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第2章 穏やかな新婚生活?
(15)ちょっとした対策
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セレナとクレアが案内された部屋は、広い落ち着いた雰囲気の居間と、そこから二つの隣接する寝室に繋がる造りになっていた。案内されて早々に二人がソファーに落ち着くと、案内してきた侍女が左右を指し示しつつ説明する。
「夕食まで、こちらでお寛ぎください。そちらが大公様用の寝室で、こちらが奥様用の寝室になります。必要な物は、既に運び込んでありますので」
「ありがとうございます」
そこで引き下がるかと思いきや、侍女がそのまま居間の壁際に佇んでいるのを見て、クレアはやんわりと要請した。
「申し訳ありませんが、私達だけにして貰えませんか?」
「いえ、お二方のご用を承る為に控えているように、奥様から申し付けられておりますので」
そのにべのない物言いに、クレアは笑みを深めながら申し出る。
「それでは奥方に、こう言って頂けますか? 『結婚して以来、私達が夫婦二人きりの時間を大切にしているのを、何も言わずともレンフィス伯爵家の使用人達は察してくれていて、こういう場合は気を利かせて黙って退出しているのです。そちらの家風に合わないと言うのであれば、同行してきた者達に身の回りの世話をして貰うので、こちらに寄越して欲しい』と」
「あの、いえ、でも」
「レンフィス伯爵家の使用人達は、私の指示内容を一度できちんと理解できましたが。復唱できないなら、もう一度お話ししますか?」
下手をすると、格下の家の侍女よりも気が利かない上に使えないというレッテルを貼られそうになっている状況を理解した彼女は、顔を強張らせながらも不承不承頷いた。
「了解いたしました……。それでは退出いたしますので、ご用の時はそちらの呼び鈴でお呼びください」
「ええ、お願いします」
そして体よく侍女を追い払ったクレアは、疲れたように溜め息を吐いた。
「全く、鬱陶しい事この上ないですね」
「さすがです、クレアさん。あんな風に追い払うなんて、私には無理です」
感心しきりのセレナだったが、ここでベランダに面したガラス戸が、軽く叩かれたように鳴った。
「え? 今、窓の辺りから何か……」
「素早いですね」
セレナは戸惑いながら窓を振り返ったが、クレアは何やら苦笑しながら窓に歩み寄る。そして手早く鍵を解錠すると、窓を開けながら室内から見えなかった死角に向かって呼び掛けた。
「ご苦労様です。様子を見に来るだろうとは思っていましたが、良くこんなに早くここが分かりましたね」
「居住区の中でも貴人の類が滞在する場所は、構造上限られているからな」
「その分警備も手厚いから、余計に見当が付くってものだ」
「その警備の目を掻い潜ってくる腕前は、さすがですね」
そんな会話を交わしながらベランダの陰から姿を現した男二人を見て、セレナは本気で驚いた。
「ちょっと待って。どうして義兄様とデイブが来ているの?」
「いや、何と言うか……、ちょっと色々、危ないかもしれないから」
「一応念の為に、状況把握に」
「何が危険なのよ、こんな強固なお城で。以前にお父様と泊めていただいた事だってあるのよ?」
ラーディス達が大真面目に説明したが、セレナはもの凄く懐疑的な表情になった。そんな彼女に、クレアが言い聞かせる。
「だからですよ、セレナ。あなたはまさかこんな所で、何か起こるとは想像もしていないでしょう?」
「どういう意味ですか?」
ここでデイブが、唐突にクレアに問いを発する。
「因みにクレアさんは、何か引っかかるものを感じましたか?」
「『罪人の流刑地などで過ごされるのはお気の毒』だそうで、こちらでの長逗留を勧められました。丁重にお断りしましたが」
「いかにも言いそうだよなぁ」
「暫く人払いはできているのか?」
呆れ顔になったデイブに続いてラーディスが端的に確認を入れ、それにクレアが即答した。
「ええ。こちらの侍女殿は、レンフィス伯爵家の使用人より気が利かないと思われるのは、噴飯ものみたいですから。あの様子では、本当に呼び鈴で呼ぶまで来ないでしょう」
