冬馬君の夏

だかずお

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『夏の思い出達』

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花火からの帰り道

花火が終わり、沢山の人達がいっせいに駅に歩き出す。
周りは凄い人の数。

「そうだ、清香達にスペインのおみやげ」冬馬君が思い出した。

「そうそう」と大喜もハッとする。

カバンからおみやげを取り出し

「これ、スペインのおみやげ」冬馬君と大喜が清香とアミに手渡す。

喜ぶ二人「わぁーありがとう」
大喜びの二人の姿に、冬馬君達は感無量である。
好きな子の笑顔が何だか胸をほんわかさせた。

「スペインどうだった?」

四人はスペインの話で盛り上がっている。

後ろで、距離を置き、それを見つめる きみ子達。
「良い感じ、良い感じ」

それを見ていた虎鮫代ちゃん

きみ子に「私のおみやげペロリンチョ」

ハッとするきみ子

こやつのみやげ忘れていた。(結局スペインで買った人形は親のお土産と化していた)

「あっ、いっ家に忘れちゃった」

「あっはーなんだぁ、明日取りに行くね」

なんちゅーあつかましく、図々しい虎鮫代ちゃんめ。

きみ子は明日コンビニでお菓子を買うことになる、そして手渡す時にこう言うのだ。

「スペインで流行ってるお菓子」

一体どこの誰が気づかないと言うのだろうか?
もろ表記日本語やんけー

だがそこは虎鮫代ちゃん

「わぁー美味しそうこんなのスペインにしかないね」と大喜びして受け取るのだった。

楽しい時間は過ぎる

あっと言う間に感じる、もうお別れの時が来た。

「じゃあ、私たちの電車こっちだから、私たちはここで、ありがとうございました」清香とアミが言う。

ああ、胸がきゅんとなる


もうさよならの時間


二人が手を振る


「またね」


切なくなる冬馬君

ずっとこの時間が続いたら良いのに。

次はいつ会えるのだろう?

もう会えないなんてことないよね?

冬馬君達も皆、手を振った

「清香ちゃんアミちゃんまたねー」叫ぶきみ子

「楽しかったですーまた遊びましょう」と清香

「バイバーイ」アミも両手を振っている

「ペロリンチョ私もね」虎鮫代ちゃん

多網も手を振る「シーユー」

「まっまた、遊ぼう」

勇気を振り絞り、冬馬君は叫んだ

一瞬人混みであふれてる電車のホームが静かになった感じがした。


夏の夜風が暖かく


浴衣姿の清香の笑顔が胸に焼きついた


またね


またすぐ会えるさ


きっと。


帰りの電車は何だか寂しかった。

それは清香が帰ったからだけではない

そうこの楽しかった夏休みも、もう明日が最後

いよいよ終わってしまう

何とも言えない切なさに胸が包まれる


本当に色々あった夏


もう去ってしまうんだ






ミーン ミン ミーン



本当に楽しかったなぁ




電車は多網の家の駅に着く

きみ子と虎鮫代ちゃんともお別れだ

「あー本当に楽しい夏休みだったぁ」きみ子が言った。

うん みんな頷く

「あーあのキャンプくらいの時に戻りたい」と大喜

「本当」行ってもいない虎鮫代ちゃんが相づちをうつ。

「じゃあ、みんなまたね」きみ子が手を振る

ああ、この夏休み中できみ子に会うのも今日が最後

いよいよ、夏休みが終わるんだなぁ。

「じゃあまたね、ペロリンチョ」

虎鮫代ちゃんとも今年の夏初めて知り合った。
また強烈なキャラと出会った感じである。

「うんっ、またね」
二人はそれぞれの家に帰って行った。

「冬馬君に大喜はどうする?車で送ろうか?それとも泊まって行く?」とサー

すると、多網が突然

「初心にかえる」

なんぢゃー?

