診断メーカー単発小説

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孤独な末っ子と其奴を養うことになってしまった人物が壊れていく悲劇

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わたしは6人姉妹の末っ子だった

でもわたしはひとりぼっちだった

今でもひとりぼっちだった

ずっとずっとひとりぼっちだったよ











「はじめまして、今日からよろしくお願いします」


彼女はとある姉妹のは末っ子だった。末っ子であるが故にワガママで甘えん坊で世間知らず...という事は全くなかった。むしろ出来すぎる程である
末っ子はあとひと月と13日で年を増やすはずだった


「何か、手伝う事はありますか?」

「無い」


末っ子を引き取ったのは一人の青年。成人して4年経ったばかりの若者だ。養うことになったきっかけは些細なもので、成り行きと言っても良い程だった。青年に家族はいなかった


青年に引き取られる前、末っ子は嫌われていた。何故嫌われるかは一言で明確には言えず、言うなれば『訳の分からないことを言うから』だ


「わたしはひとりぼっち。わたしはひとりぼっち」

「貴女にはお姉さんが沢山いるでしょう?私もお父さんもいるのよ?」


末っ子は母親の言葉にただこう返す


「ひとりぼっちだよ。おかあさんもひとりぼっち」


末っ子は家族から気味悪がられるようになった。
上から二番目の姉は最後まで付き添おうとしたが、ついには人格がねじ曲がってしまった。


「わたしはひとりぼっち。ひとりぼっち」


青年は根気よく話し掛けた。不器用ながら口下手ながら、青年は心を開こうとした。それでも末っ子が言うことは一つ


「わたしはひとりぼっち。お兄さんもずっとひとりぼっち」


青年は少しずつ病んでいった。



「君は、どうしてそんなに一人だと言う?家族もいて、愛されていたのに、何が不満?頼りないけど僕もいる。何がそんなにも孤独だ?」


青年は泣き喚きながら末っ子に尋ねた。末っ子は、大人が泣く姿をまるですっかり見慣れたかのように見下ろした。それからゆっくりと瞬きをして静かにこう言った


「輪の中にいることが、絶対にひとりじゃない事なの?」
「内にいることが出来る人間でも話せなきゃさみしいだけだよ?」
「話す事が出来ても、わかってくれなきゃ話した理由もみつからないよ?」


今までで一番饒舌になった末っ子は続ける


「空は大きくてひろい。どんな時でもひとりぼっちじゃない」
「それ違うよ?空気も雲も太陽も月も星もみんなひとりぼっち。だから空もひとりぼっち」
「どんなに同じ辛いことあっても気持ちわからない」
「どんなに同じ楽しいことあっても伝わらない」
「本当のわたしを知る人はわたし以外にいない」
「それみんな一緒。同じなのに違う。ひとりぼっち、心がうまらないひとりぼっち」


末っ子は静かに息を吐いてその周りをぐるぐると歩いた


「わたししか知らないわたしを増やしたら、わたししかいなくなった」
「しばらくは平気でもいつか気づくよ、ひとりぼっちだよって。ずっとひとりぼっちだって」
「お兄さんもひとりぼっち。でもひとりぼっちとひとりぼっち集まってもひとりぼっち。ひとりぼっち違う人いない」
「わたし考えすぎた。考えすぎてひとりぼっちだ」
「お兄さんひとりぼっち。ずっとずっとひとりぼっち。誰も助けてくれない、誰もわかってくれない」


青年は目を見開いたまま涙を流した。流し続けた。ストッパーがなくなった蛇口だった。膝元を濡らし、古い床に染みていった
その目に生気はなかった


「生きても生きなくてもひとりぼっち変わらない」


不意に末っ子が青年に近付いた。小さな声でも聞こえる程の距離で囁いた


「わたしの誕生日まであとなんにち?」


青年は何も答えなかった。穴という穴から鉄の槍が貫いたように、ものを言う事が出来なかった
末っ子は静寂の中立ち上がった


「わたし、わたしにも見放された」


──新しいわたしを作って、またひとりぼっちにならなきゃ──


少女は感情の抜け落ちた科白を吐いた


















あとがき

いや何の話だよ
だいぶズレましたね
意味のわからない人もいれば、何となくわかった人もいるかもしれません
失礼致しました、またどこかで
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