「さすがクレアさん。じゃあラーディス、早速始めるか」
「ああ。お前はそっちを頼む。俺はこっちを調べる」
「ああ、因みにそちらが私用で、こちらはセレナ用に割り振られています」
「了解」
何やらクレアと男達の間でどんどん話が進み、ラーディスとデイブが左右に別れてそれぞれの寝室に入ってしまった為、セレナは狼狽しながら左右を見やった。
「え? あの、調べるって何!?」
「セレナ。こういう立派な構えの城、しかも貴人用の部屋であれば、万が一不測の事態が生じた時の退出路を、備えてある事が多いものです」
クレアが手短に解説すると、セレナは少し考えてから思うところを述べる。
「ええと……、秘密の通路という事ですか?」
「ええ。逆に言えば、そちらから侵入も可能ですが」
「それは分かりましたが、それがここの寝室にあると? それを探すように、クレアさんが義兄様達に頼んでおいたんですか?」
「いいえ、私は何も。でも付いて来た皆さんは、独自に判断して独自に動いていらっしゃるみたいですね。レンフィス伯爵家の、使用人の方々の機動力は流石です」
「皆、私に無断で、何をやってるのよ」
くすくすと笑いながらラーディス達を誉めるクレアを見て、セレナはがっくりと肩を落とした。そして一通り話し終えたクレアは、片方の寝室に向かって歩き出す。
「さて、ちょっと様子を見に行ってみますか」
「あ、私も行きます」
そこでセレナが慌ててクレアの後に続き、バルド大公であるクレアに割り振られた寝室に入ってみた。しかし室内に人の気配は無く、その代わりに壁際に設置してある大型クローゼットの扉が開いており、その前にデイブが背負って来ていた筈の布袋が転がっているだけだった。
「デイブさん……、あら? あそこですか……」
「え? 何、あれ?」
クレアは納得し、セレナがひたすら困惑していると、クローゼットの中からデイブがいきなり姿を現し、笑顔で声をかけてくる。
「二人とも、こっちに来てたんですね。やっぱりありましたよ。ついでに、ちょっと細工済みです」
「因みに、どんな細工を?」
「狭い通路を遮るように針金を張って、その足元の階段の石を複数個引き抜いて、元通りに乗せてきました。最後にここの出入り口も、容易に開かないようにしておきました」
そんな事をサラリと言われてしまったセレナは、驚いて言い返した。
「階段!? ちょっと待って! そんな事をしたら、そこに足を乗せた途端に石が崩れて、足を踏み外すのじゃない!?」
「気位の高いお嬢様が、一人でのこのこ来るとも思えないし、途中までぞろぞろお供を引き連れて来るだろうから、狭い階段で団子になって止って、大した怪我にはなりませんよ」
手にしていた幾つかの工具を、持参した布袋に収納しながらクスクス笑ったデイブを見て、セレナの顔が僅かに引き攣った。
「デイブ? 何だか、誰がいつその階段を使うのか、分かっているような話し方をするのね」
「こっちはバルド大公用の寝室だし、乗り込んで来る相手は必然的に決まってくると思う」
「…………」
相変わらずにやにや笑いながら指摘してくるデイブに、クレアは苦笑いで、セレナは渋面で応じた。するとそこに、セレナ用の寝室内を検分していた筈のラーディスが顔を見せる。
「首尾良く見つけたか?」
「ああ、クローゼットだった。そっちは?」
「姿見だ」
「捻りが無さ過ぎるな。つまらん」
「あっさり見つけられたんだから、文句を言う筋合いでは無いだろう。それでデイブ、侵入は阻止できるんだな?」
「ああ、お仕置き付きでバッチリ」
自信満々のデイブの報告を聞いたラーディスは無言で頷き、クレアに向き直った。
「今夜は一度それぞれの寝室に入った後、クレアさんはセレナの寝室に移動してくれ。俺達も頃合いを見計らってそちらに集まるから、窓を叩いたら中から開けて欲しい」
「分かりました」
「ちょっと待ってよ、義兄様もクレアさんも。偶々使う寝室に秘密の脱出口があっただけで、どうしてそんな大事になるの?」
セレナは真顔で訴えたが、周囲は困った顔になりながら曖昧に言葉を濁した。
「普通だったら、ここまで目くじらを立てる事は無いと思うがな」
