アンブラインドワールド

だかずお

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〜 小人の惑星 〜

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タケル達の目の前に広がる風景それは、全ての物が小さく、まるで小人でも住んでいるかの様な世界。
そこには、自身の膝下より低く、小さな、住居の様なものが建ち並んだ、集落みたいな場所が広がっていた。
何者かが住んでいる家と思われる住処は竪穴式住居、学校で習ったそれに似ている。

「北條さんの言ってた小人の惑星ってこう言う事か」タケルは小さな家が並ぶ光景を見渡し言った。
タケルの瞳には子供が遊ぶオモチャの町の様に見えた。

「この星に住む彼らの身長は大体二センチから大きくて二十センチくらいでしょうか」北條が言う。

「こんな生き物が本当に現実に居たのかよ、宇宙は広いなぁ」

驚くタケルに北條が「地球にも居ますよ、みなさんが気づいてるかは知りませんが、見た事ある人間は沢山居る筈です」

そういや、小さなおじさん見たとかって聞いた事あるな、こいつらだったのか、妙に納得するタケル。

「こんな奴らに用はない先を急ぐぞ、あの遺跡の中にやばい奴らが居るだろ、俺は奴らと闘う」興味なさそうに神井は、そそくさと歩き出す。

「神井君、君は何故そこまで強さを求めるのですか?」

「白々しいな北條、お前程の能力があれば俺の事くらい全て見えて、お見通しな筈」

「私は許可なく、人の心の内を覗き見る事はしませんよ、話したくなった時はいつでも聞きますけど」

神井は北條の言葉を無視するかの様に前に進み歩き続ける。
神井、あいつに何かあったのか?
そう言えば、何故そんなに強さを求める?
何故そんなに力を欲する?
自分はまだ神井を何も知らない。
正直、好きでも、興味がある訳でもない……
だけど少し、以前よりも神井の事が気になり始めていた自分がそこには居た。

その時「お主ら、よそ者じゃな、連合の者か?それともオーグの集団の仲間か?いや、見たとこ地球人じゃな」
タケルは声のする方を見つめるがそこには誰もいない。

「あれ、声がしたのに?」

「お主何処を見ておる」

「え?」

「タケルくん下ですよ」北條の声で下を向くと、そこには身長10センチくらいの白髪の小人が立っていた。

「人間?」
タケルは驚いた、その小人は人間の姿をしている、見た目は小さな爺さん、地球でも見かけるような普通の人間の風貌であったのだ。

「あんた何者だよ」

「こっちが聞いとるんじゃ」

「わしはこの星の長老たけしじゃ」

タケルが笑い出す「たけしって、もろ日本人みたいじゃん、まあ確かに見た目も日本人の爺さんみたいだけど」

「わしは日本にも住んでいた事がある」

「マジかよ」

北條が話し出す「たけしさん、我々はスカルを守る為にあの遺跡に入らねばなりません」

宇宙に住んでいて、名前が、たけしとは笑った。
くっくっく、タケルは笑いを必死に堪えている。
宇宙人で名前がたけしって、冗談は勘弁してくれ

たけしは北條の目をジッと見つめている
「ふむ、あなたは信頼出来るようじゃな瞳は全てを語る。スカルをどうするつもりじゃ?」

「スカルはあなた方が永らく見守ってくれてきたもの、信頼出来るあなた方にこれからも保持してもらいたく思ってます」

「なるほどスカルが悪用されれば、とんでもない事になる事をご存知の様だ」

「今闇の主が目覚めようとしてるこの時代、宇宙に散らばる十三のスカルを集め、その力を利用しようと多くの者達が躍起になっている」

北條は思う。
宇宙連合もスカルを集め、闇の主の目覚めを止めようとしてるんでしょうか?なんにせよこれからスカルの奪い合いが始まりそうですね。

「十三のスカルを集め、次元創造をするつもりですね」

「次元創造?」話が全く分からないタケル

「大方そうじゃろう。しかし地球のお方よ、地球じゃそんな事を知ってる人はごくわずか、地球と言う惑星は情報も操作され、ほとんど制限だらけの観念の夢の中で暮らしてる様な人々の集まる場所、何故そんな事を知っておる?」

