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剣豪編
開戦
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「んで…なんでいきなり裏切ったよ?」
シャーロットは頬杖をつきながら質問する。
「俺たち忍者は修行を里で行う…ここにいるものたちは、皆同じ里で育った。その中でいたのが…お前らの言うハンゾウだ。」
「お前らの言う…?随分妙な言い方だな。」
「ハンゾウという名は代々受け継がれてくものだ。その中でも最有力候補が奴だった。
……一度里をそいつと逃げようとして、それで捕まった。
あいつの最後…どうだった?」
「魔族と戦って死んだよ。随分と寂しそうな目してやがったが、そう言うわけか。」
「約束したんだよ…あいつとな。どうせ作られた命なら共に死のうと。」
「そうか…んで、本題だ。向こうの情報について聞きたい。」
ニヤリと笑い、シャーロットは言う。
「わかった、話そう。
まず戦力はざっと総数500名。
奴らの目的は…天叢雲剣を生成することだ。」
「天叢雲剣?まさかそいつは…」
「かつてヤマトに存在したとされる剣だ。それで奴らは政界で力をつけようとしている。」
「…?最早魔道具が権威に繋がる世界ではないだろう。」
シャーロットは首を傾げる。
サスケは少し間を空けて回答した。
「権威を持てるほどに凄まじい魔道具なのさ。世界四大魔剣すらも超越するほどの。」
「自分の力で戻そうと思わねえのか?」
「それほどのオツムは無いらしいな、奴らには。」
サスケは軽蔑したような表情を浮かべた。
「んで…それで花織は徴収されたと?」
「いや…花織様は、天叢雲剣を作り出すための犠牲になる。」
「!!」
周囲が静まり返った。
「天叢雲剣の復元のためには、剣に蛇の血をつけ、数100年放置する必要がある。」
「まさか…」
「そうだ。花織様の魔能力で、その数100年の過程をとばす。」
「んなことしたらあいつの体が持たねえぞ!」
ケインは大声をあげ、椅子から立ち上がった。
「だから犠牲になると言ったんだ。
黒式ケイン…花織様はお前のためを思って犠牲となったのだ。」
「俺の…ため?」
「ああ…お前の持つ『物干し竿』…それを本来では使用する予定だった。だが数百年も過程を飛ばせば、今度はお前が死ぬ事になる。…花織様は、その為に進んで名乗り出たのだ。
あの方は誰よりも優しい……降りかかる苦痛のために、己を狂気で押さえつけた。忍者の中で逸れものだった俺たちにも優しかった。」
「………」
ケイン答える言葉が見つからなかった。ずっと俺の為だったって言うのか。それなのに、俺はアイツのために何もできていない。
「そして逸れものの俺たちがお前らの元に来た理由だが…そもそも奴らはお前らを迎え撃つつもりでいる。」
「何?」
シャーロットはぴくりと眉を挟ませる。
「お前らの力を過小評価してるのもあるが…それ以上に黒式ケイン、お前を欲しているからだ。」
「俺を…?」
「花織さんが代わりになった以上、先輩を求める理由はないのでは?それに回りくどすぎる。」
「それが奴からの要求だからだ。」
「奴……?」
「ああ、剣豪、宮本武蔵。黒式ケインと言う宿敵がやってくるから、それを迎え撃たせろ、と。この計画に協力する交換条件として提示してきた。」
「おいおい…待ってくれ。俺はその宮本武蔵とか言うのと面識がないぞ?」
「それ…」
サスケは、ケインの持っていた『物干し竿』を指差した。
「それと武蔵が繋がっているのさ。お前…誰かからの声が聞こえたことはないか?」
「…!」
つい先日、それらしい現象に遭遇していたことをケインは思い出した。
