幻想冒険譚:科学世界の魔法使い

猫フクロウ

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最低世界の最強魔道士

地球にて2

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「またか」



ここ数週間誰かに監視されているような気がする。

初めは気のせいかと思ったがここまで続くと流石に気のせいではないと思う。



(ここでも監視されてるとはな)



ここはこの街の港の先にある大きな橋の主塔の頂上、高さ約170mの場所だ。

この街にはここよりも高い建物があるが、それでもそう簡単に来れない場所である。

それでも監視されるってことは・・・・同じことが出来るってことだよな。

考えなったわけじゃないが、気にしてもしょうがないことだと思ってた。

しかし今こうやって現実に現れた。



「どっちのタイプだろうか?」

シスターみたいなタイプは稀だ。となると大多数の目障りなタイプだろう。

数週間張り付かれたから教会の場所も知られてる。

教会に何かされたら厄介だ。今のうちに排除しておくほうがいいだろう。

排除となると殺すことになる。今さら躊躇とまどいはない。

どう殺すかイメージをしっかりし、相手の場所を窺う



ふと3~4km先に光る時計が見えた。

この街を代表する大観覧車で中心部に時計があり、時を刻みながら光っていた。



(10)



ちょうど時間が変わる10秒前だった。



(9)



人智を超える不思議な力を手にしたことで1秒でも沢山のことが出来るようになった。

この世界の物語に同じようなものがあったから、俺はこれを魔法と呼んでいる。



(8)



相手はもう一つの主塔、海側か。

この魔法の力がしっかり使えるようになると気配で人の位置がわかるようになった。



(7)



右手に透明な刃をまとうイメージする。

魔法は使っているところをイメージすると効果が発揮しやすいことを知っていた。



(6)



この右手を振り払い相手を真っ二つにすることをイメージする。

進んで右手を払う。動きは単純だがこれ以上素早く動けないだろう。



(5)



距離はおよそ500m、0コンマ数秒で行けるだろう。



(4)



準備は万端。いつでも行ける。



(3)



出来る限り素振りを見せず、平静を装う。

そして相手のきょをつき即座に殺す。



(2)



相手も同じことを考えていることを考慮して早めに出た。

完全に虚をつけただろう。



0コンマ数秒で目的の場所に移動した。そこには金髪の女がいた。

見慣れない顔だ。でも誰でもいい。切る!到着と同時に右手を振り払う。



キン。



女が咄嗟とっさに出した腕に当たると同時に金属がぶつかるような音がした。

ギギギ。



と競り合う音を発していたが急に軽くなる。女が引いたようだ。

「逃がすか!」

引いて落ちていく女を即座に追う。今度は追いながら刺せる突きの構えで進む。



すると女から赤い何かが飛んでくる。

(しまった!攻撃か!)

咄嗟とっさのことで腕を構えて防ぐ。直撃は避けられない。

周りが赤い光に包まれる。ところが痛みや衝撃がない。風が吹いただけの感覚だ。



不審に思い腕の構えを解いて確認する。

女がふわっと浮き上がった。飛行魔法だろう。

自分も飛行魔法でふわりと上がり周りを確認する。

周りが赤黒いが決して暗くはない。地形はそのままのようで見慣れた景色が広がる。



だが見慣れないところもある。橋の上の高速道路に車が走っていない。

都心の高速道路であるこの道は毎日多くの車が通る。そこを車が走らないなんておかしい。

いったい何をした?敵意剥き出しの目で女を睨むと同時に右手を構える。



「ちょ、ちょっと待って、争いに来たわけじゃないの」

女が片手を上げ、もう片方の手で静止を促す。

そのコミカルでバカらしい動きに一瞬で毒気を抜かれた気分だった。



赤黒い世界を見渡す。

まだどんなものかわからないものに囲まれているのだから警戒しなければならない。

「安心して。これは“封絶ふうぜつ”という街とか人々に害が及ばないように隔離する結界よ」

女が今の状況を説明する。

「でも捕まった」

「出入りは自由。境界はこっから10km先よ」

閉じ込めるつもりはないらしい。あくまでも街や人を守るためのもののようだ。

「私はポーラ・テアトリーヌ。あなたと同じ魔道士よ」

橋の主塔に降り、女は名乗った。

「魔道士?」

聞き慣れない言葉だが意味は察しがつく。

「あなたもさっき使った魔法を使う人間をそう呼ぶのよ」

「やっぱりこれ魔法なんだな」

「ええ。この世界にもそういう話があって助かるわ」

「この・・・世界?」

「そう、魔法世界は宇宙の彼方にあるのよ」

「はぁ?」

あまりに突拍子もない話で頭を疑った。

「外国人じゃなくて宇宙人かよ」

「そ、宇宙の遥か彼方よ」

「それが本当だと言う根拠は?」

「魔法使って見せたでしょ?」

ポーラが右手を軽く上げると、手の平の上で電流が流れスパークした。

自分と同じ電気の魔法か。実際に自分もあいつと同じことが出来ている。

この世界に同じことが出来る人間を見たことが無い。

自分の常識外の話をしているが、事実なのかもしれない。

そう思えるほどのことをこいつはやっている。

ただ、嘘くさいと感じるのは自分の警戒心の強さが原因だろう。

「で?その宇宙人さんが何しにここに来たの?」

話を聞くだけは問題なさそうなので聞いてみることにした。

「そりゃあキミを勧誘するためだよ」

「は?なんで?」

「魔道士っていうのはね、数が少ないの」

そうしてポーラは魔法世界の現実を語り始めた。
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