聖域を守る少女

可憐

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真実

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真実……アンはリックに語り始めた。

 はるか昔……もう100年以上前の事、今の聖域にある水は少女とその使い魔によって守られていた。
 その1人と1匹によって、水は守られ、平和が保たれていた。
 だがある一族に水を狙われ、少女と使い魔が狙われ襲撃にあい戦ったがその一族の方が上で、少女と使い魔は封印され、水は奪われてしまった。 
 だが、その一族は水の力が使えなかった。 
 どうやら、水の能力を使えるのは守ってきた少女のみだったらしい。
 そこで一族は少女の血を使い、クローンを作ることにした。
 最初1人のクローンは力をあまり受け継がず、かつ少女としての記憶も持ってしまった。
 そのため、破棄することが決まり、2人目のクローンが作られた。
 2人目のクローンは力を受け継ぎ、少女の記憶は持つことはなかったが赤ん坊の少女として誕生してしまった。
 そのためこのクローンを集落の前に捨てられていたと偽り、水の能力を使えるまで育てることとなった。
 その子が3歳の時、聖域に封印されていた魔獣が目を覚ましてしまったが幸運な事にその魔獣は封印の影響なのか記憶が失っていた。
 その事に気づいた一族はクローンが呼び出したことにして、その魔獣をクローンの魔獣とした。
 そしてそのクローンが14歳なった時、水の聖域を守る宿命を与えた。
 逃げられないように聖域には結界を貼り、助けようと思う者が出ないように呪いもかけた。
 だが、魔獣だけは結界は効かなかったために、呪いだけとなった。
 そしてそのクローンと魔獣は水の聖域を今でも守り続けている。

 そこでアンの話しは終わった。
 リックは途中からもしかして?と思っていたので、アンに聞く。

「今の話しってアビィの事……だよな?」

 アンは静かに頷く。 

「これが私の残っている記憶。あの後、処分のため殺されそうな所をリーンが助けてくれたの」
「そうだったのか……そういえばさっきここは要って言ってたけど……」
「着いてきて」

 アンはそう言うと、リックをある場所へと案内する。
 リックもアンの後を追いかける。
 洞窟を通り、しばらくすると開けた場所へと着いた。
 そこはアビィ達がいた聖域にそっくりだった……ただ違うのは、あそこには様々なところに水が溜まってる場所があったが、ここには何もなく、真ん中辺りに水晶が佇んでいた。
 かなりの大きさで人が1人分位ある位だった。
 その隣には割れた水晶がある。

「その水晶をよく見て」
「え?…………人!?……この子、アビィにそっくりだ……まさかこの子が?」
「そうよ……この人こそがアビィ」

 リックは水晶に近づく。
 見れば見るほど水晶の中にいる人物はアビィそのものだった。
 リックは気づいた……おそらく隣の割れた水晶にはアルテッサが封印されていたのだろう。

「生きているのか?」
「分からない……あれから100年以上経っているから」 「アンは100年以上ここを守っていたのか?」

 リックはそう聞くとアンは頷く。
 100年……自分では想像付かない年月だ。
 アビィも助けてあげたいが、アンもまた解放してあげたいとリックは強く思った。 
 
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