らぶらぶシチュ

夜うさᕱ⑅ᕱ

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喘息

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夜中にて。

「けほっ…けほっ……」

「ああ、発作でちゃったの。吸入しよか?」

「やだ」

「なんで? 苦しいでしょ」

「今日は嫌」

「じゃあほっとくからね。俺は寝るわ」
「どうなっても知らないから」

しばらくして。

「うぅ……」
酷くなる、喘鳴と咳。生理的な涙。横になってられないので起き上がる。

「うーー、やだ、うーー、やだ」

「もう、うるさいな。我儘言うな」
「ちょっとは楽になれるかもなのに、自分で嫌って言ってるやん」

「うーー、私こんなんなくても生きれる」
「っはぁーー、こんなんに頼りたくない、嫌だ」
「うーー、でも苦しい」
吸入器を強く握りしめる。

「……そんなことで吸入したくなかったの?」
「くだらない、ほんと苛つくやつだわ」
「たしかに、その気持ちは分かるけど、仕方ないやん。俺だって、周りより身体弱いの嫌だって思うことあるわ、でも受け入れるしかないもん」
「そんな意味不明な意地張っても、現実変わるわけないでしょ?」
「だから頼るもんには頼らなきゃ駄目だよ。今はその、こんなもので命守る方が大事」
「それからまた後でコントロール出来るように頑張ればいい」

「ってか、最近薬飲んでなかったの、そういうこと? 普通に危険だから勝手なことすんの辞めろよ」
「俺いなかったらどうしてたんだよ、そんな状態で1人で吸入なんて絶対無理でしょ」

「ううー、ううー、しぬーー」

「はいはい、とりあえず無理矢理でも吸わせるよ、流石に見てらんない」

「ゆっくり吐いて」
「いやいやまだ咥えるの早い、早いって」
「てかさっきは今日は嫌だって拒否してたのに、折れるの早っ! まぁ、やっぱ苦しい方が嫌かね」
「早く楽になりたいのは分かるけど、そんなんじゃ、気管に薬届かないでしょ」
「もっとゆっくり! 吸ってー吐いてーーー」

「俺いるから、大丈夫だから。安心してよ、急がなくていいから」

「うんそうそうゆっくり整えて」
「そろそろ良いかな、はい、吐いてー、吸うっ!」


「はぁ、はぁ……」


「上手に出来たんじゃない? 良かったね」
「でもまだ辛そう、もう1回した方がいいかも」

「しばらくはしんどいと思うけど自業自得だからね、反省してよ」

「だいぶ落ち着いたやん、1回で良かった感じだね。吸入ってすげーな」
「あ、気管支拡張剤、副作用は大丈夫? あれけっこーきついと思うけど」

「うん、疲れたー」

「そりゃ疲れるわな」

「うん、ごめんね。ありがと」

「謝るくらいなら初めから言うこと聞けやw」

「ぎゅーして」

「え? なんで?」

ぎゅー

「わわ、急にくるなぁ」

「……好き」

「あらら、甘えんぼさんになっちゃったの? よしよししたいけどなー、褒めるとこないなぁ」

「べつに、よしよししなくていいし」

「嘘だよ、頑張ったね、偉い。よしよし」

「えっ」
ドキドキが止まらない、きょとん。

俺だって、ドキドキが止まらない、にやにや。

おしまい!弱ってる人に強気に入って後から優しくなる、良きです。
喘息に関しては知識ないので間違ってたらすみません。
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