「…やばいのか?その宮本武蔵ってのは。」
「ああ…やばい。シャーロット…あんたでも少なくとも苦戦ぐらいはするだろう。
…俺から宮本武蔵についてはこれ以上は言えない。能力から何もかもが不明。ただただ、何もかもがやばいと言うことしか分からん。」
言い終わると、サスケはフゥ、と息を整えた。
「さて…兎に角作戦を練りましょう。皆さんに協力してもらいます。」
レドは忍者達に告げる。
「おいおい…待ってくれよ。そんな簡単に信じるのか?大体勝てるのか?相手はお前らが思っている以上にデカいんだぞ?いくらあんたらでも無傷では…」
「僕はね…貴方達が悪い人には見えないんですよ。……人を信じる事の大切さと言うのを、ここ半年で僕は学んだもので。
…それにこれ以上の修羅場は潜ってきました。ですよね?」
レドに問われた3人は頷いた。
「それじゃ…始めましょう。」
その日の夜、ケインはベッドの上で天井を眺めていた。
その後に話されたサスケの話を思い出した。
『半年前、花織様が一度帰郷なさっただろう?その時点で告げられていたのだ、今回の計画を。それでご自身が犠牲になると言った。』
彼女の生い立ち、そして自分との関係の何もかもを知らされた。
初めて会った日、花織は泣いていた。あの涙の意味は、そう言う意味だったのだ。
どうして、今まで嘘をついていたんだ。あの時も、あの時も、お前は未練だらけの死を覚悟していたと言うのか?
…いや、よそう。こんな自分勝手な考えは。今は花織の為に……
『黒式よ、何を迷っている?』
突如、声が脳内に響き渡った。
『…お前が武蔵か?』
『そうだ…黒式よ、お前は何故迷う?』
『迷っちゃいない。』
『いいや、迷っているな。……困るぞ、お前と私との戦いだと言うのに…』
『俺の為でもお前のためでもない!花織の為だ!』
『…よい、時期に分かる。』
声は消えていった。そして色々と考える内に、彼は眠りについていた。
「…馬鹿者が。」
武蔵は部屋でひとこと、呟いた。
シャーロットは頬杖をつきながら質問する。
「俺たち忍者は修行を里で行う…ここにいるものたちは、皆同じ里で育った。その中でいたのが…お前らの言うハンゾウだ。」
「お前らの言う…?随分妙な言い方だな。」
「ハンゾウという名は代々受け継がれてくものだ。その中でも最有力候補が奴だった。
……一度里をそいつと逃げようとして、それで捕まった。
あいつの最後…どうだった?」
「魔族と戦って死んだよ。随分と寂しそうな目してやがったが、そう言うわけか。」
「約束したんだよ…あいつとな。どうせ作られた命なら共に死のうと。」
「そうか…んで、本題だ。向こうの情報について聞きたい。」
ニヤリと笑い、シャーロットは言う。
「わかった、話そう。
まず戦力はざっと総数500名。
奴らの目的は…天叢雲剣を生成することだ。」
「天叢雲剣?まさかそいつは…」
「かつてヤマトに存在したとされる剣だ。それで奴らは政界で力をつけようとしている。」
「…?最早魔道具が権威に繋がる世界ではないだろう。」
シャーロットは首を傾げる。
サスケは少し間を空けて回答した。
「権威を持てるほどに凄まじい魔道具なのさ。世界四大魔剣すらも超越するほどの。」
「自分の力で戻そうと思わねえのか?」
「それほどのオツムは無いらしいな、奴らには。」
サスケは軽蔑したような表情を浮かべた。
「んで…それで花織は徴収されたと?」
「いや…花織様は、天叢雲剣を作り出すための犠牲になる。」
「!!」
周囲が静まり返った。
「天叢雲剣の復元のためには、剣に蛇の血をつけ、数100年放置する必要がある。」
「まさか…」
「そうだ。花織様の魔能力で、その数100年の過程をとばす。」
「んなことしたらあいつの体が持たねえぞ!」
ケインは大声をあげ、椅子から立ち上がった。
