Heavens Gate

酸性元素

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地獄編

怨讐、歓喜、崩壊、堕落

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「だ、誰だお前……何なんだ!」
魔導士の前に、1人の女医が立っている。
彼を見下ろしながら彼女は口を開いた。
「うん、決めた。アンタにしよう。」
女医は魔導士の下半身に手を伸ばした。
まさか、と緊張が走る。
この女はこの状況で?ああ、もう良い。どうせ死ぬんだ。
好きに抱かれてやろうじゃないか。
暫くして、魔導士の体にはオーガズムが訪れた。
性的快感が始終脳内を駆け巡る。
だが、彼は気づかなかった。
自身がそれ以外考えられなくなっている事に。
魔導士の身体中から内臓が飛び出す。
それらはそこら中に絡みつき、周囲の死体を引き寄せた。
そして泥のように全てを飲み込み、無作為に敵を襲う怪物へと変貌を遂げた。
「ア"ー!ア"ー!ア"ーーーーーーーー!」
「うーん…なんでだろ…あーもうちょっとだけしとこ!」
女医は怪物の体にメスを入れる。
最早彼女に理性などない。彼女の呼吸の頻度は加速していく。
「ああ!ああああああ!良い……あったかーい…あったかいよアンタの中…」
女医は怪物の切り開かれた身体の中に体を埋め、その内臓を抱きしめながら、枕に顔を埋めて眠るクリスマスの夜の子供のように、安堵の表情で目を瞑った。
「ふーっ!安心安心。」
怪物の体内から体を出すと、女医はビルの窓際に立った。
「さて…ざっと50体って所かな?一斉放出開始ぃ!」
夥しい数の怪物が、ビルの上空から降り注ぐ。
怪物の体から垂れる液は、その強力な酸性によって周囲のものを溶かしていった。
そして巨大な図体に反し、移動速度は驚異的であった。
人間の倍以上の速度で移動し、次々と民衆を殺していく。
「あ!死んじゃった…あの人好みだったんだけどなあ…」
悲鳴を上げる民衆の死体を眺め、女医は項垂れる。
「フン…悪魔の女医とはよく言ったものだ…最早医者ですらない。」
「あ、帰ってきたんですね。」
「ああ、私も1万ほど兵を送った。1時間経たずここらは制圧されるだろう。…何故わざわざここまで非効率的な物を生み出した?貴様ならもっと効率の良い化け物を生み出せるだろう?解体屋.リリッシュ。」
「えー?だってそれだとさあ…やられる側にずっと激痛が走るんだよ?やっぱり両者の合意の上って言うか…いや違うな、両方気持ち良くないと、ね。」
「セックスとこれが同義だと思っているのか…つくづく理解できんな。」
「へー…貴方だってそんなに人のこと言えないですけどね?規律だのなんだのと語っておきながら、その規律を壊している。」
「いやいや、必要な犠牲というものだよ。何も考えず自由を訴えて秩序を壊すような阿呆どもとは違う。」
「バルハランテってのはみんなそうなんですか?グレゴリオさん。貴方の妹さんもあんまり良い噂聞きませんし…」
「ああ、メリッサか。彼女は今何をしているだろうか…まあ彼女とては向かえば殺すとも。平等とはそう言うものだ。」
「妹相手に彼女、ねえ。」
「ところでさっきから聞こえるこの呻き声は何だ?」
「ああ……ホラ、ここって避難所じゃ無いですか。だから避難してる人達で作ったんですよ。季節外れですけどね。
ジャッジャーン!人間クリスマスツリー!」
リリッシュは部屋に明かりを灯す。常人には耐え難い光景がそこには広がっていた。
彼女がクリスマスツリーと呼んだそれは、その原型など微塵も無かった。
人の足が木の幹となり、夥しい数の手がツリーの葉としてしき集められ、それに巻きつけられた腑はリボンとして機能し、そこに人の頭がくくりつけられていた。
目には見えないが、胴体などは支柱として中に入れられているのだろう。
「なんと悪趣味な…映画として出たら放映中止モノだぞ。」
「えー?!なんで?!ちゃんと殺菌も防腐処理もできてんだけど!大体危害も加えないし!アタシから言わせればシザーハンズとかブランドルの方がよっぽど悪趣味なんですけど!」
「……まあ良い。そろそろ国公も動き出すだろう。……その方にも戦力は回しているのだろうな?」
「あ!ちょっと待って忘れてた!どうしよっかなー…ここら辺の死体集められません?」
「はあ……仕方がない。|断罪の処刑人(トラッシュパージ.トロイメライ)。」
グレゴリオの体から兵が生成され、辺りの死体を回収していく。
「悪いが質には期待するなよ?」
「分かってますって。」
リリッシュは右手のメスをくるくると回した。

