冬馬君の冬休み

だかずお

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〜 婆ちゃん家へ旅行出発 〜

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朝10時を過ぎた頃
子供達は一晩中語り夜更かししていたから、まだぐーすか寝ている。
下では、もう大人たちは起きていて、テレビを見ている。

「なんじゃ三人全く起きてこないのぅ」

「昨日夜中まで話声がきこえてたから、きっと今日の旅行が楽しみであの子達ずっと起きてたのよ」

「それなら、まだ寝かしときんしゃい」婆ちゃんは微笑み、茶をすすった。

今日は12月の29日だった。

とても寒く風が音をたてて吹いている、まるで子供達の昨夜やっていた吹雪ごっこのような天気だ。

「しかし、今日は特に寒いですね」
隆もお茶をすすってはつぶやいた。

「うちのほうは、もっと寒いぞ、あったかい格好してかなきゃあかんよ」

ピンポン

「あっ大喜のパパだよ、車持ってきてくれたみたい」
正子は玄関に向かった。

「どうぞあがって」

大喜の父はリビングに顔を出し婆ちゃんをみて

「こんにちは久しぶりです」

「あらま、久しぶりじゃのう元気かい?」

「はい元気でやっております」

「少し休んでいくか?」と隆

「いや、もうすぐ帰るよ。これからようがあるんだ。そういえば大喜もお邪魔して大丈夫なんですか?」

「全然大丈夫じゃ、みんなわしゃの子供のようなもんじゃ」

「ありがとうございます」

大喜の父は大喜の着替えやらも持ってきてくれていた。

そして、冬馬君家の車に乗り帰っていった。

「じゃ僕も支度しちゃいます」

「そうね、わたしも」

「じゃあ、わしはくつろいで待ってようかの」

婆ちゃんもこれからみんなが自分の家に泊まりに来るからとっても嬉しそうにウキウキしている。

二階の冬馬君の部屋では、
「今誰か来た?」大喜が目をあけ

そして続いて
「今日は?」

「婆ちゃん家に旅行だー」

いっせいにみんなで布団から飛び起きた。

とても、寒い日だったがこういう時はすぐに飛び起きれた。

学校の日とは大違いである。

子供達も昨日のしおりを見ながら支度をし始め、気分はもうウキウキ最高。
今まで寝ていた、敷いてある布団の上を行ったり来たり
三人はもうご機嫌だ。

旅支度を終えた子供達も下に降りて行き
朝食を食べ始めて
「やったー婆ちゃん家旅行最高」
冬馬君はパンを口にしては嬉しそうにつぶやいた。

多網も、淡々とパンを口にいれているのだが、顔を見ると目はニタニタしていた。嬉しいみたいだ。

「しかも、正月過ごすって事は二泊以上は確実に出来るね」と大喜が気づき

それをきいて冬馬君は跳んだ

「やったー」ピョーン冬馬マリオの大ジャンプ

多網はリンボーダンスをしている

我慢出来なくなっちゃった婆ちゃんも
両手を交互にハッスルポーズ

大喜はみんなを見て口から牛乳を吹き出してしまった

「アハハハ」
リビングは朝から賑わっている。

11時30をすぎた頃

「じゃあ、そろそろ行くか」
と隆が

みんなで家の雨戸などを閉め、出かける準備を整えた

雨戸を閉め準備の中、家の中は光が入らなくなり真っ暗

そんな中横にいる多網に冬馬君が
「遂に出発最高だね」

多網はニッコリ笑い頷いた。

「お邪魔しました」
婆ちゃんはそういい玄関を出た

冬馬君はその姿を見てふと思った、
ああ帰ってくる時は婆ちゃんいないんだ、もうしばらく婆ちゃんがこの玄関に来ることないんだもんなぁ。
そう思っては少し寂しい感じもした。

でもこれから婆ちゃん家に行くんだとすぐにテンションも上がりワクワクたまらなぃ。

外を見ると大喜の家のワゴン車が

「やったーこの車で行けるんだ」
子供達と婆ちゃんはまたまた大喜び

みんな車に乗り 出発オッケー

「多網の家に寄って行くんだったね」
と隆はつぶやき運転を始めた。

「さあ出発だあ~」

ブウウウ~ン!!

