冬馬君の秋と冬

だかずお

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『泊まるぜ多網家』

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スーの家から帰って、皆は多網の家に着いたところ。
子供達はサーにファミレスで夕飯をご馳走になり食べて帰ってきたのだ。

「いやぁー、満腹 満腹 スーどうなるか楽しみ」きみ子が言う。

「本当絶対そのデート見に行きたいね」ニンマリ冬馬君。

「明日も休み、みんな泊まれる」多網が更に皆をあげてくれるではないか。

「賛成~~、ヒャッホーウ」飛び上がる子供達。

サーも「みんなには今日本当お世話になったよ、是非泊まっていきなよ」

「ありがとう~」

やったぁー今日もみんなで過ごせる。
この瞬間の気分は、やはりたまらない。
夜中の語り合いが出来るぞいっ。

「ただいまー」

なんだか久しぶりの多網の家に感じる
「今日もみんなで過ごせるなんて」

「最高~~」皆の声があわさりハモる。

出番の少なかった多美が待ちわびていたかのように叫ぶ「ちゃーーーーーー」 

以上。

さっさく、皆は二階の多網の部屋に。
「よーし、布団敷いて、寝床をつくれー」

「おーっ」
部屋に布団を敷きつめるのは何だか秘密基地をつくっているようで面白い。

すると、プルルルル 多網家の電話が鳴る。
したから、サーの話す声

「きっとスーからの電話だよ」と大喜

皆はすぐさま、階段を駆け下りていき話を聞いていた。

「えっ、もちろん良いけど、うん分かった」

「じゃあ、また」ガチャリ

「父ちゃん、スーなんと?」多網が言う。

「それが、今度の初デートも隠れてアドバイス頂戴だって」

おお スーよ、何という男。
しかし、子供達はニンマリ「僕達も行く」

「よしっ、我々は恋のキューピッド軍団。チーム名、その名はサーエンジェルズギュュュンッ だ」

なんちゅーネーミングセンスだサーよ。
「よーし、絶対に二人を付き合わせてやる」皆は意気込んでいる。
こうして、サーエンジェルズギュュュンッは始動した。

さっそく作戦会議が開始される。

「私良い案浮かんだ、名付けてキミー大作戦」

「どういうのかと言うと。誰かがお化けの格好をして
、二人をおどかす。そこで、すかさずスーが小夜さんの前で男らしくして、アピールする」

何ともベタな。
が、彼らは何でも良かったに違いない。
「それ、良いね それでいこう」

「どうせ、スーが一番ビックリしちゃうから、ちゃんと教えとかないとね」冬馬君が言った。

「では、会議終了。デートの日は健闘を祈る」なんちゅー作戦会議。

「サーエンジェルズギュュュンッは恋愛のプロやー」きみ子が叫ぶ

冬馬君はふと思ふ。自分が清香とデートする時はまず間違いなくサーエンジェルズギュュュンッに頼むことはないだろうと。

いやー、今からスーのデートの日が楽しみだ。
「いつデートなんだろう、もう早く見たい」大喜が言う。

多網もブリッと屁で返事をする。

「そうだ、きみちゃんごっこしようよ」
一同はギョッとする

なんぢゃその、きみちゃんごっこって?

「ルールを説明するね、きみ子の良い所をひたすら褒めるゲーム、言えなくなった人が罰ゲーム」

なんと、意味不明で恐ろしいゲームなんだ。

「じゃあ、私から きみちゃん 可愛い」

「えっと、面白い」と大喜

「度胸がある」まだ、いけた。冬馬君が思う。が実は既に振り絞ってだした、ギリギリの言葉。

ついで多網「屁が臭い」

ぬおっ、良いのかそれ?褒めてるのだろうか?
だが、きみちゃんは満足気な顔を浮かべノリノリで続けていた。
今やリズムまでとりはじめ奴は言った。「一日続けてられるね」

冬馬君が思った。3分が限度だろうと。

「きみちゃん、色っぽい」
その言葉に三人は顔を真っ赤にして噴火しかけていた
。こりゃちょっとしたひょうしに吹き出してしまうやも。名付けて大爆笑噴火爆死は避けなければ。

大喜は苦しんでいた。まずいもう浮かばない。
大喜よまだ二周目だぞ。
「あっ、えっと服のセンスが良い」

おおっ、大喜よ。もろ適当に言ったな。

まっまずい回ってきた。
「あっ、えっと 頭が良い」

うおっ、もう浮かんだ言葉をはいてるだけだろう。

次いで多網
「きみ子 歌うまい 料理うまい 屁が芸術」

なんぢゃー こやつもノリノリ 一気に3個もあげやがった。しかも最後のは?