「だから犠牲になると言ったんだ。
黒式ケイン…花織様はお前のためを思って犠牲となったのだ。」
「俺の…ため?」
「ああ…お前の持つ『物干し竿』…それを本来では使用する予定だった。だが数百年も過程を飛ばせば、今度はお前が死ぬ事になる。…花織様は、その為に進んで名乗り出たのだ。
あの方は誰よりも優しい……降りかかる苦痛のために、己を狂気で押さえつけた。忍者の中で逸れものだった俺たちにも優しかった。」
「………」
ケイン答える言葉が見つからなかった。ずっと俺の為だったって言うのか。それなのに、俺はアイツのために何もできていない。
「そして逸れものの俺たちがお前らの元に来た理由だが…そもそも奴らはお前らを迎え撃つつもりでいる。」
「何?」
シャーロットはぴくりと眉を挟ませる。
「お前らの力を過小評価してるのもあるが…それ以上に黒式ケイン、お前を欲しているからだ。」
「俺を…?」
「花織さんが代わりになった以上、先輩を求める理由はないのでは?それに回りくどすぎる。」
「それが奴からの要求だからだ。」
「奴……?」
「ああ、剣豪、宮本武蔵。黒式ケインと言う宿敵がやってくるから、それを迎え撃たせろ、と。この計画に協力する交換条件として提示してきた。」
「おいおい…待ってくれ。俺はその宮本武蔵とか言うのと面識がないぞ?」
「それ…」
サスケは、ケインの持っていた『物干し竿』を指差した。
「それと武蔵が繋がっているのさ。お前…誰かからの声が聞こえたことはないか?」
「…!」
つい先日、それらしい現象に遭遇していたことをケインは思い出した。
「…やばいのか?その宮本武蔵ってのは。」
「ああ…やばい。シャーロット…あんたでも少なくとも苦戦ぐらいはするだろう。
…俺から宮本武蔵についてはこれ以上は言えない。能力から何もかもが不明。ただただ、何もかもがやばいと言うことしか分からん。」
言い終わると、サスケはフゥ、と息を整えた。
「さて…兎に角作戦を練りましょう。皆さんに協力してもらいます。」
レドは忍者達に告げる。
「おいおい…待ってくれよ。そんな簡単に信じるのか?大体勝てるのか?相手はお前らが思っている以上にデカいんだぞ?いくらあんたらでも無傷では…」
「僕はね…貴方達が悪い人には見えないんですよ。……人を信じる事の大切さと言うのを、ここ半年で僕は学んだもので。
…それにこれ以上の修羅場は潜ってきました。ですよね?」
レドに問われた3人は頷いた。
「それじゃ…始めましょう。」
その日の夜、ケインはベッドの上で天井を眺めていた。
その後に話されたサスケの話を思い出した。
『半年前、花織様が一度帰郷なさっただろう?その時点で告げられていたのだ、今回の計画を。それでご自身が犠牲になると言った。』
彼女の生い立ち、そして自分との関係の何もかもを知らされた。
初めて会った日、花織は泣いていた。あの涙の意味は、そう言う意味だったのだ。
どうして、今まで嘘をついていたんだ。あの時も、あの時も、お前は未練だらけの死を覚悟していたと言うのか?
…いや、よそう。こんな自分勝手な考えは。今は花織の為に……
『黒式よ、何を迷っている?』
突如、声が脳内に響き渡った。
『…お前が武蔵か?』
『そうだ…黒式よ、お前は何故迷う?』
『迷っちゃいない。』
『いいや、迷っているな。……困るぞ、お前と私との戦いだと言うのに…』
『俺の為でもお前のためでもない!花織の為だ!』
『…よい、時期に分かる。』
声は消えていった。そして色々と考える内に、彼は眠りについていた。
「…馬鹿者が。」
武蔵は部屋でひとこと、呟いた。
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