教科書通りの恋を教えて

山鳩由真

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20.告白 3

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「郁が授業で教えてくれたよね。アルファの階級分化フェロモンの強さは個人差があって、長期間離れて過ごしたアルファとオメガの間では番の効力が弱まることがある。時間がかかるけど、お互いの接触を絶ってカウンセリングと薬である程度までなら効力を弱めることができるから……」

 番関係を絶つこともできるかもしれない。
 室見は郁の額に唇を触れてから、首筋に顔を埋めた。

「愛してるって、言ってくれてありがとう。郁、愛してる」

 一度強く抱き締めると、唇に触れるキスをしてから髪を撫でて室見の指が離れる。そのまま室見はベッドから起き上がり、郁から身体を離した。
 室見は“さよなら”とは言わない。けれど、あの時の顔をしていた。八年前に郁が別れを告げた時の、今にも泣き出しそうな……。

「一花……」

 勝手、すぎる。
 郁は胸が締め付けられる痛みとともに、憤りを感じた。いつも室見は自分の中で決めて、勝手に動いてしまう。勝手に縛り付けて、勝手にいなくなるなんて。
「……そんなの、許さない」
 顔をあげた郁は、ベッドの上に座り勝手で薄情な番を睨んだ。
「お前は、俺を無理矢理番にした責任があるよ。いなくなって、治療をすればそれで無かったことになんて、都合が良すぎる……っ」
 離れていった室見の指を掴んで引き戻し、郁は自分の頬に触れさせた。
「一花、俺は絶対に許さない、一生、許さない。勝手にいなくなるな……!」
 郁の瞳から溢れる涙が、頬に付けた室見の指に一筋落ちていく。室見は郁の剣幕に圧されて息を飲んだ。
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