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30話 受付の人?
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不安な気持ちを持ちながらベッドで横になっているといつのまにか時間が過ぎ、革鎧を綺麗にしてもらったアレシアがうきうきした顔で戻ってきた。気分が上がったようで良かった。時々思い出すこともあるかもしれないが、いつかは時間が解決してくれる。方法はまだ分からないがな。
「アーロ君、ご飯買ってきたよ」
「ありがとな」
「エールはないけど、お肉いっぱい買ってきた」
かばんの中から取り出してきたのは、葉で包まれ香ばしく焼かれた串刺し肉と茶色いなにかだった。袋に包まれているからよく分からんが、形的にパンだろう。そして時代なども考えれば黒パンというやつだな。
「アレシアそれは」
「安かったんだ。一緒に食べよ!」
アレシアが小型ナイフでパンを薄くきり、渡してくる。なにかバターとかがあれば良かったが、無い物ねだりだな。
普段黒パンなんて食べる機会などないからなかなか噛み切れん。
口で噛みきれんのならちぎればいいか。小さくちぎりながら食べ、たまに串刺し肉を食べる。ふむ、黒パンは塩気があるものと合うな。これならチーズなんかと合わせてもいいかもしれない。この世界にあるかはわからんが。
「美味しいね」
「ああ」
満面の笑みを浮かべながらアレシアは本当に幸せそうに食べている。
この幸せな空間をぶち破るかのように部屋のドアが叩かれた。アレシアはまだ食べているから出られそうにない。仕方ない。私が出るか。
気配を感じられないからこそ慎重に開けなくては。開けた瞬間に襲ってくるかもしれないからな。
両扉の片方をそっと開け、外を見る。外には受付さんがいた。顔は見たことあるが、まだ名前を憶えていない。
ドアを開けると必死な表情をしている。何か遭ったのだろうか。
「少し来てくれる?」
「行って大丈夫?」
まだ食べているアレシアに向き直り、行っていいか聞く。飲みこみながらも頷いた。それを一緒に見ていた受付さんが先に歩き出す。それについて行く。
もう少しで夕方だが、一体何の用だろうか。
ついて行きつつ、少しだけ距離を取るか。何があるか分からんしな。
「どこまで行くの?」
ギルド方面に歩いているのだが、目的地が分からない。そして、何故か私の問いに答えない。
怪しすぎる。そういう時は逃げるのみだ。ただ、そのまま逃げても捕まるかもしれない。どうやって逃げて隠れるか。
気配は目の前を歩く女性しか感じられない。逃げながら街の袋小路に入らないようにしなくては。
少しずつ距離をとり、一気に後ろに走る。大人のときであれば足音を立てずに逃げられたのだが、今は無理だ。どうやっても足音が出てしまう。
それに気づいた受付の人が追いかけて来た。
「わ……っと」
「あ、ごめんなさい」
曲がった時に誰かとぶつかりそうになったが、肩を掴まれた。もう暗くなりかけてしかも、建物の角だから月の光が当たらなくて顔が見えない。それよりも早く逃げなくては。すぐ近くまで来ている。
「後ろに隠れて」
声からして女性なのだが、私の腕を掴んで後ろに隠した。月の光で若干見えたが、鎧を着ている。銀色か白か分からないが、高級そうに見えた。
「あ」
「この子に何か用だったの?」
「あ、いえ」
鎧を着た女性に隠れながら、さきほどまで追いかけてきた受付の人が帰っていくのを見届けた。やはり逃げて正解だった。何が目的だったのか分からないが、むやみについていくものではないな。不用心過ぎた。これから知っている顔だとしても本人かどうか確認する手段を持たなくては。
「お姉ちゃん、助けてくれてありがとう」
「こんな遅い時間にいたら危ないよ。家はどこ?」
「宿に泊まってる」
「じゃあ、そこまで案内するよ」
「大丈夫。道は覚えてるから」
さきほどのこともある。助けてくれたとはいえ、そう簡単に信じることは出来ない。
