初めての恋愛

KAZUchan

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第1話

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食堂にて

和也「はぁ、講義疲れたー」

遥斗「お疲れさん」

和也「おぉ、遥斗か」

こいつは俺の友達の遥斗。

高校で一緒だったやつらとは離ればなれになっちまったから、大学では普段からこいつと行動を共にしてる。

俺と違って、イケメンでモテモテだ。
ちょっと、俺に嫌味ったらしいこと言ってくることもある。

それでも、俺の相談にはいつも乗ってくれる。
俺も、こいつに何かあったら協力してあげたいと思ってる。

大切な友人の一人だ。

遥斗「腹へったな。なに食う?」

和也「特に何か食いたい気分じゃないし、定食Aで良いかな。」

遥斗「じゃあ、俺もそれにするか」

食事中

遥斗「またバイト詰め込んでんのか?」

和也「あぁ、まあな」

遥斗「あんま無理すんなよ」

和也「バイトはお前もしてるだろ?まぁ、心配してくれてありがとうな。お前も頑張れよ。」

遥斗「おう」

講義終了後

遥斗「和也ー、帰ろーぜー」

和也「わるい、遅くなった」

遥斗「気にすんな」

帰り道

和也「はぁーー」

遥斗「どうした?幸せが逃げちまうぞー」

和也「うるせぇ、ちょっと癒しが欲しいなぁと思っただけだよ」

遥斗「癒し?彼女とかいれば癒しになるぜ!」

和也「お前なぁ、俺に彼女ができると思うかぁ?」

遥斗「いや、全く」

和也「おい」

遥斗「そういえばお前、今まで彼女いたことなかったよなぁ。恋愛に少しでも興味を持ってみたらどうだ?」

和也「あるわけないだろ。俺の事を好きになってくれる女性が現れるなんて、天と地がひっくり返るような話だ。興味を持っても一緒だよ」

遥斗「なんか...その話聞いてると泣きたくなってきた」

和也「うん。俺も自分で言ってて悲しくなった」

遥斗「まぁ、自信持てよ!いつかはお前を好きになってくれる人はでてくるって」

和也「だと良いけどなぁ」

次の日

和也「ふぁ~~。眠い」

遥斗「オッス」

和也「ウッス」

遥斗「すごい眠そうだな」

和也「まぁな」

遥斗「またバイトかー?...あれ?」

和也「どうした?」

遥斗「見ろよ。このポスター」

和也「ん?なんだこれ」

遥斗「この大学主催の美女コンクールだってよ。もう終わってるみたいだな。結果は...へぇ、狩谷彩夏か。すごい評判だったもんなー」

和也「へぇ.....ところで、そのひとは誰だ?」

遥斗「はぁ!?お前知らないのかよ!!」

和也「あ、あぁ。聞いたこともない」

遥斗「最近ここでは超流行ってるぞ!超美人なんだぞ!」

和也「そ、そうなのか?」

遥斗「ったく、知らない人がいるなんてなぁ。しかもこんなに身近に」

狩谷彩夏...どこかで聞いたことがあるような...ないような....
うん。ないない。気のせいだな。

和也「まぁ、良いさ。どうせ俺とこの人が関わることは無いんだろうし。住んでる次元が違うからな」

彩夏「あっ、あ、あの、い、今利君!」

和也「はい、なんで......しょ.....う.....か」

遥斗「えっ....まじかよ」

ギャラリー「え?あの人、狩谷彩夏さんだよね?」

                     「あのコンクールの人だよね」

                      「それに今呼ばれたのって、あの男の人?」

和也「は、遥斗くんや」

遥斗「なんだい?和也くんよ」

和也「俺は狩谷彩夏さんが見えるのだが。これはどういう事だろうか。ポスターから飛び出してきたのかな?」

遥斗「儂にもわからん。ただわかるのはあの娘はお前に用件があるということだな」

やばい、通行人達のいろんな目線を感じる。
主に男達からの嫉妬の目線だ、他は不思議そうに見てる人達。
まてまて俺は何も悪くないし、一番この状況を理解できていないのは俺だ。
はっきり言えることは....非常にやばい!
この一言に尽きる。
そんなこと考えてると、遥斗が小声で俺に言ってきた。

遥斗『おい、和也...和也!』

和也『はっ!』

遥斗『しっかりしろ!正気を保て!それよりもお前、あの人と知り合いだったのかよ』

和也『んなわけあるかよ、俺は夢でも見てるののか?』

和也『そうだ!俺は夢をみてたんだ!』

和也「そうかそうか、俺は夢を見てるんだな!」

彩夏「夢じゃない...ですよ?」

和也「え?」

遥斗が頬を引っ張ってきた。
痛い....夢じゃない。

遥斗『バカかよ。夢なわけねぇだろ?』

和也『うん。そうだな。わるかった』

遥斗『とりあえず、さっきも言ったけどお前に用があるみたいだし、話してみろよ』

和也『で、でもよ』

彩夏「あのー、い、今利君?」

和也「は、はい!」

彩夏さんは俺のでかい声の返事に少しビクッとなった。

そうだ、少し冷静になって話してみよう。

和也「えっとー、狩谷彩夏さん、ですよね?」

彩夏「名前、知っててくれたんですか!?...嬉しい」

和也「まっ、まぁ。有名ですから。はは...ははは」

言えない、さっき友達に教えてもらったなんて言えない。

和也「そっ、それで、俺に用件かなにかあるんですか?」

彩夏「はっ、はい!」

彩夏「あっ、あの...その...えっと~....」

彩夏は顔をさげてモジモジ動いていた。
そして、何か決心したのか、顔をあげた。
その顔が赤く染まって見えたのは、気のせいだろう。

彩夏「単刀直入に言います」

和也「はい!」

なんだ?なに言われるんだ?
あんたなんか嫌いよ!てか?
怖ェェェェェェェよォォォォ

彩夏「私と.....デートしてください!!」

                                                         



                                                              つづく
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