なぜかバカタレと言われてしまう私が国を追放された王子に愛してると言われてしまいました。ほんとになぜ!?

暗黒神ゼブラ

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第一章平和な日常

第十三話模擬戦のための運動場に"セルジュ先生親衛隊"を名乗る人たちが集まっていたんだけど!?

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 第十三話模擬戦のための運動場に"セルジュ先生親衛隊"を名乗る人たちが集まっていたんだけど!?

 私がセルジュさんと模擬戦をするということで運動棟の一階の運動場にいるんだけど……なんだか知らない人たちがたくさんいる。
 見た感じ十六人ほどいるけど誰なんだろ?
 その知らない人たちの一人が他の人たちに
『お前たちよく聞け、今からセルジュ先生親衛隊の俺たちの無駄にデカいだけの声を使ってセルジュ先生を全力で応援するぞ!!』
 と言っていた……この人どこかで見たことがあるような気がするんだけど、どこでだったっけ?
 私がそう考えているとセルジュさんがアレク先生に小声で話しかけていた。
「おいアレクいつのまに私の親衛隊が出来たんだ!!……そもそもなんで私が一年一組(ここ)の護衛をする間三年三組を任せたはずのヴェル先生がここにいて親衛隊を仕切ってるんだ!!」
「俺だって知らないよ!!(そもそもヴェルがここにいるのは、まあヴェルの気持ちに気付かない姉貴が……悪いんじゃ? でもヴェルが姉貴の親衛隊に入ってるなんてなぁ……ヴェルはずっと姉貴のこと好きだったからなぁ、何回も姉貴にアピールしてるのに姉貴全く気付かないだよな、なんで気付かないんだ? まあ今はいいか)なあヴェルたちが姉貴応援してくれてるんだし俺たちのクラスはユミナを応援するからさ、ユミナVS姉貴とユミナ応援団VSセルジュ親衛隊で対決しないか?」
「アレク……分かってると思うけど戦いの邪魔だけはするなよ。応援合戦とかは好きにしてくれ……いや積極的にしてもいいかもな、体育大会とかで応援合戦はするんだしその予行演習とすれば団結力は強まっていいか……アレク応援合戦頑張れよ!!」
「姉貴が誰かを応援するなんて……明日は嵐か? ありがとう姉貴俺はユミナだけじゃなくて姉貴のことも応援してるからな、頑張れ姉貴」
「うっさいアレク」
 ゴツン
「なっなんだよ姉貴殴ることないだろ!!」
「嵐ってなんだ嵐って、ただ応援しただけだろ……いつもは小っ恥ずかしいから出来ないだけなんだ!! 分かったか!! 親衛隊とやらには私が話しておくから早くユミナたちのところに行ってこい!!(本当……成長したなアレク。昔はあんなに『お姉ちゃぁぁんまた弱虫アレクって言われたぁぁ』って泣きながら抱きついてきたのに。私はどんなことがあってもお前の味方だからな……こういうこと言いたいのにいつも言えないだよな。いつも言えないから行動で示したんだけど……アレクが気づいてるか分からないのは不安だけど)」
 アレク先生が私たちに向かって走っている時何かボソッと呟いていたがよく聞こえなかった。
 その時にクリスティナが突然笑いはじめたので理由を聞いた
「ねえ、クリスティナどうしたの突然笑って何か面白いことでもあったの? あるなら聞かせてよ!!」
 すると
「いえ、アレク先生は本当にセルジュさんを愛してることが分かって……先ほどアレク先生が『姉貴いつもありがとな、姉貴が俺の味方だってことは伝わってるから……俺も何があっても姉貴の味方だよ』って言っていてきょうだい愛がとても良い……帰ってからアレク先生たちの唄を作ろうと思ってしまいました。ふふっ……完成したらユミナさんたちにも聞いてほしいです(先ほどの親衛隊と名乗っている人たちがセルジュさんのことをセルジュ先生と言ってたってことは……部活・同好会説明の時にも居たってことなのかな?……唄の
 なんだかアレク先生の以外な一面が見れたみたいで嬉しいかも
 するとアレク先生が私たちに
『みんなこれからユミナとセルジュが模擬戦をするが、俺たちはあそこにいるセルジュ親衛隊とやらと応援合戦をすることになった。これは体育大会の応援合戦の予行演習も兼ねているから、出来るだけ全力で応援してくれ!!』
 応援合戦と聞いて真っ先に反応を示したのがモニカだった。
「応援合戦!!! さっそくボクの出番ってわけだね!! よ~し全力で応援するぞー、それで誰よりも元気にしてみせるんだから応援団長はボクに任せてよ!!」
 話がまとまる前に私はセルジュさんとの模擬戦のための準備をすることになったから……どうなったかは模擬戦までのお楽しみってことになる。