「こちらは色々と、問題がありそうですしね」
「一応、念の為だから。じゃあ俺達は見つかる前に宿舎に戻るから」
「あ、ちょっと! 義兄様、デイブ!」
困惑しているセレナを放置して男二人はさっさとその場を後にし、クレアはそれから暫く、彼女の愚痴に付き合う事となった。
「夕食まで、こちらでお寛ぎください。そちらが大公様用の寝室で、こちらが奥様用の寝室になります。必要な物は、既に運び込んでありますので」
「ありがとうございます」
そこで引き下がるかと思いきや、侍女がそのまま居間の壁際に佇んでいるのを見て、クレアはやんわりと要請した。
「申し訳ありませんが、私達だけにして貰えませんか?」
「いえ、お二方のご用を承る為に控えているように、奥様から申し付けられておりますので」
そのにべのない物言いに、クレアは笑みを深めながら申し出る。
「それでは奥方に、こう言って頂けますか? 『結婚して以来、私達が夫婦二人きりの時間を大切にしているのを、何も言わずともレンフィス伯爵家の使用人達は察してくれていて、こういう場合は気を利かせて黙って退出しているのです。そちらの家風に合わないと言うのであれば、同行してきた者達に身の回りの世話をして貰うので、こちらに寄越して欲しい』と」
「あの、いえ、でも」
「レンフィス伯爵家の使用人達は、私の指示内容を一度できちんと理解できましたが。復唱できないなら、もう一度お話ししますか?」
下手をすると、格下の家の侍女よりも気が利かない上に使えないというレッテルを貼られそうになっている状況を理解した彼女は、顔を強張らせながらも不承不承頷いた。
「了解いたしました……。それでは退出いたしますので、ご用の時はそちらの呼び鈴でお呼びください」
「ええ、お願いします」
そして体よく侍女を追い払ったクレアは、疲れたように溜め息を吐いた。
「全く、鬱陶しい事この上ないですね」
「さすがです、クレアさん。あんな風に追い払うなんて、私には無理です」
感心しきりのセレナだったが、ここでベランダに面したガラス戸が、軽く叩かれたように鳴った。
「え? 今、窓の辺りから何か……」
「素早いですね」
セレナは戸惑いながら窓を振り返ったが、クレアは何やら苦笑しながら窓に歩み寄る。そして手早く鍵を解錠すると、窓を開けながら室内から見えなかった死角に向かって呼び掛けた。
「ご苦労様です。様子を見に来るだろうとは思っていましたが、良くこんなに早くここが分かりましたね」
「居住区の中でも貴人の類が滞在する場所は、構造上限られているからな」
「その分警備も手厚いから、余計に見当が付くってものだ」
「その警備の目を掻い潜ってくる腕前は、さすがですね」
そんな会話を交わしながらベランダの陰から姿を現した男二人を見て、セレナは本気で驚いた。
「ちょっと待って。どうして義兄様とデイブが来ているの?」
「いや、何と言うか……、ちょっと色々、危ないかもしれないから」
「一応念の為に、状況把握に」
「何が危険なのよ、こんな強固なお城で。以前にお父様と泊めていただいた事だってあるのよ?」
ラーディス達が大真面目に説明したが、セレナはもの凄く懐疑的な表情になった。そんな彼女に、クレアが言い聞かせる。
「だからですよ、セレナ。あなたはまさかこんな所で、何か起こるとは想像もしていないでしょう?」
「どういう意味ですか?」
ここでデイブが、唐突にクレアに問いを発する。
「因みにクレアさんは、何か引っかかるものを感じましたか?」
「『罪人の流刑地などで過ごされるのはお気の毒』だそうで、こちらでの長逗留を勧められました。丁重にお断りしましたが」
「いかにも言いそうだよなぁ」
「暫く人払いはできているのか?」
呆れ顔になったデイブに続いてラーディスが端的に確認を入れ、それにクレアが即答した。
「ええ。こちらの侍女殿は、レンフィス伯爵家の使用人より気が利かないと思われるのは、噴飯ものみたいですから。あの様子では、本当に呼び鈴で呼ぶまで来ないでしょう」
「さすがクレアさん。じゃあラーディス、早速始めるか」
「ああ。お前はそっちを頼む。俺はこっちを調べる」
「ああ、因みにそちらが私用で、こちらはセレナ用に割り振られています」
「了解」
何やらクレアと男達の間でどんどん話が進み、ラーディスとデイブが左右に別れてそれぞれの寝室に入ってしまった為、セレナは狼狽しながら左右を見やった。
「え? あの、調べるって何!?」
「セレナ。こういう立派な構えの城、しかも貴人用の部屋であれば、万が一不測の事態が生じた時の退出路を、備えてある事が多いものです」
クレアが手短に解説すると、セレナは少し考えてから思うところを述べる。
「ええと……、秘密の通路という事ですか?」
「ええ。逆に言えば、そちらから侵入も可能ですが」
「それは分かりましたが、それがここの寝室にあると? それを探すように、クレアさんが義兄様達に頼んでおいたんですか?」
「いいえ、私は何も。でも付いて来た皆さんは、独自に判断して独自に動いていらっしゃるみたいですね。レンフィス伯爵家の、使用人の方々の機動力は流石です」
「皆、私に無断で、何をやってるのよ」
くすくすと笑いながらラーディス達を誉めるクレアを見て、セレナはがっくりと肩を落とした。そして一通り話し終えたクレアは、片方の寝室に向かって歩き出す。
「さて、ちょっと様子を見に行ってみますか」
「あ、私も行きます」
そこでセレナが慌ててクレアの後に続き、バルド大公であるクレアに割り振られた寝室に入ってみた。しかし室内に人の気配は無く、その代わりに壁際に設置してある大型クローゼットの扉が開いており、その前にデイブが背負って来ていた筈の布袋が転がっているだけだった。
「デイブさん……、あら? あそこですか……」
「え? 何、あれ?」
クレアは納得し、セレナがひたすら困惑していると、クローゼットの中からデイブがいきなり姿を現し、笑顔で声をかけてくる。
「二人とも、こっちに来てたんですね。やっぱりありましたよ。ついでに、ちょっと細工済みです」
「因みに、どんな細工を?」
「狭い通路を遮るように針金を張って、その足元の階段の石を複数個引き抜いて、元通りに乗せてきました。最後にここの出入り口も、容易に開かないようにしておきました」
そんな事をサラリと言われてしまったセレナは、驚いて言い返した。
「階段!? ちょっと待って! そんな事をしたら、そこに足を乗せた途端に石が崩れて、足を踏み外すのじゃない!?」
「気位の高いお嬢様が、一人でのこのこ来るとも思えないし、途中までぞろぞろお供を引き連れて来るだろうから、狭い階段で団子になって止って、大した怪我にはなりませんよ」
手にしていた幾つかの工具を、持参した布袋に収納しながらクスクス笑ったデイブを見て、セレナの顔が僅かに引き攣った。
「デイブ? 何だか、誰がいつその階段を使うのか、分かっているような話し方をするのね」
「こっちはバルド大公用の寝室だし、乗り込んで来る相手は必然的に決まってくると思う」
「…………」
相変わらずにやにや笑いながら指摘してくるデイブに、クレアは苦笑いで、セレナは渋面で応じた。するとそこに、セレナ用の寝室内を検分していた筈のラーディスが顔を見せる。
「首尾良く見つけたか?」
「ああ、クローゼットだった。そっちは?」
「姿見だ」
「捻りが無さ過ぎるな。つまらん」
「あっさり見つけられたんだから、文句を言う筋合いでは無いだろう。それでデイブ、侵入は阻止できるんだな?」
「ああ、お仕置き付きでバッチリ」
自信満々のデイブの報告を聞いたラーディスは無言で頷き、クレアに向き直った。
「今夜は一度それぞれの寝室に入った後、クレアさんはセレナの寝室に移動してくれ。俺達も頃合いを見計らってそちらに集まるから、窓を叩いたら中から開けて欲しい」
「分かりました」
「ちょっと待ってよ、義兄様もクレアさんも。偶々使う寝室に秘密の脱出口があっただけで、どうしてそんな大事になるの?」
セレナは真顔で訴えたが、周囲は困った顔になりながら曖昧に言葉を濁した。
「普通だったら、ここまで目くじらを立てる事は無いと思うがな」
「こちらは色々と、問題がありそうですしね」
「一応、念の為だから。じゃあ俺達は見つかる前に宿舎に戻るから」
「あ、ちょっと! 義兄様、デイブ!」
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