ゴースト

ぽりたんQ

文字の大きさ
1 / 1

ゴースト

しおりを挟む
いつの間にか世の中は故人で溢れていた
最初は突然死した故人の遺産分配のためのシステムだった
故人の周りの人間の記憶の情報から故人の人格を生成し、遺産分配を決める。法律での分配に納得しない遺族のためのシステムだった
しかし、いつしかそのシステムの意味合いは変わっていた
故人と話したい・・・遺族にとっては当然の感情だった
生成された人格は本当に故人と話していると錯覚するほど良くできていた
いつしかその人格にも人権を!という人間も増えた
システムが進化するのは必然だった
そのシステムは人が死んだ後、第二の人生を送るというような意味合いになっていた
システムと故人は直接つながっているわけではない
あくまで似ている人格だが、周りの人間にとっては違ったのだ
いつしか人々は亡霊に取り憑かれたようになっていた
携帯端末で故人と喋るのだ
このシステムはサーバが必須だった
端末は集約サーバから送られる電波で動く
端末それぞれに人格システムを入れるのはシステムの観点から望ましいものではないのだ。AIの情報の盗用や保守対策でもあった
いつのことだろう、ロボットに携帯端末を埋め込み故人を復元しようとするものが現れた
最初は個人が作ったものだったので不格好だった
しかしいくら不格好だろうと魂には肉体が必要だった
故人を抱きしめたい、故人と散歩したい、故人と交わりたい・・・
どれも肉体がなければできないものだ
システム会社はヒューマノイドロボットに故人の人格を移植する事業を始める
第1世代は苦労したのか、人間としては少し不格好だった
しかし第2世代、第3世代とどんどん出来が良くなっていった。いつしか故人と人間の見分けもつかなくなるほどに
そして現実の街に故人ロボットが現れた
普通に生きている人々からはゴーストインザマシーン略して"ゴースト"と呼ばれるようになった
ゴーストはロボットなので疲れはない
バッテリーも光から勝手に充電するのでよっぽどのことがない限り動かなくなることはなくなった
ゴーストは生きている人々の仕事を奪った
疲れがあり眠る必要のある人間とそれが無いゴースト
事業者はゴーストを選んだ
ゴーストである事業者も増えだした頃には世界の70%がゴーストだった
人間はどんどんその数を減らしていった
そして・・・50年後
人間という種は絶滅した
この世には人間から進化したとも言えるゴーストのみが溢れた
この頃にはヒューマノイドではない故人も増えた
こっちのほうが移動が早いから、こっちのほうが効率的だからと、足が四本あるケンタウロスのような形状を始めゴーストの形状は沢山のバリエーションがあった
いつしかゴーストはなんとも名状しがたい不気味な形状へ変わっていった
人間が絶滅してから300年後・・・
不測の事態が起こった、地球の環境変化だ
ゴースト自体は頑丈なものが多いから心配ないだろう
しかし、データを送るサーバーはどうだろうか?
いくらサーバーが技術革新して頑丈でも、海水にじっと浸っていたらいつかは壊れるのではないだろうか?
現実はもっと単純だった。海水より下の海溝に落ちてしまったのだ
サーバーは水圧でメタメタに破壊されてしまった
バックアップサーバーも含め、全て破壊された・・・
地球のすべてのゴーストは文字通りゴーストになった
ゴーストはすべて天に返っていった
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

身体交換

廣瀬純七
SF
大富豪の老人の男性と若い女性が身体を交換する話

いまさら謝罪など

あかね
ファンタジー
殿下。謝罪したところでもう遅いのです。

「『お前に書く手紙などない』と言った婚約者へ、私は7年間手紙を書き続けた——ただし、届け先は別の人でした」

歩人
ファンタジー
辺境伯令嬢リゼットは、婚約者に7年間手紙を書き続けた。返事は一度もなかった。 「お前に書く手紙などない。顔も覚えていない」——婚約破棄。しかしリゼットは 泣かなかった。手紙の本当の届け先は、最初から別にあったから。前世の情報分析 能力で辺境の異変を読み解き、暗号として織り込んだ7年分の手紙。それを受け取り 続けていたのは第一王子。リゼットは誰にも知られず、王国を守っていた。 婚約破棄の翌朝、王子からの手紙が届く。「7年間、ありがとう。迎えに行く」

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

悪意のパーティー《完結》

アーエル
ファンタジー
私が目を覚ましたのは王城で行われたパーティーで毒を盛られてから1年になろうかという時期でした。 ある意味でダークな内容です ‪☆他社でも公開

処理中です...