社会では変人な俺は仙人見習い

tukumo

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暗雲

闖入者

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さちえさんと同居する日々もあれから半月も経つ

半月の間にまだまだ見せたい事が者が物が現代には沢山あった勿論現さちえさんの故郷も神隠しに会う前と別物である八王子故郷の町並みも案内した

「‥‥‥帝都ですか?」

あのときの真顔で放った言葉には思い出しては、ほくそ笑みを浮かべる
そんなホイホイ帝と都を移して堪るか(笑)

でもさちえさんのいた頃はもう過去だと実感したのだろう俺に見えないよう静かに泣いていたのは
今でも少し心苦しい‥
だから現世で思う存分楽しんでいただきたいから俺は苦手な人混みだって踏み込むんだ

当のさちえさんは今我が家の居間でスマホで熱心にYouTubeで生き物の動画や無料配信中のアニメを夢中に観ている時折感情移入されてめっさ泣いたり腹を抱えて笑ったりしている惚れ惚れするね!


トントン!玄関からノック音が聞こえたチャイムもスコープも無いからなあ

「はーい今出まーす」何か頼んだっけ?

そんなことを考えながら解錠してドアを開けると
「こんにちは家主様ですか?」
なんだ?スーツ姿に‥げぇっセールスか居留守しときゃ良かった

時既に遅し‥「ええそうですがご用件は」

「わたくし、営業販売をしております富田と申します当社のお奨め商品で職人が一つ一つ丁寧に造り上げた此方、包丁を一件一件回って販売をしております」

「ふむ‥あ、万能包丁これ柄の部分材質カスタムできるんですか」
「!!はい柄の部分も清潔に錆びずらい様洗う事も可能でして‥御値段はカスタム込みでこれくらいです。」タカタカーンとリズミカルに電卓を鳴らし此方に提示してくる

「8500円‥」少し考える素振りを見せると富田と名乗る販売員は良く燃えそうな脂の載った舌で捲し立てるようにプレゼンし始める
「此方、単体では8500円ですが今ならなんと果物ナイフとアイスピックもつけて一万円ぽっきり!数量限定販売ですので在庫が無くなりますと次回は販売できるかいやはや‥」ぎとぎとの脂で湿った髪をハンカチで拭く富田

「うーん‥あ、ちょっと待ってもらって良いですか?」「ええ!」(ふっ、こんな貧乏臭い古びた家だがやはりこの男は買う事前調査でこういうのには掛かるときいている)何処からか情報は漏れリストアップされ現代はこういった業者に回される世も末だねぇ

なんて考えながらPCで販売員の説明されていた包丁メーカーの平均の値段を調べた
「やっぱりねぇ」


そして玄関口で待たせている富田に言う
「いやあ凄いですねセットで一万円ぽっきり本当にいいんですか?」

「ええ!私どもはお客様の笑顔のため赤字覚悟の~‥」ペラペラ本当に良く喋る

富田さんあんた隠しきれてないよおそらく俺が買うとでも思ったのだろうだが!

「はい嘘!」「は?」ぽかんとする富田、こっからは俺のターンだ

「先ずその、万能包丁本来は700円くらいで買えますよね大量生産できる100均より少し良い包丁で果物ナイフなんて300円とアイスピックはチタン製で中々良さそうですねでも1500円しかもアマゾンでその3つ会わせて買うと合計1200円だったんですよ」

「それは見間違いなのでは?わたしが紹介した商品は一つ一つ職人が造り上げたものでして銘も掘られておりますし」

「いやあその掘ったのも機械でしょう?作製した会社が紹介してましたよ」

「ネットに騙されてはいけませんよ!実物をみませんと」「だから実物を先程見せてもらってネットで調べたの!なんすかなんだったら警察の立ち会いのもと製造した会社に電話しましょうか?」

「ハハハ嫌だなあ‥嗚呼すみませんこの後取引先と面談があるので失礼します」そういうやいなや足早に去っていった。


とんだ闖入者もとい珍客が現れたが終わりよければすべてよし

「‥‥そういえばうちの包丁もそろそろ研いどかないとな」戸締まりをし台所に向かい無心で研ぎはじめたのであった
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