 五分後私は準備を終えて運動場内に入った
 そして勝敗は相手を気絶・降参させれば勝利、気絶・降参したら負けというものだ。
 ちなみに今回の模擬戦は開始の合図はない実戦になった時の為にこのルールだという。
 セルジュさんは全力で戦うのだろうということはオーラを見れば分かった。
 圧が教室の時の比じゃないほど強い……私がどこまで試せるのか本当に楽しみで仕方ないよ!!
 セルジュさんは
「行くぞユミナ!!(全力で戦うことを大人がないと思うかもしれない……しかし私より強いやつはいくらでもいる。生徒たちには……いや生徒だけじゃない先生たち、先生たち以外だって誰も死んでほしくない。特に生徒は実戦経験がない子たちが多い、まずは強い圧に慣れないと実戦で戦えなくなる……もう二度と教え子が死んだなんて報告は聞きたくない……聞くなら幸せになった報告がいい!! 何回も想像してしまう、死んだ教え子が幸せな報告を私にする光景を。私が全力で戦って護れるなら……だから大人気ないと罵られようが構わないんだ!!)
 セルジュさんの使っている武器は斧……しかも変形式のもの。
 あれは見た感じ変形武器を造らせれば右に出る者なしと言われている名匠"ソウル・ヴァッフェ"の葬焔斧(そうえんふ)エルドカジェル。しかもソウル・ヴァッフェが作る武器は必ずこの世に一振りしかない。
 そして同じ武器が作れないとしても有名だからソウルの作った武器は家一つは軽々買える値段はする。
 私もいつか自分で稼いだお金で買ってみたいって思ってはいるんだけどなかなか貯まらないんだよね
「戦いの最中に考え事とは余裕そうだなユミナ!!(考え事するんだったら終わった後にしろ、戦場だったらその一瞬で死ぬことだってあるんだぞ…………一度身体に刻みつけてわからせてやる!!)」
 その瞬間アレクは察したセルジュが使おうとした技を……そして思い出したその技を味わった者がどうなったか。
 その技の名も——絶死業焔刃(ぜっしごうえんじん)
「姉貴やめろ!! あれだけは使うな!!」
「アレク止めるな私はユミナに分からせないといけないんだ!!——死すらも生温く、永久(とわ)の業に懺悔の暇(いとま)もなく苦しみ踠く斬撃に切り裂かれるがいい……絶死業焔刃!!」
 そしてユミナは眼前に現れた焔(ほのお)の刃を見て思った『綺麗だなぁ』と。
 ユミナが立ち尽くしているとユミナの前には一人の男が立っていた……そうアレクだ。
 アレクはセルジュの絶死業焔刃のために自ら作り出した防御魔法、名を——静寂なる希望の焔壁(シュティレスペランツァジャーマヴァント)!!
 アレクはその防御魔法でユミナを護った。
「アレク先生!? さっきまで応援合戦してなかった!? それに今模擬戦中だけど!!」
「分かってる!! でもこのままだとユミナが死んじまうだろうが!!」
 アレク先生の魔法に私は護られた。
 私には防御魔法は使えない……護られなければ死んでいたというのはあの威力を見れば私にだって分かった
 私はセルジュさんに降参することにした。
「セルジュさん……この勝負私の負けです」
 いつか私もセルジュさんみたいに強くなりたい……この人が護衛をしてくれている間に強さの秘密を探るぞー!! それにその美しさの秘訣とか……リュシオンに今よりもっと綺麗になった私で魅せたい……から、私にはまだ、その大人っぽくないから大人の魅力を手に入れたい!!
 私がそう思っていると怒ったアレク先生がセルジュさんに
「姉貴さすがにやり過ぎだ!! 何考えてるんだ生徒相手に絶死業焔刃を使うなんてユミナは俺の大切な生徒なんだぞ!! 姉貴のせいで、もしものことがあったらどうするだ!!」と言ったことをきっかけに喧嘩が始まったが十五分も経たず二人は仲直りしていた。
 大切って大きな声で言われるとなんだか照れるけど……私はリュシオン一筋だから!!
 ……まあアレク先生の場合は自分の生徒のことならみんな大切って言いそうだけどね、あはは。
 この会話を聞いたクリスティナは唄を考え始めていた。
 タイトルは『禁断の愛』
 その唄がクラスで流行るのは後の話
 ユミナとセルジュの模擬戦を観ていたクラスメイトは
『この人が護衛なら安心……だけど怒らせないようにしないと』と思っていた。
 そしてユミナたちは課外授業のための班決めを再会するために教室に戻った。
 ちなみにセルジュ親衛隊はヴェル先生と一緒に授業中に抜け出していたため教頭のエストル・ヴァルスティから説教を受けることになった。
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