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第一章 エフライム王国
王国最強の騎士
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宿で一夜を明かしたサラ、アルラ、エルラの3人。
義勇兵は朝から王宮前にて訓練や兵士長からの説明等を聞く為、サラは王宮前に向かった。
アルラ、エルラはまともな服を買いに街に繰り出して行った。
王宮前ではすでに訓練を始めている者や説明等聞く者、兵士達も集まって作戦会議をしていた。
エフライム王国はすでに3度魔族の侵攻を受けているが、何とか3度共撃退している。
しかし勝ち戦とはいえ、戦いの度に多くの兵士が戦死するのに対し、魔族はその数を変えないまま同じように侵攻してくるのだ。倒しても倒してもキリがなく、いずれ兵力が劣り始めればエフライム王国も滅亡するだろう。
何としても魔族の本拠地を叩かねばならない。
しかし、アメイジア大陸最強の王国であるエフライム王国ですら、多勢に無勢と言わんばかりの敵の数と強さなのだ。
サラは受付で何の訓練をやるのか確認に行こうとした。
その時、馬に乗って3人の騎士がサラの所にやってきた。
ヒヒーンッ!!
興奮している馬をなだめる女騎士。
「貴公か、我が軍に新たに加わったと言う腕の立つ剣士は?」
「サラと申します。」
「我が名はエリス。貴公は昨夜、奴隷商人の首を刎ねたと聞いたが、理由は奴隷の解放で間違いないか?」
「間違いありません。」
迷い無くサラは答えた。
「ではその奴隷達が何か大きな罪を犯したが故に奴隷になっていても解放するのか?例えば殺人を犯していても?」
サラはアルラとエルラが奴隷だった理由は知らない。
漠然と人の尊厳と自由を尊重し、あの2人を助けたのだ。
「彼女達に何の罪と罰があったとしても、奴隷としての報い方は間違いだと思います。牢獄の中で罪を反省させるべきです。」
「確かにそれもある。何の罪もなく拐われたのかもしれんしな。」
エリスはふとサラが左手に持っていた十字架のペンダントに目がいった。
「信心深そうだな。失われし古代の神キリストか…。」
サラはコクリと頷いた。
「フッ。我が軍には戦神マイリー神しか力を貸してくれぬぞ。
いいだろう。そなたの戦力は我が軍に必要不可欠だ。今回の件は不問だ。
その力存分に発揮するがいい。」
「ありがとうございます。」
するとエリスと側近の2人は去って行った。
(あの人がエフライム王国最強の騎士エリス様。
いつか手合わせ出来たらいいですね。)
サラはエリスの騎士としての只ならぬ雰囲気に血が騒いでいた。
馬を走らせながら、エリスの側近の1人がエリスに聞いていた。昨夜の髭の男だ。
「エリス様、あのサラと言う剣士それほどの実力で?」
「そうだな。私と互角か、それ以上だな。」
「なっ!?それほどとは!」
2人の側近は驚きを隠せなかった。
王国最強の騎士であるエリスに自分より強いと言わしめたのだ。
「お前達は我がエフライム王国が超古代の失われし10の支族の末裔の一つであることは知っているな?
