生まれ変わった貴方の隣に居たのは私の知らない私だった

パンデミック

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生まれ変わった貴方の隣に居たのは私の知らない私だった。

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私はしがない村娘だった。
けど幼馴染の勇者と付き合っていた。でも力のない私はただ待つだけ。それがとても辛く感じた。


ある日私の村に届いた勇者が魔王を倒したという知らせ。
彼が村を出てから3年目の事だった。


それから数日、彼が村に帰ってきた。
やっと、やっと会える。初めにあったらなんと言おう、そんなことをずっと考えていた。
だけど、帰ってきた彼はボロボロだった。
世界を救うことは簡単だとは思わない、だけどそんなに大変だとは知らなかった。


私は何も彼にしてあげることが出来なかった。


日に日に弱っていく彼を見ているのも苦しくて、だけど彼はもっと苦しかったと思う。

「生まれ変わったらずっと一緒にいよう、絶対、絶対に」

私の口からふと出た言葉。
その日私たちは毒杯を煽った。2人で幸せになろうと手を握りながら。



陽の光が眩しく感じふと目を開ける。昔の夢を見た、遠い昔の。


生まれ変わってからもう15年が経つ、未だに彼は見つけられない。
今世の見た目は前世と違いすごい美人と言う訳では無い。だけど彼なら見つけてくれる、私はそう信じている。


ある日の新聞記事だった。

「伝説の勇者が死に別れた妻を見つける」

という見出しが目に入った。
何かに急かされるように新聞をひろげると、あの頃と変わらない笑みを浮かべる彼の隣に前世の姿を持つ私が居た。


あの、あの笑い方は知っていた、彼に付き纏っていた聖女。
聖母の様な微笑みを良く浮かべていた彼女は私を敵視していた。なんで、なんで。


貴方なら、彼ならわかると思ったのに
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