Jet Black Witches - 1萌芽 -

azo

文字の大きさ
13 / 40

第11話 幼少 〜 Little Sofia ep

しおりを挟む
 わたしはソフィア。北欧、N国の第3王子、エディに見初められた、漆黒の魔女、アイリとの間に生まれた。
 父と母の出会いや馴れ初めはまだ詳しく教えてくれないからよくはわかってないけれど、母、アイリが、父や、王室とともに祖父母の窮地を救う活躍をしたらしく、父は母を心から愛し求婚するが、魔女である母は、王室内でもそれを認めたがらない勢力もあり、その素性からも相応しくないと辞退する。
 今は祖父母となる国王と王妃、父エディ王子の3人は、やがてはN国のより良い発展に貢献する逸材だと、王室内の反対派を時間をかけて説得、王室内をまとめ上げ、再び求婚する。母アイリは根負けし、その素性や、魔女の里の情報、漆黒の魔女の特徴の諸々を隠蔽することを条件に求婚を受け入れる。

 そう、わたしは王女〔王位継承順位第四位〕であり、そして魔女でもある。
 母は、魔女の特徴などはすべて隠匿したうえでも、人としての個の能力がずば抜けて高く、王室内のさまざまな問題を解決していったため、信頼を高め、王室内での立場も確立していった。また、母はその美しい見目からも、エディ王子との結婚は注目され、国民からの人気もかなり高かった。

 私が生まれると、漆黒の魔女の特徴でもある、黒髪黒眼の状態が続くが、外聞的には虚弱体質との理由により、写真などを含む一切の情報を遮断した状態で育てられる。しかし、普通の子供の300%くらい力を持て余す、元気一杯でお転婆なわたしは、王室内でも隔離された範囲内で駆け回る毎日を過ごしてきた。

 5歳のころ、見える世界に異変が生まれ、母アイリに相談すると、いくつかの魔法の手解きがあり、これを習得するために、部屋に籠もりがちとなった。そう、このときに自分が魔女であることを自覚する。日本アニメをよく見ていた、魔法少女に憧れていたわたしは、嬉しくて楽しくて、懸命に魔法の修練にのめり込んだ。

 6歳のころ、手解きを受けた魔法の習得が終わるころ、再び身体に異変が起こった。突然の眩い光に包まれ始めたかと思ったところで、辺りがカッと強く放った光で見えなくなるほどの眩しい状態になった。この異変に母アイリが気付き、駆け寄って来た。母が嬉しそうに言葉をかける。
「おめでとう、ソフィア。頑張ったわね。とても綺麗よ。でも前にも言ったとおり、この魔法は人前では使ってはダメよ。それに使うと髪の色も戻ってしまうから、それを見られるのもダメよ」
 わたしは、示された鏡の前に行き、全身を見て驚く。
「うわーっ! ママと同じ金髪碧眼だ、わたし可愛い、良かった。可愛い」

 それ以降、わたしは身体が丈夫になったと国中に報道され、写真も公開された。
 これには国中が反応した。

「ソフィア王女、元気になって良かったね。それにしてもなんという美しさ、可愛らしさなの? 思わず見ほれてしまうわ」

「ソフィア王女はまるで天使ね。なんと神々しいのかしら?」

「ソフィア、可愛い。生まれてきてくれてありがとう」

 それはまるで日本のアイドルを思わせる熱狂振りだった。この進んだ報道社会は瞬く間に世界中に飛び火する。世界中でソフィアフィーバーが巻き起こったほどだった。みんなが喜んでくれたのはとても嬉しいしありがたい。でも、ようやく情報隠蔽も解け、外の世界を自由に満喫できる、そう喜んでいた矢先に、異様な熱狂振りから、迂闊には王室外に出られない状況が生まれてしまう。そうして、公務以外では外に出られなくなったわたしは、王室内のオタクとして、日本のアニメたちにのめり込むことになる。

 15歳くらいまで、王室内で力を持て余すわたしは、趣味に没頭しつつも、他にあまりやることがなかった。仕方なく、学習もどんどん進めていき、飛び級で高校卒業し、大学に在籍するが、こちらも単位的にはほとんど終わってしまっていた。

 この頃、わたしは気付いていなかった。北方聖十字教の司教の息子、ケネトがN国王室への接触を図ろうとして王室に姿を現していたことを。そして、誰からか、隠匿されているはずのわたしの幼少期の特徴を知り、魔女の存在に感づいたことを。
 さまざまな謀略を企て、その一端として超能力軍事利用を目論む北の軍事大国:V国調査員の接近を促していたことを。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

俺の伯爵家大掃除

satomi
ファンタジー
伯爵夫人が亡くなり、後妻が連れ子を連れて伯爵家に来た。俺、コーは連れ子も可愛い弟として受け入れていた。しかし、伯爵が亡くなると後妻が大きい顔をするようになった。さらに俺も虐げられるようになったし、可愛がっていた連れ子すら大きな顔をするようになった。 弟は本当に俺と血がつながっているのだろうか?など、学園で同学年にいらっしゃる殿下に相談してみると… というお話です。

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処刑された王女、時間を巻き戻して復讐を誓う

yukataka
ファンタジー
断頭台で首を刎ねられた王女セリーヌは、女神の加護により処刑の一年前へと時間を巻き戻された。信じていた者たちに裏切られ、民衆に石を投げられた記憶を胸に、彼女は証拠を集め、法を武器に、陰謀の網を逆手に取る。復讐か、赦しか——その選択が、リオネール王国の未来を決める。 これは、王弟の陰謀で処刑された王女が、一年前へと時間を巻き戻され、証拠と同盟と知略で玉座と尊厳を奪還する復讐と再生の物語です。彼女は二度と誰も失わないために、正義を手続きとして示し、赦すか裁くかの決断を自らの手で下します。舞台は剣と魔法の王国リオネール。法と証拠、裁判と契約が逆転の核となり、感情と理性の葛藤を経て、王女は新たな国の夜明けへと歩を進めます。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

処理中です...