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後日談ーもう一度あの時をー 双子の義弟26
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*
「どうして欲しいのか、言って欲しい」
ベッドに移動しペッティングを続けていると、ふいに郁が室見に訊いた。透ける素材の黒いレースが編まれた布をたくしあげて、薄いピンク色の乳首を舌先で焦らしていた室見は「え?」と顔を上げて郁と目を合わせた。周囲をレースが縁取るように飾っているもう片方の乳首を弄る指は止めなかった。
「いつも俺は受け身になってしまうから、一花を満足させられてないだろう。一花の好きなように最後までしてやりたい」
快感を逃すように息を吐きながら、郁が真剣な顔で室見に提案する。
郁は受け身になってしまうと言うが、それは室見がそうさせているからだった。与えられる愛撫に耐えながら必死に室見を気持ちよくさせようとがんばる郁が、次第にグズグズに蕩けて正気を保てないくらい喘がされてしまう様が、室見を最高潮に興奮させる。
「郁は? どうしてほしい?」
郁は一瞬息をつめて、室見の悪戯する手を止めて言う。
「いつも一花は、欲しいものを全部、俺が言う前にくれてる。だから、ない。今日は俺がするから、一花。どうして欲しいか言ってくれ」
ベッドの上に寝かされていた身体を起こして、郁は室見の手を掴み真剣に訊く。
その神妙な面持ちに少し笑って、室見は薄い紅色の唇に、ちゅっ、と口づけた。
「じゃあ、俺のお願い聞いてくれる?」
上目使いで首を傾げた室見に、郁は嬉しそうに頷いた。
*
室見を高めるために何かしてあげたいと思っていた郁は、両手首を頭上でまとめて縛られて困惑した。
「縛られたら、できないじゃないか」
おかしい、と思いつつも室見が器用に布で自分の手首を縛るのを見ていた郁は、その手首をベッドヘッドに固定されてようやく焦った声を出した。
「ごめん。一度、郁をめちゃくちゃに気持ちよくさせてあげたいと思ってて」
「……? いつも、よくしてもらってる……」
「郁は真面目だからセーブしちゃうところがあるよね。それを取り払って、乱れさせてあげたいんだ」
にっこりと笑う室見はすこぶる機嫌が良さそうだった。恥ずかしい下着のまま両手首を縛り上げられた郁は、為すすべもなく見ているしかない。
「今日は、中にたくさん出させてね。避妊薬は俺が飲んでるし、後でちゃんと洗ってあげるから」
「……っ。……わかった」
室見の宣言を聞いた郁は、深く穿たれ、奥にたくさん吐き出された快感の記憶がよみがえり、下腹部がきゅんと疼くのを感じた。
現在は、ヒート不全症治療中の郁に代わって、室見が精子の働きを抑える避妊薬を飲んでいる。不安定なヒートのタイミングを安定させるために、なるべく自然な身体の状態作りが推奨されていて、郁は今、抑制剤と避妊薬を飲んでいなかった。ヒートになっても、番にいつでも鎮めてもらえることを精神的にも肉体的にも刻み込むことでヒートの周期を徐々に安定させるという治療方針だった。この治療の一環として、性交の際には番の精液を体内に受けることも推奨されていた。室見が避妊薬を飲んでいるので郁が妊娠することはないが、この指導を受けてからはヒートの時以外でも常に中に出すようになっていた。
「どうして欲しいのか、言って欲しい」
ベッドに移動しペッティングを続けていると、ふいに郁が室見に訊いた。透ける素材の黒いレースが編まれた布をたくしあげて、薄いピンク色の乳首を舌先で焦らしていた室見は「え?」と顔を上げて郁と目を合わせた。周囲をレースが縁取るように飾っているもう片方の乳首を弄る指は止めなかった。
「いつも俺は受け身になってしまうから、一花を満足させられてないだろう。一花の好きなように最後までしてやりたい」
快感を逃すように息を吐きながら、郁が真剣な顔で室見に提案する。
郁は受け身になってしまうと言うが、それは室見がそうさせているからだった。与えられる愛撫に耐えながら必死に室見を気持ちよくさせようとがんばる郁が、次第にグズグズに蕩けて正気を保てないくらい喘がされてしまう様が、室見を最高潮に興奮させる。
「郁は? どうしてほしい?」
郁は一瞬息をつめて、室見の悪戯する手を止めて言う。
「いつも一花は、欲しいものを全部、俺が言う前にくれてる。だから、ない。今日は俺がするから、一花。どうして欲しいか言ってくれ」
ベッドの上に寝かされていた身体を起こして、郁は室見の手を掴み真剣に訊く。
その神妙な面持ちに少し笑って、室見は薄い紅色の唇に、ちゅっ、と口づけた。
「じゃあ、俺のお願い聞いてくれる?」
上目使いで首を傾げた室見に、郁は嬉しそうに頷いた。
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室見を高めるために何かしてあげたいと思っていた郁は、両手首を頭上でまとめて縛られて困惑した。
「縛られたら、できないじゃないか」
おかしい、と思いつつも室見が器用に布で自分の手首を縛るのを見ていた郁は、その手首をベッドヘッドに固定されてようやく焦った声を出した。
「ごめん。一度、郁をめちゃくちゃに気持ちよくさせてあげたいと思ってて」
「……? いつも、よくしてもらってる……」
「郁は真面目だからセーブしちゃうところがあるよね。それを取り払って、乱れさせてあげたいんだ」
にっこりと笑う室見はすこぶる機嫌が良さそうだった。恥ずかしい下着のまま両手首を縛り上げられた郁は、為すすべもなく見ているしかない。
「今日は、中にたくさん出させてね。避妊薬は俺が飲んでるし、後でちゃんと洗ってあげるから」
「……っ。……わかった」
室見の宣言を聞いた郁は、深く穿たれ、奥にたくさん吐き出された快感の記憶がよみがえり、下腹部がきゅんと疼くのを感じた。
現在は、ヒート不全症治療中の郁に代わって、室見が精子の働きを抑える避妊薬を飲んでいる。不安定なヒートのタイミングを安定させるために、なるべく自然な身体の状態作りが推奨されていて、郁は今、抑制剤と避妊薬を飲んでいなかった。ヒートになっても、番にいつでも鎮めてもらえることを精神的にも肉体的にも刻み込むことでヒートの周期を徐々に安定させるという治療方針だった。この治療の一環として、性交の際には番の精液を体内に受けることも推奨されていた。室見が避妊薬を飲んでいるので郁が妊娠することはないが、この指導を受けてからはヒートの時以外でも常に中に出すようになっていた。
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