「冬馬家に泊まりに行く」

すると大喜も「そうだね、それがなんかしっくりくる」

冬馬君も頷く

「よしっ、最後の1日をうちでみんなで過ごそう」

そう、この夏一番多く過ごした場所

冬馬君は少し嬉しくなる

最後の夏休み

まだみんなで今日一緒に過ごせる

多網ママと多美はそのまま多網家に残り

「じゃあね、また遊びに来てね」

「うんっ、ありがとうまた来るね」

多美も寂しいのか叫ぶ

「ちゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

いつもよりちゃーが長かった気がした。

サーが三人を車で冬馬家に送る

車で15分くらい

冬馬家の近くに来ていた。

この家の近くの見慣れた風景なんだか安心する

この道を何度となく通った夏の思い出が胸をよぎる

旅行に行く時も遊びに行く時も必ず通ったこの道

部屋で遊んでる時も部屋から見たこの道

色んな夏の思い出の風景が頭に浮かぶ

車は冬馬家に着く

玄関から正子と隆が

「どうもー、ありがとうサーさん」ここでもあだ名はすでにサーだった。

隆が「ちょっとあがっていったら?」

「いや、明日仕事なんで、備えて寝ます」

「そうですか、ではまたゆっくり乾杯でもしましょう」

「はいっ、子供達よろしくです」

「じゃあね、みんな」

「うんっ、ありがとうサー」

夏休みラストサーである。

サー達も帰って行った。

子供達はすぐさま二階の冬馬君の部屋に敷いてある三人の布団の上寝転んだ。

「ああ、本当に今日で最後かぁ」寂しげに大喜が言う

「なんとも言えない気持ち」

「楽しかった」とポツリ多網

三人はしばらく黙って天井を見つめていた。

「ああ、冬馬家に旅行に来た初日が懐かしい」

「そうだね、ずっと三人一緒だったね」大喜の言葉に頷く冬馬君

多網も何処か寂し気だ。

いよいよ、明日からはお互いそれぞれの生活に帰って行く。

その夜、三人は布団の中で、いつまでも いつまでもこの夏の思い出話を語りあった。

旅行のこと、夏の始まりの七夕祭り、キャンプ、清香やアミのこと

子供達の夜中の語り合いは朝まで続いた。



翌日いよいよ


その時は来た。


まだお昼を食べたばかりのはやい時間だったが

大喜、多網は「そろそろ帰るよ、宿題もやらなきゃ」

冬馬君は思った。

あー、遂に二人も帰っちゃうのか。

これだけ長い間一緒に過ごしたから、いなくなるのは、やはり寂しくなる。

今日の夜は部屋に一人なんだなぁ

「送って行こうか?」と正子

「良いよ、歩いて帰るよ」

冬馬君は二人を途中まで送ることにした。

この夏中、通ったこの道

明日は学校行く時に通るんだ。

冬馬君はそんなことを思う。

二人はここから違う方向へ帰る

冬馬君も見送りはここまでにした。


「じゃ あ ね」


「うんっ」


「じゃあね」



三人は手を繋いだ

二人に次はいつ会えるかな。

冬馬君はいつまでも、二人の背中を見送っていた。

見えなくなっても、しばらくそこに立っていた



ああ




行っちゃった




本当に




最高の夏休みだった




ガチャ



家に帰ると、まだ二人の布団は部屋に敷き詰められていた。

冬馬君は先ほどまで居た二人を想う。
今隣に居ないのが何だか不思議

明日はいよいよ学校

僕も、宿題終わらせなきゃ。

夜は明日からの学校の準備をしたり、たまった宿題などで色々忙しかった。

冬馬君はふと、窓の外を見つめ、蝉の鳴き声があまり聴こえなくなったなぁ と感じた。

今日の部屋には布団は一つ

これが普通なんだか、夏休み中、三人分なのが当たり前だったから、こっちのがなんだか見慣れない感じがして笑ってしまう。




翌朝



「行ってきまぁーす」



ああ、学校やだなぁ そんなことを思い苦笑いをする



この道


昨日通った道


大喜と多網と歩いた道


夏休みの楽しかった色んな思い出が頭に浮かぶ


色んな思いが胸をよぎる


この道


大喜と多網と歩いた道


夏の思い出が始まった道


この道を通り


今日は学校に行くよ



沢山の夏の輝く思い出達と共に。





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