「……今なんと言った?」
リリッシュは眉間に皺を寄せる。
巨大な崖、強固な防壁。
都市部内への進入が不可能、そんな状況で聞いた知らせは、彼女を混乱の渦に巻き込んだ。
「は、反社会勢力のメンバーの一部が判明いたしました。
宝仙のマフィア九龍の幹部.师生肖。そして国公魔導機関元中尉.グレゴリオ.バルハランテ。この2名が関与していると…」
「………!クソ!分かったぞ。まずい、このままでは…」
メリッサは爪を噛みちぎった。指から出る血など意にも介さず、ブツブツと1人呟いていた。
「龍くんはどこに居る…?!このままではまずい。」
メリッサは部下を振り払い、その場から立ち去った。
「し、少将!一体何処に……」
「どけ!貴様も上層部側だろう。ならば拒絶する以外私の選択はない。」
「今直ぐ奴を止めろ!」
メリッサの周囲を、複数人の魔導士が取り囲んだ。
「…‥なんとしてでも私を動かしたくないらしいな。」
「貴様が以前から反抗心を抱いていた事は知っている。既に知っているんだろう?」
「……兄が何故あそこ側にあるのかは知っているさ。だからこそ私は貴様らの傀儡にはならない。
わざわざ龍くんに冤罪をかけた理由…当ててやろうか?
貴様らがマフィアと繋がりを持っていたからだ。私がそこら辺を調べていたのに気づいた貴様らは、今まで横流ししていた金を全て彼に押し付けた。完全な尻尾切りだ。」
「そこまで知られていたんじゃあやはり行かせる訳にはいかない。」
「残念だったな。貴様らがしているのは足止めどころか時間稼ぎだ。」
「まさか!」
メリッサが、否、メリッサの形をした人形が爆発する。
取り囲んでいた兵は、もれなく爆撃により死亡した。
「ノーマンくん、聞こえるかい?ドラゴンクロウのメンバーと合流するんだ。それがダメなら指定した場所に向かってくれ。レーダーに表示した。」
『なんですか?これ。』
「それは数少ない協力者だよ。土壇場で打てた唯一の手だ。君1人でも向かってくれ。」
『了か…』
通信が切れる。
くそ。接続の妨害もされているのか。
とにかくあの防壁を破壊しなければ。
メリッサは走りながら、別の無線機に接続する。
『はい、どうしました?』
「…連絡が切れた。ヘルガくん、君に頼みたい事がある。いや、命令だな。」
『了解しました。ウチの隊長がどこに居るかわかればまだマシなんですが……魔力感知でさえも遮断されてるとかどんだけ高い精度なんだか…』
「ミスター.ゾルダか。…いや、彼がこの防壁を解除しにきたところで、あれほどの勢力の前にはそうする隙が無いだろう。やはりそこまで有効じゃない。」
『本人が聞いたら落ち込みますよそれ…』

