スキルマスター

とわ

文字の大きさ
9 / 57
第一章 ムーン・ブル編

第9話 歳

しおりを挟む

(泣いてたのは、嘘?)

 困惑な俺は、思わず絶世の背中に目を奪われるが直ちに先程のすすり泣く行為は女性が得意な嘘泣きではないかと疑問に思考していた。髪を弄り始める女神は、楽し気な笑みを浮かべる。

(いや、分からないな…)

 冷静な俺は、女神の楽し気な横顔を見つめてその判断は経験則なために偏見があると回答を保留にして思考した。

「何をしたんだ?」

 引き続き冷静な俺は、一連の行為を疑問に尋ねた。楽し気な様子の女神は、再びクルリと振り向く。輝いて見える長く純白な髪が宙を優雅に舞い、背中側に鮮やかに纏まる。

「今のは、あなたが向こうに行った時に強力なスキルが手に入りますようにって、おまじないしたの。それと、言葉と文字も分かるようにしたわ」

「ふ~ん。そんなことができるのか~…」

 前屈みで右の人差し指を立てて話し始める女神は、姿勢を戻して胸を張る同時に両手を腰の左右に突いて話し終えた。曖昧な俺は、思わず実感が持てないために相槌のような返事を戻していた。視線を左手に移す。未だに優しさが残る左手をグーパーする。

(あれ? これって小説なんかでよくある話で、いい事だよな。言葉と文字が分かればコミニュケーションが取れるし。あとは…、どうとでもなる!)

 引き続き曖昧な俺は、話の内容を徐々に理解し、口元を緩めてコミュニケーションは重要と自信を身に付けるように強く思考した。

「歳も変えれるけど、どうする? もちろん、体も若返るわよ」

「はあ?! そんなこともできるのか?!」

 唐突に女神の話が届いた。不意な俺は、思わず顔を女神に勢いよく向けると同時に目玉が飛び出るかのようにしながら乱暴に強く尋ねていた。腰の左右に手を突いている女神は、まるで勝ち誇るかのような笑みを浮かべる。

「いや待て! こういう美味い話には必ず裏がある! 体が若返るってことは脳も若返るのか? それなら、今までの経験や知識はどうなる? そう言うのは、全部消えるのか?」

「消えないわ。それと、あなたは、体がもうボロボロでしょう? そういうのも、全部纏めて治してあげる」

 慎重な俺は、手の平を開いた右腕を女神に真っすぐ伸ばし、身振り手振りを交えて疑問に尋ねた。キョトンとする女神は、俺の全身を見回して優しい笑みを見せて話した。真っ白な俺は、思わず後退りする。優しい様子の女神は、子供をあやすかのように二度頷く。引き続き真っ白な俺は、体をゆっくり左側に向ける。

(素晴らし過ぎる!!! この体を一から鍛え直するのは流石に辛いからな。是非やってもらおう!)

 究極に感激な俺は、全身全霊のガッツポーズを決めて棚から牡丹餅以上の内容と強く思考した。女神の話の通り、俺はサッカーで両足首を痛めた際にその状態で過度の練習を続けたために完治しない件と、自動車の事故で左側の頭部と首と肩に後遺症が残る件と、原因不明で内臓を痛めた件と、ヘルニアで右足に繋がる神経に異常が発生して老後は右足を引きずりながら歩くようになると予想される件等々を抱えている。

(だが、若過ぎるのは嫌だな。赤ん坊になるのも論外だ。俺にはああいう趣味は無い。となると…、十七ぐらいが丁度良さそうだが……)

 興奮な俺は、栄光の未来をイメージしながらも最初が肝心と思考した。奮闘する顔を女神に向ける。女神は只々ニコニコするのみ。

(アドバイスは無さそうだな…)

