利に変化し、その爪は両脚にも追加されていた。
「ははは!分かったぜ?お前の魔能力。重力操作だろ?お前の攻撃は普通の人間の攻撃とは明らかに威力が違う。だが見た感じでは体に魔力を纏った身体強化でもない。つまり…攻撃の瞬間に重力を操作して自分の攻撃を重くしてんじゃねえのか?そしてそれは他人にも付与できる。その刀で触れた対象の重力を操作できる。しかも重ねがけが可能…こんなとこだろ?」
「…さあな。」
ケインは地面を強く蹴り、クロロとの距離を縮める。
「おっと…喰らっちゃいけねえ。」
クロロはケインの刀を交わすと、彼の手首を爪で切断する。同時に彼の持っていた刀が彼の手を離れ、天井に刺さる。
「痛ッ…!」
「おっ…右手丸ごと狙ったつもりだったんだが…手首までで済んだか。」
「……」
「んだよこの程度で怖気付いたのかよー…。カンベンしてくれよほんとによー。」
「はぁー…クッソ…しゃーねー。クレア悪いな…。ここ壊すぜ。」
ケインは髪を髪むしってそう言うと、地面を強く踏んだ。それによって砕かれた地面は下の階へと落下し、同時に足場が消えたクロロは空中へと放り出される。
「ここからだ…俺の本気は…」
ケインは落下した瓦礫を空中で静止させる。
「重力操作…あれは正解っちゃ正解だ。だが…俺は物体を空中で静止させられる。」
「ニャハハハハ!結局言ってんじゃねえか自分の魔能力をよお!」
クロロは瓦礫を蹴ると、ケインの攻撃を飛んで交わす。ケインは間髪入れずに周辺の瓦礫をクロロに引き寄せた。クロロは再び飛び上がると、瓦礫の隙間を潜り抜け、そのまま右足の爪をケインへと叩き込んだ。ケインはその蹴りを間一髪で交わすと、左手でクロロの右足に刀を滑り込ませる。刀が掠めた彼の右足は、そのまま空中に固定される。間髪入れずケインは、クロロの腹部に刀を向けた。クロロは自身の体を横に大きく捻り、ケインの攻撃を交わす。そしてその体制のまま、ケインに両爪を振り上げた。が、クロロの足場だけが突如崩れる。
「付与対象に一定時間重力を操れるって事は…俺の固定してる瓦礫の一部分だけ重力を強くすることも可能なわけだ。」
ケインは持っていた刀をクロロに投げる。クロロは咄嗟に防ごうとするが、それらを全て貫通し、クロロの両腕、腹部が損傷する。
「がっ…!」
ケインは瓦礫を蹴ると、クロロの顔面に蹴りを入れる。蹴りの勢いに任せ、そのまま彼の頭と首を分離させる。
付与の制限時間が過ぎた瓦礫が、一斉に地面に落ちた。ケインはゆっくりと地面に降りる。
「さて…あいつは…」
そう振り返った瞬間、彼に密着とまで言える距離まで、クロロは迫っていた。
「フヒヒ!」
ケインは攻撃を交わしきれず、首元に彼の爪を食らう。彼の首元から血が噴き出した。
「…驚いたか?さっきより爪が小せえってのが。これはなぁ…幾らでも大きさを調節出来るんだよ。だから間合いをとっても意味はない!」
クロロは後ろに大きく下がる。が、クロロの爪は彼の腹部へと伸び、彼を貫こうとする。その瞬間、激しい金属音が鳴った。
『金属音…?いや待て、何故こいつは刀を持っていない!』
敗れた彼の服から見えたのは、先ほどまで彼が持っていた刀だった。
「…あばよ、楽しくは無かったぜ。」
クロロは強く地面へと引き寄せられる。そして、天井に刺さった刀と自信の刀の間に魔力を発生させ、ケインはこう叫んだ。
「『超.重.力!』」
クロロの上半身を除く全てが押しつぶされる。
「…がっ!」
クロロは下半身を核ごと押し潰され、床に転げ落ちる。
「はあ…はあ…負けか…俺の……ってぇ~!核潰されるってクッソいてーのな…。ってかヴァルの野郎は…。……!死んだか…あいつは魔力遮断するようなのは嫌うし…魔力感知に反応ねーってのは…そう言うことだろうな。…畜生。」
「やっぱ他の奴が居たか。」
