女神の手違いでギフトを授からなかった転生者、追放されたけど極めた魔法で異世界無双

そよ風の申し子

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第一章

転生

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目が覚めると、そこは真っ白な世界だった。

「知らない天井だ」

なんとテンプレなセリフだろうか。だが、仕方ないのだ。本当に知らない場所なのだから。
なぜ自分がこんなところに居るのかと必死に自身の記憶を辿る。

俺、三上幸也は両親から過剰な期待と束縛を受けた人生を送ってきた。
母親は教育熱心で厳しく、幼い頃から勉強や習い事を無理強いし、俺には過剰な圧力がかかっていた。
中学生になると部活に熱中するも、母から「勉強が疎かになる」と制止され、息抜きさえ奪われた。
高校生になると母の希望する進学校に無理矢理入学させられ、俺は我慢の限界に達していた。父親は仕事で多忙で家にはほとんどいなかった。 
大学合格後も母は次の目標を立て、資格取得や大学院進学を求め、俺に無理を強いた。ついに18歳の誕生日に、親の過干渉と束縛に耐え切れず家を出ることを決意した。

「たしかそこから家を出て、どうなったんだっけな」

そんなことを考えていると、神々しい光を発しながら美しい女性が現れた。

「ああ、起きましたか、三上幸也さん」

彼女は白いローブに身を包み、長い金髪が背中に流れていた。その瞳は青く、透明感があり、まるで星空を映しているかのようだった。

「私は女神のアイリス、あなたはこれから異世界へと転生するのです」

アイリスの声は優しく、穏やかだった。彼女の存在は不思議な安心感をもたらしてくれた。

「異世界…?転生…?」

俺は驚きを隠せなかった。急にそんなことを言われても、理解が追いつかない。
しかし、こんな非現実な状況を見たのなら、受け入れる他ないだろう。

「転生って、神話とかで書かれている別の生命に生まれ変わるあれですか?」

俺は恐る恐る尋ねた。

「ええ、その通りですよ」

アイリスは優しく微笑んだ。その微笑んだ顔はまさに想像どおり女神像で、見る者を虜にしてしまうような美しさだった。
俺はゴクリと唾を飲み込むと、覚悟を決めて次の言葉を放った。

「ということは、自分は亡くなったのですか?」

「ええ、その言いにくいのですが…次元の間に落ちてしまったというかなんと言いますか」

アイリスはばつが悪そうに答えた。

「次元の間に落ちたって…どういうことですか?」

俺が尋ねると、アイリスは申し訳なさそうに答えた。

「その、すみません、私の不注意で次元の間を閉じ忘れてしまっていたせいで、あなたはそこに落下してしまったのです」

「は?それで死んじゃったんですか、俺は!」

俺は思わず声を荒げた。自分の死がこの女神の不注意によるものだと知り、怒りを覚えずにはいられなかった。
しかし、アイリスの申し訳無さそうな表情を見ると、怒る気持ちは徐々に消えていった。

「すみません…本当に申し訳ありませんでした」

彼女は頭を下げながら謝罪した。彼女の姿は美しく、それ故に大きな罪悪感が伝わってきた。

「はぁ、いえ分かりました。過ぎたことは仕方ないですから」

俺はため息をつくと、アイリスをフォローするように言った。正直まだ怒りは残っているのだが、これ以上彼女を追い詰めるのは酷だろう。

「ありがとうございます…」

アイリスは安堵したように微笑んだ。その微笑みはやはり美しく、俺は思わず見惚れてしまった。

「それで、転生って俺はどうすればいいんですか?」

俺は尋ねた。転生するというなら、何か目的があるはずだ。
すると彼女は言った。

「目的や使命などは特にありません、あなたはあなたのまま、自由に生きていただいて結構です」

「目的も使命もないって、じゃあ、なぜ自分は転生するんですか?」

俺は思わず聞き返した。するとアイリスは微笑みながら言った。

「これは私なりの誠意です」

「誠意?」

「はい、あなたが次元の間に落ちてしまったのは、私の責任です。ですから、私はあなたに新しい人生をプレゼントしようと思ったのです」

「新しい人生…」

そして、アイリスは突然俺の手を握り、話を続けた。

「あなたの前世を見ました、両親の期待に振り回された人生を、そんなあなたのために力になりたいんです」

アイリスの優しい瞳に見つめられ、俺はドキッとした。

「しかも最期は私のミスのせいで…うぅ、本当にすみません」

アイリスの頬を一筋の涙がつたった。彼女の涙には嘘偽りなく、本当に俺の死を悼んでくれているようだった。

「ちょ、ちょっと泣かないでくださいよ」

「うぅ、すみません、つい」

「もう大丈夫ですから、俺は新しい人生で頑張りますから」

俺はアイリスを励ますようにそう言った。するとアイリスは涙を拭いながら言った。

「では、これからあなたを異世界に転生させます。いいですね?」

「あ、その前に一つ質問しても大丈夫ですか?自分の転生する世界とはどのような世界なのですか?」

「そうですね、剣と魔法のファンタジー世界で、魔法や魔物が存在する世界です。あなたはその世界の貴族として生まれ変わるのです」

「その世界で成人した人間は「ギフト」と呼ばれる特別な力を授かります。あなたにはお詫びとして特別な「ギフト」を与えます」

「特別な「ギフト」ってどんな能力なんですか?」

「それは転生してからのお楽しみです。では、そろそろ転生させますよ」

アイリスはそう言うと、俺の頭に触れた。すると突然意識が遠のき始めた。
そして俺は意識を失った。
目を覚ますと、再び見知らぬ天井が広がっていた。
こうして、俺の第二の人生が始まった。
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