 不満な俺は、顔を戻して当てが外れたと思考した。思考の視点を真剣に変化させる。姿勢を正し、女神に向き直る。

「ギルドの登録は、何歳からできるんだ?」

「一五歳からよ。ちなみに、大人として認められるのもその歳で、お酒も飲めるようになるわ」

「それは、日本での二十歳と同じ感じか?」

「そうよ」

 真剣な俺は疑問に尋ね、ニコニコな様子の女神はご機嫌にして返事を戻した。続けて互いに同様にした。困惑な俺は、眉間に皺を寄せながら視線を女神から外す。

(どうするか~…。二十歳でもいい気はするが、う~ん………。まあ、十五でいいか。少しでも長生きして、スキルで遊ぶのも悪くない)

 超真剣な俺は、右手を顎に当てて頭をフル回転して思考した。表情を明るくして右手を下ろす。視線を女神に戻す。

「じゃあ、十五にしてくれ」

 前向きな俺は、ご機嫌にしている女神を見つめて決断を話した。体の動きを止める女神は、顔を俺に向けて女神とは思えないほどの超ご機嫌な笑顔を見せた。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

「美少女157人も召喚できるだと!?」社畜の俺、尖ったトラウマを全部『まあるく』収めて大賢者になる。── やっぱりせかいはまあるいほうがいい

あとりえむ
ファンタジー
『ヒロイン全員 挿絵付き』の異世界セラピーファンタジー。あなたの推しのヒロインは誰ですか? 「やはり、世界は丸いほうがいい……」 過労死した元データアナリスト参 一肆(まいる かずし)が女神様から授かったのは、アホみたいな数式から導き出された究極のハーレム召喚だった。 157人のヒロインたちに埋もれて、尖った世界を『まあるく』浄化しくしていく…… Dカップの村娘からIカップの竜の姫君まで、あらゆる属性のヒロイン達と一緒に、襲い来る「社畜のトラウマ」に立ち向かう。 全人類の半分の夢が詰め込まれた、極上のスキンシップの冒険譚が今開幕する!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!

本条蒼依
ファンタジー
 氷河期世代の大野将臣(おおのまさおみ)は昭和から令和の時代を細々と生きていた。しかし、工場でいつも一人残業を頑張っていたがとうとう過労死でこの世を去る。  死んだ大野将臣は、真っ白な空間を彷徨い神様と会い、その神様の世界に誘われ色々なチート能力を貰い異世界に降り立つ。  大野将臣は異世界シンアースで将臣の将の字を取りショウと名乗る。そして、その能力の錬金術を使い今度の人生は組織や権力者の言いなりにならず、ある時は権力者に立ち向かい、又ある時は闇ギルド五竜(ウーロン)に立ち向かい、そして、神様が護衛としてつけてくれたホムンクルスを最強の戦士に成長させ、昭和の堅物オジサンが自分の人生を楽しむ物語。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

転移特典としてゲットしたチートな箱庭で現代技術アリのスローライフをしていたら訳アリの女性たちが迷い込んできました。

山椒
ファンタジー
そのコンビニにいた人たち全員が異世界転移された。 異世界転移する前に神に世界を救うために呼んだと言われ特典のようなものを決めるように言われた。 その中の一人であるフリーターの優斗は異世界に行くのは納得しても世界を救う気などなくまったりと過ごすつもりだった。 攻撃、防御、速度、魔法、特殊の五項目に割り振るためのポイントは一億ポイントあったが、特殊に八割割り振り、魔法に二割割り振ったことでチートな箱庭をゲットする。 そのチートな箱庭は優斗が思った通りにできるチートな箱庭だった。 前の世界でやっている番組が見れるテレビが出せたり、両親に電話できるスマホを出せたりなど異世界にいることを嘲笑っているようであった。 そんなチートな箱庭でまったりと過ごしていれば迷い込んでくる女性たちがいた。 偽物の聖女が現れたせいで追放された本物の聖女やら国を乗っ取られて追放されたサキュバスの王女など。 チートな箱庭で作った現代技術たちを前に、女性たちは現代技術にどっぷりとはまっていく。

処理中です...