「…あーやばい、接続切れた。どうしよっかなあ。」
「こいつ!」
傭兵達の銃撃をかわしながら、ノーマンは無線機を懐にしまった。
「あーもう…うるせぇなあ!」
ノーマンは10人以上ある傭兵を、まるで蠅を振り払うかのように全て殺した。1秒と満たない時間である。
「あークソ!感知装置も起動しねえのにどうやって合流しろってんだよあの女!指揮官として失格だぞこん畜生!」
「焦ってんのか?紅茶飲めよ紅茶。」
若い少年の声が彼の背後から聞こえる。
ノーマンは振り返った。
「誰だお前。」
「誰だはねえだろ魔道士サンよ!見りゃわかんだろ?正真正銘悪い奴だ。」
「……じゃあ死ね。精通したてのクソガキに用はない。」
ノーマンは銃撃を乱射する。だが、少年は身を捻り、それら全てをかわしてみせた。
「!」
「やなこった。死ぬのはテメェだ老害野郎。」
空中に複数の円盤が出現する。
少年は飛び上がると、円盤から円盤へと乗り移り、ノーマンの懐へと潜り込んだ。そして少年は地面に両手をつけると、逆立ちするような姿勢でノーマンの腹部に両足をめり込ませる。
本来ならば避けるに値しないほどの貧弱な攻撃。だが、その常識は覆った。
ノーマンの腹部にも円盤が現れたのである。
「enjoy!」
気づけば彼は吹き飛ばされていた。
そして遅れざまに、彼の腹部に痛みが走る。
「終わらねえよー?」
少年は吹き飛ばされる最中のノーマンに追いつくと、間髪入れずに蹴りを叩き込んだ。ビルの床へと叩きつけられた彼の上に、コンクリートの瓦礫が降り注ぐ。
「おいおいもう終わりか?」
「あー…腹立つ。クラブって奴か?ガンガンガンガン音刻んみやがってよお……ちっともオレには楽しさが分からねえ。」
「はっ!そりゃテメェが時代送れなだけだ。」
「…じゃあ言わせてもらうわ。」
ノーマンは、自身の拳を少年の腹部にめり込ませた。
「あっ…!がああああ!」
焼けるような痛み。時間が経つごとにどんどん増していく。
円盤で全身を包んでいたのに。そのガードすらあっさり破られた。なんと言う腕力だ。
「よく聞けクソガキ。お前の攻撃はいちいち軽すぎるんだよ。オレが時代遅れならテメェは薄っぺらい。オレはなあ…お前みたいにイキり散らすことしか出来ないクソガキが死ぬほど嫌いなんだよ。」
「じゃあ死んでみろや!」
少年、エイブラハム.レイガーはスケートボードを取り出す。
空中に加速板が生成された。
エイブラハムは、スケートボードで加速板の上に乗る。
周囲のビルを掻き分け、スケートボードは加速していく。
マッハ100へと到達しようと言うその速度で、ノーマンに激突した。
これでは終わらない。前方に反射板を取り付ける。これで数倍の衝撃になる筈だ。
「…くだらねえ。」
気がついた頃には、ノーマンの拳は彼を地面に叩きつけていた。
馬鹿な。マッハ100を超えるんだぞ。何故こうも簡単にねじ伏せられるんだ。
エイブラハムは再び加速を始める。限界まで振り絞れ。
「ああああああ!」
上空から降下する。これなら叩きつける事もできない。正面から相殺する他ないだろう。
「………」
ノーマンの拳
は、空を切った。
そりゃそうだ、これほどやる奴が追いつかない訳がない。
そうなると相殺できない訳もない。だからここで方向を変える。直前で仕掛けた反射板によって方向転換し、彼の背後に回り込んだ。
まだ、まだ終わらない。
反射板を次々と設置し、四方八方に飛び回る。その度彼は加速していく。
ここだ。襲いかかる方向が四方向だけと思わせた所に、下から斜め上への攻撃。今度こそ行けると思った中での不意打ちだ。既にマッハ1000へと到達した。周囲のものは少し動くだけで容易に吹っ飛んでいく。それを至近距離で行うのだ。
どうだ、対応してみろ。今直ぐお前は消し炭に…
「舐めてんのか?」
そう一言呟くと、ノーマンはエイブラハムの顔面に拳をめり込ませた。
それでは終わらない。1発、2発、3発………容赦なく連打する。
そして、戦いで吹き飛んだ物が運動を終える頃には、彼の体は原型を失っていた。最初の一発だけで既に死んでいた事は最早言うまでもない。だがそれでも容赦はしなかった。
「時にお前のような奴は自分を過大評価する。何故かって自分の惨めな部分を認めてるからさ。自分が惨めだと自覚してる奴は2パターンの行動を取る。
一つ目はお前のように無理やり自分を持ち上げようと必死になる。何事にも興味ないアピールするような輩もそれに含まれる。
二つ目は、本当何も考えない事だ。興味ない事をアピールする奴との違いはそこにある。
差し詰め俺が後者、お前が前者だ。……死体に話すのは我ながらどうかと思うが。」
「あーあ…エイブラハムの奴…ほんっとやべえ死に方。」
「………!誰だ、お前は。」
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