恋の御伽噺を異世界で

冬咲 椿

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第二章 【アレクシス編】

私の気持ち ~アレクシス side~

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如何してかわからない。私はノエルが嫌いだ。嫌いなはずなのに、如何して……如何して同じベットで寝ているんだ……。

いやそもそも、今朝から私は、自分でもおかしいと思うほどノエルが気になっている。

ノエルが王都に帰って来ているはずなのに、一向に私の前に現れなかった時からだ……。私は、ノエルを意識し始めている。初めは面倒が消えたと思っていたが、日を追うごとに、胸に靄がかかったように気分が悪くなって行く。

それが何か知りたかった私は、ノエルを王宮に呼んだ。あくまで私の異変がなんなのか知るためだ。

そしてノエルが訪ねて来た。

その刹那、私は驚愕した。ノエルが男物の服を着ている。そして何より、鼻がもげそうなほどに強烈な香水の匂いがしないのだ。

その時は咄嗟に驚きを隠し、普段と同じように振る舞った。……振る舞えたはずだ。

まあそれはともかく、私はノエルの変化についてそれとなく聞いてみた。そしたら、今までの自身が犯した愚行を改めたという……それと同時に、私のことを諦めたと言った。

つまりもう、王宮には来ないということ……私の元へも、もう二度と来ないということなのだ。

……その時、私の中で何かの糸が切れたような気がした。

その時の私はなにを思ったのか、ノエルをどうすれば私の元に置いておけるのか考えてしまった。

それと同時に変態的な行動をしてしまった気がするが……。

そして考えた策……ノエルがして欲しかったと言っていたことを全てやる。

敬語抜きで話す、私のことをアレクと呼ぶ、一緒に風呂に入り背中を流し合う、食事をする時食べさせてやる……ありとあらゆる手を使った。

しかしノエルは、恥ずかしがるものの、私に気を使うそぶりを見せるだけで、恋心などもはや感じはしなかった。

そして夜、同じベッドに横になる。ノエルは私に背を向けて寝た。なぜかそれが悲しくて、寂しく感じた。

それに耐えられなくなった私は、今日無理して付き合わせたことを詫びた。

すると今度は、ノエルが私に詫びてきたのだ。今までの愚行について……。そして、久方ぶりに私と話せて楽しかったとも言った。その時の顔がとても綺麗で、可愛らしい笑顔だった。

とても愛おしい……今までこんなことを思ったことなどなかったのに。

そんなノエルに思わず“愛している”といってしまった。その前に従兄弟として、と付け足したことでノエルは笑顔で受け止めてくれた。








そして現在に至る。

ノエルは話し終わった後すぐ穏やかな寝息を立て、無防備な寝顔をこちらに晒し始めた。これは私を煽っているのか、と思うほど可愛らしい寝顔だった……。

ノエルのピンク色の唇、長いまつ毛、小さな顔、長くサラサラとした綺麗な髪……見ているだけでこんなに気持ちが高ぶる。

見ているだけで……体が熱くなっていくんだ。
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