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57話 成長
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「やめろ!」
どこだ、ここ。アラクネとデュラハンは? 毒入りのスプーンはどこに行った? 驚いた顔をしているアレシアと、私をゆっくりとベッドに横たわらせる大男がいる。
あれは、夢、か。
「ご、ごめんね、迷惑だった?」
「気にすることはない」
水を満たした桶を持っているアレシアが驚いて涙目で私を見てくる。私の喉に手をかざしながらアレシアを宥めている男。
「驚かしてごめん」
「大丈夫! 元気になってよかった」
ずっと心配してくれていたのだろう。目元が赤く腫れている。
ああ、夢が一瞬にして終わってしまった。もっと見ていたかったが、あれ以上の悪夢はずっと見ていたくない。
喉の治療が終わったのか、大男が手を遠ざけた。
「ところで、なんでいるの」
「お主が攫われたと聞いてな」
「わざわざ助けに?」
「うむ」
「暇なんだね」
Sランク様は暇そうで何よりだな。
「そういえば、僕と共に行っていた冒険者たちは?」
「全員無事だよ」
ドアが開き、そちらを見ると若い冒険者2人組とヘイリーが立っていた。攫われたときから何日経っているか分からないが、怪我無くて良かった。
「元気そうで何より」
「3人とも怪我がなくてよかった」
「どうやらアーロ君だけだったみたいだね」
「そうみたい」
毒を飲ませるために連れて行った。それのせいか、飲む前よりも体が少しだけ重い。気怠《けだる》さとかではなく、重力が少しかかったかのような体の重さだ。
「何か雰囲気が変わった?」
「よくわからない」
「完治したら鑑定しよう! そしてその後、仲間になってくれない?」
「貴様、私が先に目を付けたのだぞ」
高ランク同士の冒険者が言い合っているが、本当に成長していたとしても、登録をしていない者を誘うのはどうかと思うがな。
「何が何でも早すぎない? 能力がどれくらいあるか分からないのに?」
それにしても、喉がかゆいな。ピリピリと痛む。
「とにかく、誰としようとしても僕の自由だよ」
私という言い方は大人になってからでいいだろう。
「一旦アレシアお姉ちゃん以外は外に出て。これじゃ体が休まらない」
高ランクの者達がここにいるせいか、アレシアと男女2人組が震えている。治療をしてもらったとはいえ、2人の圧に慣れていないせいか私の体も若干震えているのだ。こんな状態では治るものも治らない。
「平気か、アレシア」
「だ、だ、だいじょうぶ」
「立っているより座っていた方が楽だろ」
ベッド近くに置いてある椅子を指差して、ゆっくりながらもアレシアが座った。
「それにしても、顔つきが少し変わったね」
「どうやら、毒を体の中に入れれば成長するらしい。不思議な体だ」
「私じゃなくてアーロ君がそれ言うんだ。あ、もうアーロ君って呼び方じゃダメか」
「好きに呼んだらいい」
アレシアが笑っている。ひとまずさっきの圧による震えは止まったようだ。あの二人には困ったものだ。圧に慣れていない3人がいるにも関わらず、出し合うなんて。
「さっきの話なんだけど、この街に来るまで一緒に行動してたからまだ続けていたい」
少しためらったあと、意を決して提案してくるアレシア。まさか、アレシアも同じことを考えていたとはな。
「……考えさせてくれ。ヘイリーが言っていたように鑑定してから考えたい」
「わかった。結果待ってるね」
確かに、この街に来るまでは一緒に行動していたしな。どれくらい年齢が上がったのかは分からないが、少しずつ元の姿のときの感覚に近くなってきている。鑑定をしてからでも遅くはないだろう。
どこだ、ここ。アラクネとデュラハンは? 毒入りのスプーンはどこに行った? 驚いた顔をしているアレシアと、私をゆっくりとベッドに横たわらせる大男がいる。
あれは、夢、か。
「ご、ごめんね、迷惑だった?」
「気にすることはない」
水を満たした桶を持っているアレシアが驚いて涙目で私を見てくる。私の喉に手をかざしながらアレシアを宥めている男。
「驚かしてごめん」
「大丈夫! 元気になってよかった」
ずっと心配してくれていたのだろう。目元が赤く腫れている。
ああ、夢が一瞬にして終わってしまった。もっと見ていたかったが、あれ以上の悪夢はずっと見ていたくない。
喉の治療が終わったのか、大男が手を遠ざけた。
「ところで、なんでいるの」
「お主が攫われたと聞いてな」
「わざわざ助けに?」
「うむ」
「暇なんだね」
Sランク様は暇そうで何よりだな。
「そういえば、僕と共に行っていた冒険者たちは?」
「全員無事だよ」
ドアが開き、そちらを見ると若い冒険者2人組とヘイリーが立っていた。攫われたときから何日経っているか分からないが、怪我無くて良かった。
「元気そうで何より」
「3人とも怪我がなくてよかった」
「どうやらアーロ君だけだったみたいだね」
「そうみたい」
毒を飲ませるために連れて行った。それのせいか、飲む前よりも体が少しだけ重い。気怠《けだる》さとかではなく、重力が少しかかったかのような体の重さだ。
「何か雰囲気が変わった?」
「よくわからない」
「完治したら鑑定しよう! そしてその後、仲間になってくれない?」
「貴様、私が先に目を付けたのだぞ」
高ランク同士の冒険者が言い合っているが、本当に成長していたとしても、登録をしていない者を誘うのはどうかと思うがな。
「何が何でも早すぎない? 能力がどれくらいあるか分からないのに?」
それにしても、喉がかゆいな。ピリピリと痛む。
「とにかく、誰としようとしても僕の自由だよ」
私という言い方は大人になってからでいいだろう。
「一旦アレシアお姉ちゃん以外は外に出て。これじゃ体が休まらない」
高ランクの者達がここにいるせいか、アレシアと男女2人組が震えている。治療をしてもらったとはいえ、2人の圧に慣れていないせいか私の体も若干震えているのだ。こんな状態では治るものも治らない。
「平気か、アレシア」
「だ、だ、だいじょうぶ」
「立っているより座っていた方が楽だろ」
ベッド近くに置いてある椅子を指差して、ゆっくりながらもアレシアが座った。
「それにしても、顔つきが少し変わったね」
「どうやら、毒を体の中に入れれば成長するらしい。不思議な体だ」
「私じゃなくてアーロ君がそれ言うんだ。あ、もうアーロ君って呼び方じゃダメか」
「好きに呼んだらいい」
アレシアが笑っている。ひとまずさっきの圧による震えは止まったようだ。あの二人には困ったものだ。圧に慣れていない3人がいるにも関わらず、出し合うなんて。
「さっきの話なんだけど、この街に来るまで一緒に行動してたからまだ続けていたい」
少しためらったあと、意を決して提案してくるアレシア。まさか、アレシアも同じことを考えていたとはな。
「……考えさせてくれ。ヘイリーが言っていたように鑑定してから考えたい」
「わかった。結果待ってるね」
確かに、この街に来るまでは一緒に行動していたしな。どれくらい年齢が上がったのかは分からないが、少しずつ元の姿のときの感覚に近くなってきている。鑑定をしてからでも遅くはないだろう。
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