「まあ…今回ここに来たのは俺の独断だ…本来はアイツだけだった。悪いことしたなあ…アイツには…。俺のエゴで…戦力削っちまう事になって…素直にあいつの言うことに従っときゃ良かった…。」
「俺がそいつの元に居たら一瞬でやられてたと思うがな。」
「ハハ!ちげえねえ!あいつは弱いからな…俺らん中じゃ…。俺も大概だが…。あー…最悪だ…」
クロロは涙を流した。仲間を失い、自身の愚かさを呪い、涙が出た。
「やっぱ…死にたくねえなあ…。あいつに会いてえよ畜生…!あの女を黙って殺してりゃこんな事には…」
「…さては馬鹿だろお前。」
「…そうだな…俺ぁ…とんでもねえ無能だと自覚してるよ…」
ケインは頭部だけになったクロロの前に座り込んだ。
「…ま、お前のお陰で俺は大怪我だよ。強かったぜ。」
「へっ…そうかよ…」
クロロは満足げな表情で消えていった。
「あ、ケイン氏、そっちは片付いたかい?」
「…すまん、壊しちまった。」
「まあ君は『攻撃規模が大き過ぎて動けないあの人の代わりに俺が居るんだー!』とか言っといて結局毎回そうだしね。」
「腹立つなその言い方。レドは…生きてるか?」
「ああ、あそこで座ってるよ。」
「…!良かった…生き残ったのか…あいつ…。…なんか変だな。」
「まあ…放っておいた方がいいよ。今はね。」
「………」
レドは自身の子供時代を思い出していた。いや、思い出させられてしまったと言う方が近かった。過去の記憶など、自分自身の空虚さそのものでしかないのだから。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
忘れ去られた婚約者
かべうち右近
恋愛
『僕はレベッカしか選ばない』
甘い声音でそう話したはずの王太子サイラスは、レベッカを忘れてしまった。
レベッカは、王太子サイラスと付き合っていることを、ある事情により隠していた。舞踏会で関係を公表し、婚約者に指名される予定だったのに、舞踊会の夜にサイラスは薬を盛られて倒れ、記憶喪失になってしまう。
恋人が誰なのかわからないのをいいことに、偽の恋人が次々と名乗りをあげ王太子の婚約者の座を狙ってくる。おかげで不信に陥ったサイラスに、レベッカは自分が恋人だと名乗り出せなくなってしまった。
サイラスの記憶喪失を解消するため、薬師兼魔女であるレベッカは恋人であることを隠しながら、事件調査を協力することになった。そうして記憶が戻らないまま二人の距離は再び近づいていく。だが、そんなおりにサイラスの偽の恋人を名乗りでた令嬢たちが、次々と襲われる事件も起き始めて……!?
※他のサイトにも掲載しています。
毎日更新です。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
50代無職、エルフに転生で異世界ざわつく
かわさきはっく
ファンタジー
就職氷河期を生き抜き、数々の職を転々とした末に無職となった50代の俺。
ある日、病で倒れ、気づけば異世界のエルフの賢者に転生していた!?
俺が転生したのは、高位エルフの秘術の失敗によって魂が取り込まれた賢者の肉体。
第二の人生をやり直そうと思ったのも束の間、俺の周囲は大騒ぎだ。
「導き手の復活か!?」「賢者を語る偽物か!?」
信仰派と保守派が入り乱れ、エルフの社会はざわつき始める。
賢者の力を示すため、次々と課される困難な試練。
様々な事件に巻き込まれながらも、俺は異世界で無双する!
異世界ざわつき転生譚、ここに開幕!
※話数は多いですが、一話ごとのボリュームは少なめです。
※「小説家になろう」「カクヨム」「Caita」にも掲載しています。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる