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第14話 過去の残像
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「母さん。少し話があるんだけど、良いかな?」
消灯時間ギリギリに病室に現れた息子が、神妙な顔をして自分にお伺いを立ててきた為、ベッドの上で本を読んでいた由紀子は、本を閉じながら優しく微笑んだ。
「勿論構わないわよ、聡。どうかしたの?」
手振りで傍らの椅子を勧めると、彼がおとなしくそれに座ってから、どこか言い辛そうに口を開く。
「一応、事前に母さんには話しておこうと思って」
「あら、何を?」
不思議そうに問いかけると、聡はまだ少し迷う素振りを見せたものの、意を決した様に口を開いた。
「その……、この前も謝った事だけど。母さんが兄さんに会いたがってると思っていたから、俺は兄さんに母さんに会って貰おうとしたけど」
「聡、だからそれは」
「それは、現時点ではお互いの本意では無い事が良く分かったから、この件については潔く諦めようと思ってる」
「そうね。そうして頂戴」
窘めようとしたものの、聡にはっきりと宣言され、由紀子は俯き加減で微妙な表情を見せた。しかし続く聡の台詞で、弾かれた様に顔を上げる。
「だけどそれとは別に、清香さんとはこれからも会うから。早速、次の約束もしたし」
「聡!?」
驚いて聡を見やった由紀子と、黙り込んだ聡の視線が絡まる。
互いに視線を逸らさないまま十数秒が経過し、どうやら息子が本気らしいと悟った由紀子は、聡の顔を眺めながら穏やかに問い掛けた。
「それはどうしてか、聞いても良いかしら?」
しかしその問いに、聡は幾分困った様に曖昧に笑いながら答えた。
「さあ……、正直に言うと、まだ自分でも良く分からないかな」
「あら、そうなの?」
「だけどそのせいで、これから母さんに嫌な思いをさせてしまうかもしれないから、先に謝っておこうと思って」
何かを吹っ切ったらしく、悪びれずに言ってのける聡に、今度は由紀子が小さく笑う。
「馬鹿ね……、私なんかに詫びる必要は無いわ。清香さんと今後も関わっていくつもりなら、私の事で嫌な思いをするのはあなたの方よ?」
「その事なんだけど、今日はその理由を聞かせて貰おうと思って。それは単に佐竹さんと離婚後に、兄さんと会ってないだけでは無いだろう?」
いきなり真顔で切り込んできた聡に対し、由紀子も表情を消して無言で見つめ合った。そして小さく溜め息を漏らす。
「分かったわ……。前々からあなたには、一度きちんと話すべきだと思っていたし、良い機会かもしれないわ」
そう言ってから、由紀子は重い口を開いた。
「私が清吾さんとの結婚を親に反対されて、家を出た経緯は知っている?」
「ああ、五年前に父さんから兄さんの話を聞いた時、簡単な流れだけは。二年強で小笠原に戻った事も。どうして佐竹さんと離婚したのか、兄さんを手放したのか聞かせて欲しい」
「手放したんじゃないわ。置き去りにしたの」
「え?」
その言葉の不穏な響きに反射的に聡がたじろいだが、由紀子はどこか懐かしむ不応上で話し始めた。
「清吾さんと結婚した事については、私、後悔はしていないわ。確かに生活は大変だったけれど、最初はそんなに苦痛に感じていなかったし。好きな相手と一緒だったし、結婚してすぐに清人を妊娠して、あまり細かい事に構っていられないって言うのが、正直なところだったかもしれないけど」
「それで?」
そこで一旦話を区切った由紀子を、聡は慎重に促した。それを受けて由紀子が淡々と話を続ける。
「清人を産んでから、何か少しずつ歯車が狂っていったみたいで。何もかもが嫌になってきたの。後から育児ノイローゼだって言われたけど、その頃はそんな意識は、全然無かったしね」
「母さん、それは…。どういう状況だったか俺には正確には分からないけど、仕方なかったんじゃないか?」
一応庇う発言をした息子に、由紀子は軽く首を振った。
「そんな事は無いわ。私がさっさと、変なプライドを捨てていれば良かったのよ。家を飛び出した手前、何も出来ないなんて思われるのが嫌で、所詮お嬢様のお遊びだなんて陰で馬鹿にされてる様な気がして、親切にしてくれた周囲の人に、素直に頼れなかったから。何でも一人で完璧にやろうとムキになって、段々全ての事が苦痛になっていった……」
当時の事を思い出しているらしい由紀子が無意識に布団をきつく握り締めたのを見ながら、聡は黙って話の続きに耳を傾けた。
「慣れない家事で神経をすり減らすのも、少ないお金で家計の遣り繰りするのも、手のかかる清人の世話も。何よりもそれ以上に、私のせいで必要以上に負担がかかっている筈の、清吾さんに対する負い目もあって!」
「母さん」
段々激しい口調になってきた由紀子を抑える様に聡が口を挟むと、由紀子は聡に向かって頷きながら、自分自身を落ち着かせる様に呟いた。
「ええ、良く分かっているわ聡。今となっては言い訳に過ぎないのは。同じ様な環境で育った香澄さんは、ちゃんと家計を切り盛りして、立派に子育てもしていたもの。単に私は清吾さんと一緒に暮らしていけるだけの覚悟も力量も無い、父が言う通りの馬鹿で無分別の女だったと言うだけだわ」
「そこまで自分を卑下しなくても、良いんじゃないか?」
流石に母親が気の毒になり、聡が宥めたが、それを受けた由紀子は自虐的に笑った。
「私はそれだけの事をしたもの。発作的に清吾さんと暮らしていた部屋から飛び出した時、私が何をしたと思う?」
「ごめん、全然想像ができないんだけど」
全く予想がつかなかった聡が本気で困惑した声を出すと、由紀子は真顔になってとんでもない内容を口にした。
「一歳直前の、やっとよちよち歩きしていた清人を、空の浴槽の中に入れて上から蓋をして出て行ったのよ。勿論その時、清吾さんは仕事で居なかったわ」
「母さん!? まさか本当に、兄さんにそんな事をしたのか?」
言われた内容に驚愕した聡は思わず椅子から立ち上がり、ベッドに両腕を付いて由紀子に詰め寄ったが、由紀子は固い表情のまま小さく頷いた。
「清人は、最初何が起こったのか分からなかったみたいだけど、蓋を閉められた途端大泣きし始めて。でも、まともな判断力を無くしていた私は、そのまま周りの誰にも言わずに、小笠原に帰ったの」
あまりと言えばあまりの内容に、聡は思わず目眩を覚えた。そしてふらりと元の椅子に腰掛けてから、無意識に問い掛ける。
「……その後、どうなったの?」
「人伝に聞いた話では、団地の一階下に住んでいた岡田さんという方が、『お風呂場の窓辺りから、子供の泣き声が微かだけどずっと続いている。呼び鈴を鳴らしても中から応答が無いし、もしかしたら奥さんが倒れているかもしれない』と、管理人室に駆け込んだそうよ」
「普段から付き合いがあった人?」
「多少ね。それで管理人の方と岡田さんが合い鍵で部屋に入って、清人を発見したそうよ。私の姿は無いし、連絡を受けた清吾さんも居場所を知らなかったから、事件かと警察沙汰になりかけたらしいわ。その頃実家に戻っていた私は、訳の分からない事をわめき散らして父に精神科に強制入院させられてたから、詳しい事は知らないの。その間に協議離婚の手続きも勝手に進められていたし」
「じいさんがそんな事をしてたのか!?」
先程の由紀子の衝撃告白に驚愕した聡だが、血の繋がった祖父の行為にも愕然とした。しかしそんな聡の反応に、由紀子は悲しそうに首を振る。
「一方的に父を責めないで。一番悪いのはこの私なんだから。事実、父に『この離婚届にサインしろ』と目の前に持って来られるまで、1ヶ月の間病室で自分だけの世界に浸っていて、清吾さんや清人の事をろくに思い出しもしなかったんだから。……本当に、最低の妻で母親だわ」
どこか遠くを見ながらうっすらと笑って見せた由紀子に、聡は慎重に問い掛けた。
「それで、大人しくサインをして別れたの?」
それに対する由紀子の反応は、聡の予想を裏切った。
「いいえ、私は別れたくは無かったの。逆にはっきりと自覚したわ。もう一度清吾さんと清人とやり直したいんだって。それでこっそり病院を抜け出したの」
「そんな事、良く出来たね? あのじいさんの事だから、付き添いって名目の見張りとか張り付けそうだけど」
本気で驚いたらしい聡に、由紀子は苦笑いで応じた。
「詳細は省くけど、家の使用人で味方してくれる人が居てね、服とかお金とか調達して貰ったわ。それで暮らしていた団地に、一ヶ月ぶりに戻ったの」
「そうだったんだ……」
「それで、そこに着くまでに決心してたのよ。清吾さんを怒らせたかもしれないけど、本気で謝ってやり直そうって」
「それで謝ったの?」
その何気ない聡の問いに、由紀子はピタリと口を閉ざした。
「母さん?」
流石に不審に思った聡が再度問い掛けると、由紀子が徐に口を開く。
「いいえ。……結局、清吾さんとは、私が家を飛び出した朝に玄関から見送って以来、会ってないわ」
「え? どうしてそうなるんだ?」
予想外の話の流れに聡が軽く目を見開くと、由紀子が静かに語り出した。
「団地の入り口に公園があって、そこで岡田さんが清人を遊ばせてくれていたの。それを家に向かう途中で、通りかかった私が認めたと同時に、私と目が合った岡田さんが清人を抱えてやって来て『佐竹さん、心配していたのよ? ご主人から外出先で倒れてそのまま病気療養中って聞いていたけど、元気になったのね。良かったわ』と笑顔で挨拶してくれて。清吾さんが、私が戻ってきた時に気まずい思いをしない様に、私が家を飛び出した事や父と揉めている事を、周囲には誤魔化してくれていたのよ」
「そうなんだ。佐竹さんって、優しい人だったんだね。でも、それならどうして、会ってないだなんて……」
先程聞いた様な騒ぎになった後では、さぞかし戻った時に気まずかったのではと、密かに母を気遣っていた聡は思わず本心から安堵したが、と同時に先程の由紀子の話の内容と食い違う事に違和感を覚えた。それを受けて由紀子が説明を続ける。
「岡田さんが『清人君は私達で面倒をみていたけど、手がかからない、とっても良い子だったわよ? ほら、清人君、お母さんに抱っこして貰いなさい。久しぶりで嬉しいでしょう』と言いながら、私に清人を渡そうとしたの。私も清人を抱き上げようとして、手を伸ばしたら……、思い切り指先を噛まれたわ」
「え?」
「まだ乳歯が生え揃っていないのに、前歯だけでね。目を閉じて、渾身の力を込めて、歯を食いしばったのよ。凄かったわ。噛みちぎられるかと思った」
「かあ、さん?」
そこで小さくクスクスと笑った由紀子を見て、聡は母が精神的にどこかおかしくなったのかと、恐る恐る呼び掛けてみたが、次の瞬間、由紀子は真顔に戻って続けた。
「思わず悲鳴を上げてしまったけど、見ていた岡田さんも真っ青になって『清人君、どうしたの! お母さんでしょう! 口を開けなさい!』と慌てて片手で清人を抱き抱えながら、もう片方の手で清人の口をこじ開けようとして。だから岡田さんは清人の口元だけを見ていたから、見ていなかったわ」
「何を、見ていなかったの?」
唐突に主語を省いて話した母の顔を見て、聡は何となくそれを確認しない方が良い予感に駆られたが、そのままにしてもおけない為、敢えて続きを促した。すると由紀子が決定的な一言を放つ。
「清人が、ゆっくり目を開けたと思ったら、私を睨み殺しそうな視線で見上げてきたの。私があの子にした事を、きっとしっかり理解してたのよ」
「ちょっと待って母さん! 兄さんは当時一歳前後だろう? 理解できないし、覚えているわけないだろう!」
再び腰を浮かし、殆ど悲鳴で訴えた聡を、由紀子は悲しそうに見やった。
「ちゃんと理解していたわよ。母親としての勘だけど」
「そんな馬鹿な!?」
「それで《この子は私を憎んでるし絶対許さない》って思ったら、もう駄目だったの。清人の顔をとても正面から見られなくて、やっと清人が私の指に食いつくのを止めた瞬間に、振り返りもしないで実家に逃げ帰ったわ。そして離婚届にサインしたの。……それで全部、お終い」
淡々の述べた由紀子に、聡は呆然となりつつも、何とか声を絞り出した。
「だから、それ以降、佐竹さんと会わなかった?」
「ええ。手続き一切は、父が手配した弁護士が全てやってくれたらしいわ」
自分から視線を逸らしながら、どこか他人事の様に告げた母親に、聡は激しい怒りと憐れみを覚えたが、何も口にしなかった。
そのまま重苦しい沈黙が少し続いてから、由紀子が再び静かに語りかける。
「未練がましいって笑われるかと思うけど、その後も定期的に二人の様子を、興信所で調べて貰っていたの。ひょっとしたら、清人が私を必要としてくれる時がくるんじゃないかって」
「未練がましくなんかないさ。親としては当然の気持ちだと思うけど?」
「でも、あの子は本当に聞き分けが良くて、手のかからない子に育ったみたい。親子二人で支障なく、仲良く暮らしてたわ。きっと清人は自分が父親の手に余る子供だと、私が戻ってくるかもしれないから、それが嫌で物分かりの良い子供を演じてたのよ」
「それは考え過ぎだって! 単に兄さんは、そういう性格の子供だったってだけの話だろ?」
どんどん後ろ向きな考えになっていく母親の話を、何とか打ち消そうと試みた聡だったが、由紀子は泣き笑いに近い表情で告げた。
「清吾さんが香澄さんと再婚してからは、流石に調査するのは止めて貰ったけど、いつかはちゃんと二人の顔を正面から見て、謝ろうと思っていたの。本当にそう思っていたのに、私が意気地が無さ過ぎて、とうとう間に合わなかったわ。言い訳にもならないけど、あんなに早く亡くなってしまうなんて、思っていなかったのよ……。もう、本当に、どうしようもない馬鹿ね」
自分に対する悪態を吐いた由紀子の姿を、聡はただ黙って見守った。
「清吾さん達が事故死した時、死亡記事を新聞で見つけて、どうしても行かないといけないと思って、勝さんに断りを入れて通夜に出向こうと思ったら、一緒に行ってくれる事になったの」
「え? 父さんが? 本当に一緒に行ったの?」
意外すぎる話に思わず話の腰を折ってしまった聡だったが、由紀子は気を悪くした風でもなくそのまま続けた。
「ええ。そうしたら通夜の会場になっていた集会所に入ろうとした途端、私の姿を目ざとく見つけた清人に、勝さん共々腕を捕まれて凄い力で引きずり出されて。その時一瞬だけ、清香さんらしい女の子を見かけたわ」
「……そうだったんだ」
少し前、母親が漏らしていた言葉の意味が分かり、思わず納得した聡に、由紀子はあっさりと言ってのけた。
「その時、人気の無い所まで連れて行かれて、清人に『今更何の用だ? 自分を追って来ない様に、俺を閉じ込めてトンズラしやがった人間が、今度は邪魔な人間が居なくなったからと、嬉々としてちょっかい出しに来たってのか? どこまでも自分本位の女だな!』と怒鳴られて殴られたの。だからやっぱりこの子は、私のした事を分かってて、今でも恨んでるんだなって」
「ちょっと待って! 殴られたって、一緒に行った筈の父さんは何をしてたんだ!?」
聞き咎めて思わず憤慨して詰め寄った聡に、由紀子は落ち着かせる様に言い聞かせた。
「あの人はちゃんと二発目は止めてくれて、その場を何とか取りなしてくれたから怒らないで? それで清人の『この人を連れて、さっさとお帰り下さい』で話は終わったし。本当に、少しでも力になってあげられたら、なんて、自分本位でおこがましい考えだったわ」
そう言ったきり俯いた母親に、聡はどういう言葉をかけたら良いかが分からず、再度病室内に沈黙が訪れた。下手をすると永遠にこのままかもしれないと、埒もない事を聡が考えていると、思い切った様に由紀子が口を開く。
「それでね、聡。今日この話をしたのは、あなたにお願いしたい事があったからなの」
「何? お願いって」
そこで由紀子は一瞬迷う素振りを見せてから、切々と訴えた。
「もし……、この先清人が、本当に困る様な事があったら、一度だけで良いから、無条件であの子の力になってあげてくれない? あの子は、絶対私には頼らないと思うし、なんとなく私が生きているうちは、困った事態にもならない気がするから」
「母さん……、縁起でも無いんだけど」
「それに、私の存在は認めて貰えなくても構わないけど、あなた達はちゃんと血の繋がった兄弟だから、仲良くして欲しいの。ううん、仲良くはしなくても良いから、せめてお互いに存在だけは認め合って欲しくて。これは私の我儘でしかないんだけど」
段々呟き声になっていく由紀子の台詞に、聡は力強く請け負った。
「母さん、分かったから心配しないで。そんな事態になったら、どれだけ邪険にされようが、必ず兄さんの力になるから。約束する」
「ありがとう、聡」
そこでやっと微かに笑った由紀子の気持ちを、幾らかでも楽にしようと、聡は些かわざとらしく明るく言ってみた。
「でも、あの人の事だから『お前なんかの手を借りる位なら、舌を噛み切って死んだ方がマシだ』とか言い放ちそうだな。やっぱり少しは、心証を良くしておく必要があるか」
「苦労かけるわね、聡。清香さんには私と清人の関係は、無理に話さなくて構わないから」
「取り敢えずはね。だけどまずは目障りな馬の骨としてだけでも、兄さんに俺の存在を認めさせるから」
「聡……、それは心証を良くするのとは、真逆の様な気がするんだけど」
「そうかもしれない」
そんなやり取りをした親子は、ここで2人でクスクスと笑い出してしまい、先程までの深刻な空気は夜の闇の中に徐々に消え去っていった。
消灯時間ギリギリに病室に現れた息子が、神妙な顔をして自分にお伺いを立ててきた為、ベッドの上で本を読んでいた由紀子は、本を閉じながら優しく微笑んだ。
「勿論構わないわよ、聡。どうかしたの?」
手振りで傍らの椅子を勧めると、彼がおとなしくそれに座ってから、どこか言い辛そうに口を開く。
「一応、事前に母さんには話しておこうと思って」
「あら、何を?」
不思議そうに問いかけると、聡はまだ少し迷う素振りを見せたものの、意を決した様に口を開いた。
「その……、この前も謝った事だけど。母さんが兄さんに会いたがってると思っていたから、俺は兄さんに母さんに会って貰おうとしたけど」
「聡、だからそれは」
「それは、現時点ではお互いの本意では無い事が良く分かったから、この件については潔く諦めようと思ってる」
「そうね。そうして頂戴」
窘めようとしたものの、聡にはっきりと宣言され、由紀子は俯き加減で微妙な表情を見せた。しかし続く聡の台詞で、弾かれた様に顔を上げる。
「だけどそれとは別に、清香さんとはこれからも会うから。早速、次の約束もしたし」
「聡!?」
驚いて聡を見やった由紀子と、黙り込んだ聡の視線が絡まる。
互いに視線を逸らさないまま十数秒が経過し、どうやら息子が本気らしいと悟った由紀子は、聡の顔を眺めながら穏やかに問い掛けた。
「それはどうしてか、聞いても良いかしら?」
しかしその問いに、聡は幾分困った様に曖昧に笑いながら答えた。
「さあ……、正直に言うと、まだ自分でも良く分からないかな」
「あら、そうなの?」
「だけどそのせいで、これから母さんに嫌な思いをさせてしまうかもしれないから、先に謝っておこうと思って」
何かを吹っ切ったらしく、悪びれずに言ってのける聡に、今度は由紀子が小さく笑う。
「馬鹿ね……、私なんかに詫びる必要は無いわ。清香さんと今後も関わっていくつもりなら、私の事で嫌な思いをするのはあなたの方よ?」
「その事なんだけど、今日はその理由を聞かせて貰おうと思って。それは単に佐竹さんと離婚後に、兄さんと会ってないだけでは無いだろう?」
いきなり真顔で切り込んできた聡に対し、由紀子も表情を消して無言で見つめ合った。そして小さく溜め息を漏らす。
「分かったわ……。前々からあなたには、一度きちんと話すべきだと思っていたし、良い機会かもしれないわ」
そう言ってから、由紀子は重い口を開いた。
「私が清吾さんとの結婚を親に反対されて、家を出た経緯は知っている?」
「ああ、五年前に父さんから兄さんの話を聞いた時、簡単な流れだけは。二年強で小笠原に戻った事も。どうして佐竹さんと離婚したのか、兄さんを手放したのか聞かせて欲しい」
「手放したんじゃないわ。置き去りにしたの」
「え?」
その言葉の不穏な響きに反射的に聡がたじろいだが、由紀子はどこか懐かしむ不応上で話し始めた。
「清吾さんと結婚した事については、私、後悔はしていないわ。確かに生活は大変だったけれど、最初はそんなに苦痛に感じていなかったし。好きな相手と一緒だったし、結婚してすぐに清人を妊娠して、あまり細かい事に構っていられないって言うのが、正直なところだったかもしれないけど」
「それで?」
そこで一旦話を区切った由紀子を、聡は慎重に促した。それを受けて由紀子が淡々と話を続ける。
「清人を産んでから、何か少しずつ歯車が狂っていったみたいで。何もかもが嫌になってきたの。後から育児ノイローゼだって言われたけど、その頃はそんな意識は、全然無かったしね」
「母さん、それは…。どういう状況だったか俺には正確には分からないけど、仕方なかったんじゃないか?」
一応庇う発言をした息子に、由紀子は軽く首を振った。
「そんな事は無いわ。私がさっさと、変なプライドを捨てていれば良かったのよ。家を飛び出した手前、何も出来ないなんて思われるのが嫌で、所詮お嬢様のお遊びだなんて陰で馬鹿にされてる様な気がして、親切にしてくれた周囲の人に、素直に頼れなかったから。何でも一人で完璧にやろうとムキになって、段々全ての事が苦痛になっていった……」
当時の事を思い出しているらしい由紀子が無意識に布団をきつく握り締めたのを見ながら、聡は黙って話の続きに耳を傾けた。
「慣れない家事で神経をすり減らすのも、少ないお金で家計の遣り繰りするのも、手のかかる清人の世話も。何よりもそれ以上に、私のせいで必要以上に負担がかかっている筈の、清吾さんに対する負い目もあって!」
「母さん」
段々激しい口調になってきた由紀子を抑える様に聡が口を挟むと、由紀子は聡に向かって頷きながら、自分自身を落ち着かせる様に呟いた。
「ええ、良く分かっているわ聡。今となっては言い訳に過ぎないのは。同じ様な環境で育った香澄さんは、ちゃんと家計を切り盛りして、立派に子育てもしていたもの。単に私は清吾さんと一緒に暮らしていけるだけの覚悟も力量も無い、父が言う通りの馬鹿で無分別の女だったと言うだけだわ」
「そこまで自分を卑下しなくても、良いんじゃないか?」
流石に母親が気の毒になり、聡が宥めたが、それを受けた由紀子は自虐的に笑った。
「私はそれだけの事をしたもの。発作的に清吾さんと暮らしていた部屋から飛び出した時、私が何をしたと思う?」
「ごめん、全然想像ができないんだけど」
全く予想がつかなかった聡が本気で困惑した声を出すと、由紀子は真顔になってとんでもない内容を口にした。
「一歳直前の、やっとよちよち歩きしていた清人を、空の浴槽の中に入れて上から蓋をして出て行ったのよ。勿論その時、清吾さんは仕事で居なかったわ」
「母さん!? まさか本当に、兄さんにそんな事をしたのか?」
言われた内容に驚愕した聡は思わず椅子から立ち上がり、ベッドに両腕を付いて由紀子に詰め寄ったが、由紀子は固い表情のまま小さく頷いた。
「清人は、最初何が起こったのか分からなかったみたいだけど、蓋を閉められた途端大泣きし始めて。でも、まともな判断力を無くしていた私は、そのまま周りの誰にも言わずに、小笠原に帰ったの」
あまりと言えばあまりの内容に、聡は思わず目眩を覚えた。そしてふらりと元の椅子に腰掛けてから、無意識に問い掛ける。
「……その後、どうなったの?」
「人伝に聞いた話では、団地の一階下に住んでいた岡田さんという方が、『お風呂場の窓辺りから、子供の泣き声が微かだけどずっと続いている。呼び鈴を鳴らしても中から応答が無いし、もしかしたら奥さんが倒れているかもしれない』と、管理人室に駆け込んだそうよ」
「普段から付き合いがあった人?」
「多少ね。それで管理人の方と岡田さんが合い鍵で部屋に入って、清人を発見したそうよ。私の姿は無いし、連絡を受けた清吾さんも居場所を知らなかったから、事件かと警察沙汰になりかけたらしいわ。その頃実家に戻っていた私は、訳の分からない事をわめき散らして父に精神科に強制入院させられてたから、詳しい事は知らないの。その間に協議離婚の手続きも勝手に進められていたし」
「じいさんがそんな事をしてたのか!?」
先程の由紀子の衝撃告白に驚愕した聡だが、血の繋がった祖父の行為にも愕然とした。しかしそんな聡の反応に、由紀子は悲しそうに首を振る。
「一方的に父を責めないで。一番悪いのはこの私なんだから。事実、父に『この離婚届にサインしろ』と目の前に持って来られるまで、1ヶ月の間病室で自分だけの世界に浸っていて、清吾さんや清人の事をろくに思い出しもしなかったんだから。……本当に、最低の妻で母親だわ」
どこか遠くを見ながらうっすらと笑って見せた由紀子に、聡は慎重に問い掛けた。
「それで、大人しくサインをして別れたの?」
それに対する由紀子の反応は、聡の予想を裏切った。
「いいえ、私は別れたくは無かったの。逆にはっきりと自覚したわ。もう一度清吾さんと清人とやり直したいんだって。それでこっそり病院を抜け出したの」
「そんな事、良く出来たね? あのじいさんの事だから、付き添いって名目の見張りとか張り付けそうだけど」
本気で驚いたらしい聡に、由紀子は苦笑いで応じた。
「詳細は省くけど、家の使用人で味方してくれる人が居てね、服とかお金とか調達して貰ったわ。それで暮らしていた団地に、一ヶ月ぶりに戻ったの」
「そうだったんだ……」
「それで、そこに着くまでに決心してたのよ。清吾さんを怒らせたかもしれないけど、本気で謝ってやり直そうって」
「それで謝ったの?」
その何気ない聡の問いに、由紀子はピタリと口を閉ざした。
「母さん?」
流石に不審に思った聡が再度問い掛けると、由紀子が徐に口を開く。
「いいえ。……結局、清吾さんとは、私が家を飛び出した朝に玄関から見送って以来、会ってないわ」
「え? どうしてそうなるんだ?」
予想外の話の流れに聡が軽く目を見開くと、由紀子が静かに語り出した。
「団地の入り口に公園があって、そこで岡田さんが清人を遊ばせてくれていたの。それを家に向かう途中で、通りかかった私が認めたと同時に、私と目が合った岡田さんが清人を抱えてやって来て『佐竹さん、心配していたのよ? ご主人から外出先で倒れてそのまま病気療養中って聞いていたけど、元気になったのね。良かったわ』と笑顔で挨拶してくれて。清吾さんが、私が戻ってきた時に気まずい思いをしない様に、私が家を飛び出した事や父と揉めている事を、周囲には誤魔化してくれていたのよ」
「そうなんだ。佐竹さんって、優しい人だったんだね。でも、それならどうして、会ってないだなんて……」
先程聞いた様な騒ぎになった後では、さぞかし戻った時に気まずかったのではと、密かに母を気遣っていた聡は思わず本心から安堵したが、と同時に先程の由紀子の話の内容と食い違う事に違和感を覚えた。それを受けて由紀子が説明を続ける。
「岡田さんが『清人君は私達で面倒をみていたけど、手がかからない、とっても良い子だったわよ? ほら、清人君、お母さんに抱っこして貰いなさい。久しぶりで嬉しいでしょう』と言いながら、私に清人を渡そうとしたの。私も清人を抱き上げようとして、手を伸ばしたら……、思い切り指先を噛まれたわ」
「え?」
「まだ乳歯が生え揃っていないのに、前歯だけでね。目を閉じて、渾身の力を込めて、歯を食いしばったのよ。凄かったわ。噛みちぎられるかと思った」
「かあ、さん?」
そこで小さくクスクスと笑った由紀子を見て、聡は母が精神的にどこかおかしくなったのかと、恐る恐る呼び掛けてみたが、次の瞬間、由紀子は真顔に戻って続けた。
「思わず悲鳴を上げてしまったけど、見ていた岡田さんも真っ青になって『清人君、どうしたの! お母さんでしょう! 口を開けなさい!』と慌てて片手で清人を抱き抱えながら、もう片方の手で清人の口をこじ開けようとして。だから岡田さんは清人の口元だけを見ていたから、見ていなかったわ」
「何を、見ていなかったの?」
唐突に主語を省いて話した母の顔を見て、聡は何となくそれを確認しない方が良い予感に駆られたが、そのままにしてもおけない為、敢えて続きを促した。すると由紀子が決定的な一言を放つ。
「清人が、ゆっくり目を開けたと思ったら、私を睨み殺しそうな視線で見上げてきたの。私があの子にした事を、きっとしっかり理解してたのよ」
「ちょっと待って母さん! 兄さんは当時一歳前後だろう? 理解できないし、覚えているわけないだろう!」
再び腰を浮かし、殆ど悲鳴で訴えた聡を、由紀子は悲しそうに見やった。
「ちゃんと理解していたわよ。母親としての勘だけど」
「そんな馬鹿な!?」
「それで《この子は私を憎んでるし絶対許さない》って思ったら、もう駄目だったの。清人の顔をとても正面から見られなくて、やっと清人が私の指に食いつくのを止めた瞬間に、振り返りもしないで実家に逃げ帰ったわ。そして離婚届にサインしたの。……それで全部、お終い」
淡々の述べた由紀子に、聡は呆然となりつつも、何とか声を絞り出した。
「だから、それ以降、佐竹さんと会わなかった?」
「ええ。手続き一切は、父が手配した弁護士が全てやってくれたらしいわ」
自分から視線を逸らしながら、どこか他人事の様に告げた母親に、聡は激しい怒りと憐れみを覚えたが、何も口にしなかった。
そのまま重苦しい沈黙が少し続いてから、由紀子が再び静かに語りかける。
「未練がましいって笑われるかと思うけど、その後も定期的に二人の様子を、興信所で調べて貰っていたの。ひょっとしたら、清人が私を必要としてくれる時がくるんじゃないかって」
「未練がましくなんかないさ。親としては当然の気持ちだと思うけど?」
「でも、あの子は本当に聞き分けが良くて、手のかからない子に育ったみたい。親子二人で支障なく、仲良く暮らしてたわ。きっと清人は自分が父親の手に余る子供だと、私が戻ってくるかもしれないから、それが嫌で物分かりの良い子供を演じてたのよ」
「それは考え過ぎだって! 単に兄さんは、そういう性格の子供だったってだけの話だろ?」
どんどん後ろ向きな考えになっていく母親の話を、何とか打ち消そうと試みた聡だったが、由紀子は泣き笑いに近い表情で告げた。