「しばらくこの景色ともおさらばだ」
と窓の外を眺めて大喜が言った

車の中ではラジオで何故かジャズがかかっていた。
車が多網の家に着いた時
子供達は驚いた
何故なら、玄関のところに きみ子が立っていたからだ。

車から多網が降りると

「今日遊ばない?」

多網は二秒ほど考える素振りをした
しかし、多網の中で旅行は揺るぎないものだった そうきみ子を前にしても。

「ごめん、今日は外せない」

「あっいいの、いいの、この様子だとどこか行くのね」

「旅行」

「あっ、そうか わたしは行きたくないよ」と訳の分からない言葉を放ち、きみ子は帰って行った。

多網は
家に荷物を、取りにいく

「あれっ?」車の中で突然正子が叫んだ

みんなが指差すほうに目を向けると

電柱の影から指を咥えて見ているきみ子の姿が

「あの子は一体?」正子はビックリしていた。

「あれは、きみ子 多網のガールフレンドみたいな感じ」

隆はつぶやいた「さすが多網だ」と、そして苦笑いしていた。

「あれは、確実に行きたいんだね」
と大喜

きみ子はピクリとも動かず電信柱の影から指を咥えて見ている

こちらから全て丸見えなのを知ってか知らずか・・・・・

婆ちゃんが突然車から降りてきみ子のもとに向かった

「ちょっとお母さん」
時すでに遅し

婆ちゃんが電柱のほうに近づくと
きみ子は慌てて、電柱にあたかも用があったように振る舞いはじめた。

車の中で正子は言った
「あの子やっぱりこっちから見えてないと思ったのよ」

婆ちゃんはきみ子に
「お前さんもうち来るかい?」

きみ子は自分の腕を見た時間を確認したつもりみたいだったが、腕にはもちろん時計はしていない

「忙しいから厳しいなぁ、行く」

全くへんてこりんな返事に
婆ちゃんは笑った

「きんしゃい」

婆ちゃんは車にきみ子を連れて戻ってきた。

「この子もうちにくるよ」

冬馬君や大喜は面白くなると喜んでいる。

「おうちの人、急に旅行なんて言ったらビックリしちゃうからまずいわよね?」と正子はきみ子にきいたが

「全然大丈夫」ときみ子はすでに行く気満々だった。

多網と多網の両親が車のところに来たそして彼らは驚いた

なぜ?きみ子が車に?

「わたしも行く」

多網は喜んでいたが、両親は反応に困っていた。

「よっ、よろしくお願いします。気をつけて行ってらっしゃい」
サーもぺこり会釈して手を降って見送ってくれていた

「クリスマス以来のサーだね」と冬馬君達は喜んだ。

そんなこんなで車はきみ子の家に向かった、荷物をとるためだ。

きみ子の家について、家から出てきた母親は「すみません、どうせうちのきみ子がしつこく言ったんですね、ダメです、きみ子」

けっこう、きみ子の親にしてはマトモだった。

きみ子はスネたのか、黙り込みじっと下を向き歯を食いしばっている。

「迷惑になりますから、すみませんがこの子は大丈夫ですんで」

「あっ、そうですか」内心助かったと感じる正子でもあった

その時だった

ブウウウーッ シューッワーッ

すごいオナラだ

正子はビックリ

きみ子の母親はもっとビックリだった
顔は真っ赤である

「きみ子いい加減にしなさい」

きみ子は怒って家に走って入ってしまった。

それを見て正子が「本人行きたいみたいですし、うちのお婆ちゃんもああ言ってますから大丈夫ですよ」

「そうですか、本当にすみません、せっかくの正月時なのに」

「いえいえ」

階段の上からきみ子は覗いていた

「いい子にするのよ」

「うん」

支度を終えたきみ子はケロっとして戻ってきた。

車に入る前、きみ子は「おばちゃんありがとう」と静かにつぶやきドアをあけた。

ちょっと変わってるけどいい子だわ。
正子はそう思った。

きみ子も加わり旅はいっそう賑やかに
まさかのメンバーで旅行はスタートした。

「じゃあ、みんな出発だあー」

ブウウウ~ン!!!

車はみんなを乗せ、勢いよく婆ちゃん家に向かい進みはじめた。

どんな旅になるのやら

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