「まさか?スカルを創造した十三人のうちの一人?」

「いや、私は違います。私は自身の内に広がる創造の根源に帰っただけです、叡智はそこから汲み取れます」

「お主は自身の真実を直視し、覚醒してる様じゃな」

北條は優しく微笑んだ。

「この宇宙はこれからどうなる?見えるか?未来が」

「たけしさん、ご存知の様に未来は変わります。我々は最良の未来の為、全力で今に向き合います、その為、これから遺跡に向かいます」

「その通りじゃな。あの中にはオーグの星で一番強いと言われている怪物クラーケンが率いる軍と連合の隊長が戦っている、あなたはともかく後ろの二人は確実に殺されるぞ」

ピクッ、その言葉に神井が反応する。

「それに遺跡の中は迷宮、さすがのあなたでも彼らの案内無しにスカルに辿り着くことは出来ないだろう」

「彼ら?」

「遺跡の中を知り尽くした五人の小人の戦士」

「五人の小人の戦士?」

「我々ペドループの者ですら誰一人あの遺跡の中は知らない、そう彼らを除いて」

「長老、話は聞いてたぜ、この者の放つオーラは信頼出来る、我々が手をかそう」たけしの背後から歩いてくる身長二十センチくらいの五人の小人。

「我々こそ遺跡を守る五人の守護神、イエロー、レッド、ブルー、パープル、ブラックだ」

タケルがずっこける、なんだよ今度は日本人名じゃないのかよ、もろ英語だし、それに顔が西洋風、年は、うん、四、五十代、小人ってもっと可愛い者だと思ってた。
顔は普通のオッサンなんだな。
と言っても、光堂さんも宇宙連合に属しながら、もろ日本語の名前か、一人ぶつぶつ考えるタケル

「我々の遺跡を奴らに好き勝手にはさせない、ちょうどこれから向かうところだったのだ、お主ら名は?」

「俺タケル、よろしくな」

「………」(神井無視) 

「北條です、よろしくお願いします」

五人の小人達がタケルの顔を見つめる
「お前なんか…」

「えっ、なんだよ」

「変な顔だな」

ブチッ「お前に言われたくないわ~~」

「ガハハハ」

「気に入った、我々はタケル、お前の肩に乗ろう」

「しゃーねー良いぜ」

タケル君すっかりなつかれましたね、タケル君の素直な性格に惹かれたんでしょうか。
「さて二人とも修行しなから遺跡に向かいますよ」

遺跡の中

カッ

カッ

カツ

歩くのはクラゲの顔をした存在、顔はクラゲ、二つのまん丸の真っ黒い目、不気味な事に身体は人間で、なんと革靴にスーツを着ていた。

「クラーケン様、連合の隊長を先程見つけたのですが、追った者全て全滅させられました」

「クックック、笑わせるなお前、あの宇宙連合の隊長クラスだぞ、そこらの兵に本当に捕らえられるとでも思ったか?」

「その為に、この遺跡に俺の直々の部下を連れてきた、奴らに向かわせろ」

「ハッ」

クラーケンは、下から見上げると十キロの高さはあるであろう、遺跡の天井を見つめる
「にしてもこいつは厄介な遺跡だよ全く、五匹の小人を捕まえてから来るべきだったな」

「おいっ、トロール、お前は鼻が効く、外に出て奴らを連れてこい」

ズオオオンッ「はいクラーケン様」身長十メートルはあるであろう、毛むくじゃら、巨体の緑色の怪物が目を光らせる。

クラーケンは両手を天にかざし歌いはじめる

「おお主よ、聞こえますか?我らが主よ、お目覚めください、この宇宙を主の望む地獄にしてみせましょうフハハハハハハハ、フハハハハハハハハハハハハハハハッ」

不気味な闇が遺跡を覆おうとしていた。



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