「本当に大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ。またね」
女性に手を振り、アレシアがいる宿へと走って戻る。出来る限り気配を消しながら。
「アーロ君、ご飯買ってきたよ」
「ありがとな」
「エールはないけど、お肉いっぱい買ってきた」
かばんの中から取り出してきたのは、葉で包まれ香ばしく焼かれた串刺し肉と茶色いなにかだった。袋に包まれているからよく分からんが、形的にパンだろう。そして時代なども考えれば黒パンというやつだな。
「アレシアそれは」
「安かったんだ。一緒に食べよ!」
アレシアが小型ナイフでパンを薄くきり、渡してくる。なにかバターとかがあれば良かったが、無い物ねだりだな。
普段黒パンなんて食べる機会などないからなかなか噛み切れん。
口で噛みきれんのならちぎればいいか。小さくちぎりながら食べ、たまに串刺し肉を食べる。ふむ、黒パンは塩気があるものと合うな。これならチーズなんかと合わせてもいいかもしれない。この世界にあるかはわからんが。
「美味しいね」
「ああ」
満面の笑みを浮かべながらアレシアは本当に幸せそうに食べている。
この幸せな空間をぶち破るかのように部屋のドアが叩かれた。アレシアはまだ食べているから出られそうにない。仕方ない。私が出るか。
気配を感じられないからこそ慎重に開けなくては。開けた瞬間に襲ってくるかもしれないからな。
両扉の片方をそっと開け、外を見る。外には受付さんがいた。顔は見たことあるが、まだ名前を憶えていない。
ドアを開けると必死な表情をしている。何か遭ったのだろうか。
「少し来てくれる?」
「行って大丈夫?」
まだ食べているアレシアに向き直り、行っていいか聞く。飲みこみながらも頷いた。それを一緒に見ていた受付さんが先に歩き出す。それについて行く。
もう少しで夕方だが、一体何の用だろうか。
ついて行きつつ、少しだけ距離を取るか。何があるか分からんしな。
「どこまで行くの?」
ギルド方面に歩いているのだが、目的地が分からない。そして、何故か私の問いに答えない。
怪しすぎる。そういう時は逃げるのみだ。ただ、そのまま逃げても捕まるかもしれない。どうやって逃げて隠れるか。
気配は目の前を歩く女性しか感じられない。逃げながら街の袋小路に入らないようにしなくては。
少しずつ距離をとり、一気に後ろに走る。大人のときであれば足音を立てずに逃げられたのだが、今は無理だ。どうやっても足音が出てしまう。
それに気づいた受付の人が追いかけて来た。
「わ……っと」
「あ、ごめんなさい」
曲がった時に誰かとぶつかりそうになったが、肩を掴まれた。もう暗くなりかけてしかも、建物の角だから月の光が当たらなくて顔が見えない。それよりも早く逃げなくては。すぐ近くまで来ている。
「後ろに隠れて」
声からして女性なのだが、私の腕を掴んで後ろに隠した。月の光で若干見えたが、鎧を着ている。銀色か白か分からないが、高級そうに見えた。
「あ」
「この子に何か用だったの?」
「あ、いえ」
鎧を着た女性に隠れながら、さきほどまで追いかけてきた受付の人が帰っていくのを見届けた。やはり逃げて正解だった。何が目的だったのか分からないが、むやみについていくものではないな。不用心過ぎた。これから知っている顔だとしても本人かどうか確認する手段を持たなくては。
「お姉ちゃん、助けてくれてありがとう」
「こんな遅い時間にいたら危ないよ。家はどこ?」
「宿に泊まってる」
「じゃあ、そこまで案内するよ」
「大丈夫。道は覚えてるから」
さきほどのこともある。助けてくれたとはいえ、そう簡単に信じることは出来ない。
「本当に大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ。またね」
女性に手を振り、アレシアがいる宿へと走って戻る。出来る限り気配を消しながら。
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