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13話【カーテン】
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落ち着きを取り戻したシュウはオブジェ部屋にもカーテンがあることを見つける。
シュウ「まぁ、部屋だからカーテンくらいあるよな……」
シュウがオブジェ部屋に入った入口の方角を【南】と仮定する。そこから見て【東】の方角の壁に埋め込まれたアンティーク調になった木製のカーテンレール。そして上から緑色、真ん中は黄色、最後に白色といったグラデーションに色がはっきりと分かれることなく上手い具合に混ざりながら変わってゆく綺麗な布カーテンがかかっている。
シュウ「このカーテンを作った職人は凄いなぁ」
と感心していた。1枚布を染めあげるのではなく、1本1本の糸を織り込んでいる手法だろうか。布を目の近くまで引き寄せまじまじと見ていた。次にカーテンの両サイドを持って左右に開けてみる。シュウの予想通り––––。
シュウ「壁だ。……この部屋にも窓は無いんだ」
一体このカーテンは何を表しているのか。そして何故窓はないのか。こればかりはいくら考えても答えは出なかった。カーテンに関しては色の好みや、その部屋の主人が決めるテーマや趣味でカーテンの色なんて統一しないことは多々ある。何にしてもこれもヒントなのだろうとシュウは開けたカーテンを閉める。
部屋の中にある、数体いる石膏で作られたマネキンとそれに混じって同じく石膏で作られた1体のマリア像の方へシュウは体を向るけと、目線が皆シュウの方に向けてられている。体中がゾクっと震え上がった。
シュウ「目が合いすぎて怖えぇ」
マネキン達から背を向けた瞬間だった。カタッ……ずずっと軽い音と床が擦れる音がした。
シュウ「ま、まさか……」
動いている気がするのは自分の思い過ごしだろう。気になったシュウは半信半疑で再びカーテンの方へ向き直って、数を数えてみる。
シュウ「1、2、3」
その瞬間、マネキン側へすぐに振り向く。
<<ずずず>> 床の揺れる音が部屋の中で響く。
シュウ「!?マジ……かよ」
13話End 続く◇◆
お題【カーテン】24‘10/12
シュウ「まぁ、部屋だからカーテンくらいあるよな……」
シュウがオブジェ部屋に入った入口の方角を【南】と仮定する。そこから見て【東】の方角の壁に埋め込まれたアンティーク調になった木製のカーテンレール。そして上から緑色、真ん中は黄色、最後に白色といったグラデーションに色がはっきりと分かれることなく上手い具合に混ざりながら変わってゆく綺麗な布カーテンがかかっている。
シュウ「このカーテンを作った職人は凄いなぁ」
と感心していた。1枚布を染めあげるのではなく、1本1本の糸を織り込んでいる手法だろうか。布を目の近くまで引き寄せまじまじと見ていた。次にカーテンの両サイドを持って左右に開けてみる。シュウの予想通り––––。
シュウ「壁だ。……この部屋にも窓は無いんだ」
一体このカーテンは何を表しているのか。そして何故窓はないのか。こればかりはいくら考えても答えは出なかった。カーテンに関しては色の好みや、その部屋の主人が決めるテーマや趣味でカーテンの色なんて統一しないことは多々ある。何にしてもこれもヒントなのだろうとシュウは開けたカーテンを閉める。
部屋の中にある、数体いる石膏で作られたマネキンとそれに混じって同じく石膏で作られた1体のマリア像の方へシュウは体を向るけと、目線が皆シュウの方に向けてられている。体中がゾクっと震え上がった。
シュウ「目が合いすぎて怖えぇ」
マネキン達から背を向けた瞬間だった。カタッ……ずずっと軽い音と床が擦れる音がした。
シュウ「ま、まさか……」
動いている気がするのは自分の思い過ごしだろう。気になったシュウは半信半疑で再びカーテンの方へ向き直って、数を数えてみる。
シュウ「1、2、3」
その瞬間、マネキン側へすぐに振り向く。
<<ずずず>> 床の揺れる音が部屋の中で響く。
シュウ「!?マジ……かよ」
13話End 続く◇◆
お題【カーテン】24‘10/12
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