どんどん気をよくする、きみちゃん。
「きみちゃん、イケイケ」踊りながら歌うきみ子
既に意味が分からん。

えーいもう何でもいいや、「きみ子 濃厚」大喜の意味の分からない発言に吹き出しそうになる冬馬君。

「きみ子、ベッピン」冬馬君は言った後おもった。
うわぁー言ってるよ自分と。

多網も身体をクネクネさせて踊っている、クネクネダンス

「きみ子 お下品 うんこ踏んだ やかましい」

あっ、多網それはまずい
ギクリ。
一瞬で、冬馬君と大喜は凍りつく

ピキッ 先程までノリノリで踊っていたきみちゃんの額にベジータも納得するであろうくらいリアルな血管が浮かび上がっていた。

ハァアアアアーーーーーーーーーーッ
まっまずい。

きみ子は続けた。
テンションは低く、発される音は図太く低音
コオオオオオオオオオオオオオオーーッ

「きみこ うんち触った」
しゅこおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーーーーッ

ヌオッ 何を言ってるんだ?墓穴を掘ってしまったのか?
チラッと凄まじい目つきで大喜を見るきみ子

次は君の番だよぉおおおおおお と言っているようだ。

まっ、まずい きみ子をあげなければ。
「あっ、えっ きみ子 豚好き」
全く効果は無かった。

やっ、やばい僕がなんとかしなきゃ。

「あっ、えっ きみ子」
しっ、しまったあああっ 浮かばん。

「あっ、えっ、きみ子」
冬馬君は思った。多網めよくもさっき三つもあげたなぁ。

「あっ、きみ子 えっ きみ子」まっまずい

ピキッ

「うんち 食べた」
焦った冬馬君はあまりにテンパり過ぎて全く意味の分からない言葉を述べてしもうたそうな。

ビキッ

多網、大喜はいっせい噴火してしまった。
ブワハハハハハハ
多網が続ける
「きみ子、うんこに縁がある」

ブチッ

貴様らーあああああああっ

ブギャアアン ブリッ
きみ子は凄まじい屁をブッこいた。
改心の一撃 ズクシュ

皆の意識はカッ飛び数秒気を失ったそうな。

きみちゃんこれにて機嫌回復。
恐ろしいゲームだった。

「次は何しようか?」と冬馬君

ゴローン 皆は布団に横たわる

「そうだねー夏の思い出話」きみ子が言った。

「ああ、最高だったなぁ、夏休み」大喜が夏休みを思い出し「ああ、スペイン旅行懐かしいね」

「あーっ ああ」みんなは何とも言えない気分にひたる

「本当楽しかったなぁ」

「キャンプにその後行った、清香の知り合いの所の旅行も」冬馬君は清香の名前を出せて何だか嬉しくなる。
「あの、オカッパ幽霊」と多網

だからあれは幽霊じゃなかったんだ多網よ。
しばし、夏の思い出に浸る子供達。

そして、出たのは。
「カマーン」
「ウェルカム~~ウィメン」
あの二匹の酔っ払ったなれの果てである。
子供達は大笑い
「あれは、凄かったね」

「ああ、こうしてるとあの休みに戻ったみたい」と冬馬君

「次は冬休み」ニッコリきみ子

「去年みたいに婆ちゃん家行きたいね」冬馬君が言った。

「ああ、懐かしい 二人元気かな?」きみ子と大喜も爺ちゃん婆ちゃんの二人を懐かしむ。

「あのビデオ屋懐かしい」と多網

「あのゴリラDVDもね」きみ子の発言に思い出したみんなは大爆笑

あの楽しかった日々を思い、ノスタルジックな気分になる。

「今年の冬休みも楽しくなりそうだ」子供達は、もう今から胸をときめかしている。

みんなで語らう夜はやはり最高の気分
「あーあ、もう今が冬休みだったらなぁ」と冬馬君。

布団の上でくつろいでるがまだ時刻は夜の19時であった。

すると、何やら玄関を開ける音が下から聞こえてくる。

「あれっ?サーが何処か行くみたい」とサーの声に感づいた大喜

すぐさま多網が下に「何処行く?」

「ちょっと仕事場の同僚の人の家に必要な書類をとりに行かなきゃいけなくって」

多網の目が光る
「行きたい」

子供達も一斉に階段から顔を覗き出す
実はサーは嬉しかった。
同僚の家は山奥と聞いていて、実は心細かったからだ
。迷ってお化けに遭遇したらこわいと思っていたのだ(どんな思考ぢゃい)

「良いよ」

「ヤッホー」こうして子供達は夜のドライブに出発することに。

皆は車に乗り込んだ。
「出発~~」夜のドライブにテンションは上がる。

みんながいて、ホッと一安心のサー。
これなら、暗い道でも心細くない。

すると多網が「持ってきた」

「ヒャッホーウさすが多網」喜ぶ冬馬君と大喜

なんだ?気になるサー まさか?

そう怖い話のCDを持参してきたこの男は我が息子、多網。

さーて夜のドライブが始まった。


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