「清吾さんが香澄さんと再婚してからは、流石に調査するのは止めて貰ったけど、いつかはちゃんと二人の顔を正面から見て、謝ろうと思っていたの。本当にそう思っていたのに、私が意気地が無さ過ぎて、とうとう間に合わなかったわ。言い訳にもならないけど、あんなに早く亡くなってしまうなんて、思っていなかったのよ……。もう、本当に、どうしようもない馬鹿ね」
自分に対する悪態を吐いた由紀子の姿を、聡はただ黙って見守った。
「清吾さん達が事故死した時、死亡記事を新聞で見つけて、どうしても行かないといけないと思って、勝さんに断りを入れて通夜に出向こうと思ったら、一緒に行ってくれる事になったの」
「え? 父さんが? 本当に一緒に行ったの?」
意外すぎる話に思わず話の腰を折ってしまった聡だったが、由紀子は気を悪くした風でもなくそのまま続けた。
「ええ。そうしたら通夜の会場になっていた集会所に入ろうとした途端、私の姿を目ざとく見つけた清人に、勝さん共々腕を捕まれて凄い力で引きずり出されて。その時一瞬だけ、清香さんらしい女の子を見かけたわ」
「……そうだったんだ」
少し前、母親が漏らしていた言葉の意味が分かり、思わず納得した聡に、由紀子はあっさりと言ってのけた。
「その時、人気の無い所まで連れて行かれて、清人に『今更何の用だ? 自分を追って来ない様に、俺を閉じ込めてトンズラしやがった人間が、今度は邪魔な人間が居なくなったからと、嬉々としてちょっかい出しに来たってのか? どこまでも自分本位の女だな!』と怒鳴られて殴られたの。だからやっぱりこの子は、私のした事を分かってて、今でも恨んでるんだなって」
「ちょっと待って! 殴られたって、一緒に行った筈の父さんは何をしてたんだ!?」
聞き咎めて思わず憤慨して詰め寄った聡に、由紀子は落ち着かせる様に言い聞かせた。
「あの人はちゃんと二発目は止めてくれて、その場を何とか取りなしてくれたから怒らないで? それで清人の『この人を連れて、さっさとお帰り下さい』で話は終わったし。本当に、少しでも力になってあげられたら、なんて、自分本位でおこがましい考えだったわ」
そう言ったきり俯いた母親に、聡はどういう言葉をかけたら良いかが分からず、再度病室内に沈黙が訪れた。下手をすると永遠にこのままかもしれないと、埒もない事を聡が考えていると、思い切った様に由紀子が口を開く。
「それでね、聡。今日この話をしたのは、あなたにお願いしたい事があったからなの」
「何? お願いって」
そこで由紀子は一瞬迷う素振りを見せてから、切々と訴えた。
「もし……、この先清人が、本当に困る様な事があったら、一度だけで良いから、無条件であの子の力になってあげてくれない? あの子は、絶対私には頼らないと思うし、なんとなく私が生きているうちは、困った事態にもならない気がするから」
「母さん……、縁起でも無いんだけど」
「それに、私の存在は認めて貰えなくても構わないけど、あなた達はちゃんと血の繋がった兄弟だから、仲良くして欲しいの。ううん、仲良くはしなくても良いから、せめてお互いに存在だけは認め合って欲しくて。これは私の我儘でしかないんだけど」
段々呟き声になっていく由紀子の台詞に、聡は力強く請け負った。
「母さん、分かったから心配しないで。そんな事態になったら、どれだけ邪険にされようが、必ず兄さんの力になるから。約束する」
「ありがとう、聡」
そこでやっと微かに笑った由紀子の気持ちを、幾らかでも楽にしようと、聡は些かわざとらしく明るく言ってみた。
「でも、あの人の事だから『お前なんかの手を借りる位なら、舌を噛み切って死んだ方がマシだ』とか言い放ちそうだな。やっぱり少しは、心証を良くしておく必要があるか」
「苦労かけるわね、聡。清香さんには私と清人の関係は、無理に話さなくて構わないから」
「取り敢えずはね。だけどまずは目障りな馬の骨としてだけでも、兄さんに俺の存在を認めさせるから」
「聡……、それは心証を良くするのとは、真逆の様な気がするんだけど」
「そうかもしれない」
そんなやり取りをした親子は、ここで2人でクスクスと笑い出してしまい、先程までの深刻な空気は夜の闇の中に徐々に消え去っていった。
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