誤算だらけのスイートトラップ~地味な僕を落とすはずが自分が罠に落ちてどうするんですか~

ヒオ

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恋仲編

60.月曜の獣   ※R18表現あり  

 1
「お願いだから手加減してよ?」
「分かっているよ……」
 今日は月曜日。 週の始まりだというのに、僕は玲央のベッドに押し倒されていた。
 理由は簡単。土日に会えなかった反動だ。
 今日の昼間、社内ですれ違うたびに「樹不足で死ぬ」「充電させて」と耳元で囁かれ、挙句の果てにはコーヒーショップで「ねえ、もうバラしていい?」と言い出したからだ。
 あれは絶対に確信犯だ。
 僕が慌てるのを楽しんでいたに違いない。
 口止めのため、そして何より――僕自身も、この週末一人で過ごして、無性に彼が恋しくなってしまったから、この暴挙を受け入れてしまった。
「……ん、っ!」
「分かってる」と言った舌の根も乾かぬうちに、玲央は僕の唇を深く、貪るようにふさいだ。
 優しいのは最初の一瞬だけだった。
 すぐに舌がねじ込まれ、週末の空白を埋めるように舌を絡め取られる。
「ぷはっ、……ぜんぜん、分かってない……っ!」
「……ごめん。無理かも」
 唇を離した玲央の瞳は、欲望でギラギラ光っていた。 獲物を前にした肉食獣そのものだ。
「だって、土日ずっと我慢してたんだよ? 樹も寂しかったんでしょ?」
「それは……そう、だけど……」
「なら、いいじゃん。……全部、俺に頂戴」
 スウェットの中に強引に手が潜り込んでくる。
 熱い掌が肌に吸い付き、這い回る感触に、ゾクゾクと甘いしびれが背筋を走った。 月曜の夜からこんなことして、明日の仕事に響かないわけがない。
 でも、飢えていたのは俺も同じだったのかもしれない。
  抵抗していた手は、いつの間にか玲央の背中に回っていた。


 2
「……っ、ん……」
 後ろから抱き着かれて、すっぽりと玲央の腕の中に閉じ込められる。 背中に張り付く玲央の胸板は厚く、体温がシャツ越しにじんわりと伝わってくる。
「……樹、いい匂いがする……」
 首筋に顔を埋められ、深く息を吸い込まれる。
 ただ匂いを嗅がれているだけなのに、黒豹に品定めされているような、ゾクリとした戦慄が背筋を駆け上がった。
「ちょ、くすぐったい……」
「嘘。感じてるでしょ?」
 図星を突かれ、身体を強張らせる。
 玲央は笑って、さらにくすぐるように首筋から耳の裏へと熱を帯びた唇を這わせてくる。
「……っ、ふ、ぅ……!」
「ここ、弱いよね」
 耳たぶを甘噛みされ、熱い吐息を吹きかけられると、ぞくぞくとした刺激が背骨を駆け上がる。背後からの刺激は、相手の顔が見えない分、次に何をされるかわからない恐怖と興奮が入り混じる。
「……ねえ、樹」
「……な、に……」
「せっかく、俺の匂いに染まってたのに、土日に会えなかったから全部落ちちゃってる」
 鼓膜にねっとりと絡みつくような低い声が耳元で囁く。
「……上書きしなきゃ」
 玲央の大きな手が、僕の腹を撫で回し、ゆっくりとシャツのボタンに掛かった。
 もう抵抗する気力なんて、とっくに削ぎ落とされていた。

 3
 背中から抱きすくめられたまま、シャツの隙間から玲央の指が入り、だんだん上にあがってくる。
「……ん、ぁ……」
  執拗に弄られるのは、胸の先端。 コリ、と指先で弾かれ、手のひらで擦り上げられるたびに、背筋がゾクゾクと震える。
「……胸は、そんなに……っ」
「 口ではそう言ってるけど……」
 強がりを言ってみるが、体は正直だ。 快感に耐えるように、無意識のうちに膝と膝を擦り合わせ、もじもじと腰を揺らしてしまっている。
 背後の玲央は、そんな僕の下半身の動きを見逃さなかった。
「ここ、こんなに欲しがってるよ?」
「あ……っ」
 玲央の手が下へと滑り落ち、ズボン越しに僕の中心を鷲掴みにした。
「ひぁっ!」
 自分でも驚くような高い声が漏れた。
 その反応が、玲央の嗜虐心に火を点けたようだ。
「っ!」
 背中で彼が息を飲んだのがわかった。
「……可愛い声。もっと聞かせて」
「や、あ、ふぁ……っ!」
 さんざん焦らされ、弄り回される。 熱い吐息を耳に吹きかけられながら、的確に急所を刺激された。
 僕はあっという間に思考力を奪われ、とろとろに溶かされていった。




 ※続きはpixivまたはムーンライトノベルズに掲載
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