あの者はその中の一つ、ガド族の末裔だ。
ガド族は神への信仰心が強く、神の奇跡の力を行使したという。
あの者が持っていた十字架はかつて古代に大陸の半分を占める人々が信じたというキリストと言う神の紋章だ。
剣に施された紋章は【太陽の紋章】と言うガド族の王家の紋章だ。
つまり、我々とは身分が違う王族の末裔ということだ。」
「王族の末裔…。」
2人の側近はサラの気品のある雰囲気はその為だと理解した。
「我が王国は魔族との戦の最中だ。
あの者が持つ王としての器に、兵達の士気も高まろうぞ。」
エリスはサラの剣士としての実力も知りたいが、それ以上に王としての器も知りたいと思った。
(この先が楽しみだな。)
エフライム王国最強の騎士は思った。
エフライム王国の滅亡などあり得ないと。
このフォーセリアの世界を統べる王が現れたのだと。
義勇兵は朝から王宮前にて訓練や兵士長からの説明等を聞く為、サラは王宮前に向かった。
アルラ、エルラはまともな服を買いに街に繰り出して行った。
王宮前ではすでに訓練を始めている者や説明等聞く者、兵士達も集まって作戦会議をしていた。
エフライム王国はすでに3度魔族の侵攻を受けているが、何とか3度共撃退している。
しかし勝ち戦とはいえ、戦いの度に多くの兵士が戦死するのに対し、魔族はその数を変えないまま同じように侵攻してくるのだ。倒しても倒してもキリがなく、いずれ兵力が劣り始めればエフライム王国も滅亡するだろう。
何としても魔族の本拠地を叩かねばならない。
しかし、アメイジア大陸最強の王国であるエフライム王国ですら、多勢に無勢と言わんばかりの敵の数と強さなのだ。
サラは受付で何の訓練をやるのか確認に行こうとした。
その時、馬に乗って3人の騎士がサラの所にやってきた。
ヒヒーンッ!!
興奮している馬をなだめる女騎士。
「貴公か、我が軍に新たに加わったと言う腕の立つ剣士は?」
「サラと申します。」
「我が名はエリス。貴公は昨夜、奴隷商人の首を刎ねたと聞いたが、理由は奴隷の解放で間違いないか?」
「間違いありません。」
迷い無くサラは答えた。
「ではその奴隷達が何か大きな罪を犯したが故に奴隷になっていても解放するのか?例えば殺人を犯していても?」
サラはアルラとエルラが奴隷だった理由は知らない。
漠然と人の尊厳と自由を尊重し、あの2人を助けたのだ。
「彼女達に何の罪と罰があったとしても、奴隷としての報い方は間違いだと思います。牢獄の中で罪を反省させるべきです。」
「確かにそれもある。何の罪もなく拐われたのかもしれんしな。」
エリスはふとサラが左手に持っていた十字架のペンダントに目がいった。
「信心深そうだな。失われし古代の神キリストか…。」
サラはコクリと頷いた。
「フッ。我が軍には戦神マイリー神しか力を貸してくれぬぞ。
いいだろう。そなたの戦力は我が軍に必要不可欠だ。今回の件は不問だ。
その力存分に発揮するがいい。」
「ありがとうございます。」
するとエリスと側近の2人は去って行った。
(あの人がエフライム王国最強の騎士エリス様。
いつか手合わせ出来たらいいですね。)
サラはエリスの騎士としての只ならぬ雰囲気に血が騒いでいた。
馬を走らせながら、エリスの側近の1人がエリスに聞いていた。昨夜の髭の男だ。
「エリス様、あのサラと言う剣士それほどの実力で?」
「そうだな。私と互角か、それ以上だな。」
「なっ!?それほどとは!」
2人の側近は驚きを隠せなかった。
王国最強の騎士であるエリスに自分より強いと言わしめたのだ。
「お前達は我がエフライム王国が超古代の失われし10の支族の末裔の一つであることは知っているな?
あの者はその中の一つ、ガド族の末裔だ。
ガド族は神への信仰心が強く、神の奇跡の力を行使したという。
あの者が持っていた十字架はかつて古代に大陸の半分を占める人々が信じたというキリストと言う神の紋章だ。
剣に施された紋章は【太陽の紋章】と言うガド族の王家の紋章だ。
つまり、我々とは身分が違う王族の末裔ということだ。」
「王族の末裔…。」
2人の側近はサラの気品のある雰囲気はその為だと理解した。
「我が王国は魔族との戦の最中だ。
あの者が持つ王としての器に、兵達の士気も高まろうぞ。」
エリスはサラの剣士としての実力も知りたいが、それ以上に王としての器も知りたいと思った。
(この先が楽しみだな。)
エフライム王国最強の騎士は思った。
エフライム王国の滅亡などあり得ないと。
このフォーセリアの世界を統べる王が現れたのだと。
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