大学一のイケメンに好きになったかどうか聞かれています。

はなみ

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本編2

友人?

「コーヒーでいいですか?」

「うん。砂糖多めがいいな」

 突然の訪問者のためにコーヒーを淹れ、家にあったマドレーヌを勝手に出す。

「どうぞ」

「わぁマドレーヌ!僕好きなんだよね。ありがとう」

 マドレーヌをもしゃもしゃと食べ始める彼。



「あ、自己紹介してなかったね。僕は黒崎の友人の結城翠ゆうきすいです。好きな食べ物はマドレーヌ!!」

「呼び方は結城さん、でいいですかね?」

「どうぞどうぞお好きに。君は…一条くんで間違いないかな?」

 な、なにゆえ俺の名前を知っておる…?

「俺の名前、ご存じなんですか?」

「うん、もちろん!黒崎からよく聞いてたんだよ~一条くん好きってあいつ、ずっと言ってたんだから」

「へぇ……」

 ちょっと嬉しいような恥ずかしいような…。


「ところで一条優里くん、今君がここにいるのは同意?監禁とかではない?」

「へ?そんなんじゃないですよ。同意です…たぶん」

 同意と言えば同意。一週間お試しは許可を出したからね!

「お!!ということは、もしかしてちゃんと付き合い始めた?」

「はい……昨日から、ですけど」

「昨日!?まじか。じゃあここに来たのも昨日から?」

「そうですね」

「じゃあ悪いことしちゃったな。引っ越ししてすぐに俺が来ちゃってびっくりしたでしょ」

「まぁ…」

 いや~相当びっくり大混乱。
 俺の家でもないし、知り合いでもないし。
 相手はそんなこと知らないからしょうがないけどさ。




 結城さんはよく話しかけてくれるけど、なんとなく気まずさというか、居心地の悪さを感じる。
 早く春樹、帰ってこないかな?
 ……なんて考えていると、家の鍵が開かれる音がした。

 走って玄関に向かうと、

「春樹!?」

 息切れしている春樹がいた。

「どうした…」

「あいつ、スイになにもされてない?大丈夫??」

「されてないけど……大学は?」

「早退してきた。優里から"家に上げちゃった"なんて連絡来たから、いてもたってもいられなくて。まさか家に訪ねて来た知らない人を家に上げるとは思わなかった!」

 あ、お怒りですね。

「ごめん………」

「今日は一応本当に知り合いだし、優里には無害な奴で良かったけど。今度からは絶対に知らない人を家に上げないでね?上げていいのは空原と栄だけ。わかった?」

「は、はい」

 一旦、お説教タイム終了。





 リビングに戻ると結城さんが苦笑していた。

「僕もさ、優里くんはずいぶん無防備だなあって思ってたよ。ほんと、来たのが僕で良かったよね」


 …俺だって誰でも家に上げる訳じゃないし。大丈夫そうだと思ったからだし。
 と、心の中で言い訳をする。


「なら、お前も上がるなよ」

「いやいや、大事な話があってさ。今夜、暇?」

「優里と一緒にいる予定があるけど?」

 春樹がそう言うと、結城さんはため息をつく。

「同棲してるんだから、それは予定じゃないでしょ?」

「大事な予定だろ」

「はいはい。今夜、一緒に食事しない?優里くんも一緒にさ。うちの理央もいるし、どう?」

 春樹は大変苦い顔をしている。
 行きたくないのかな?

「お前…はぁ。………優里、今夜予定ない?」

「春樹と一緒にいる予定がある!!」

 ふふん。浮かれている俺はこんなことも言えてしまうのだ。
 俺の言葉に春樹はすごく嬉しそうな顔をするが、すぐに苦い顔に戻って、

「仕方ないから食事してやる」

 と結城さんに告げた。
 彼はその返答に、ニコニコと笑って

「場所は後で送るね~」

 と言って帰っていった。





 結城さんを見送ったあと、俺は春樹にぎゅーっと抱きしめられていた。

「本気で心配した」

「ごめん」

「もう絶対知らない人を家に上げないで。たとえ俺の知り合いだと言ってても、絶対」

「うん…」






 春樹に抱きしめられながら、テーブルの上の冷めたカフェラテと共にマドレーヌを食べていると、あっという間に夕方になった。


 結城さんから送られてきた店はどうやらドレスコードが必要だということなので、俺の持っている一番良いスーツを着る。

 …ドレスコードとか、そんな高い店に行くなんて聞いてない!!マナーとか大丈夫かな。



 春樹もブラックスーツを着ている。
 ひぇぇ。イケメン過ぎる。髪型もちょっと違うし。

 メガネをつけるか外すかで悩んでいるっぽいけど、今は絶対外した方がいい。



 メガネを外した春樹とウキウキで、既に呼んでいたタクシーに乗り、目的地のお店まで行く。
 車が停車したのはいかにも高級です!と言わんばかりの門構えの店。

 なんか緊張してきた…と思ったらそれを察してくれた春樹が、「大丈夫だよ」と俺の手を握ってくれる。



 店内に入り、案内されたテーブルには既に結城さんと、その隣にはスーツを着ためっちゃくちゃかわいい人が座っていた。
 俺が彼の前に座ると、微笑みかけてくれた。天使~!!



 飲み物を注文した後、

「じゃあ自己紹介しようか」

 という結城さんの提案で、俺のために自己紹介することになった。


「はじめまして。僕は桃瀬理央ももせりおです。今、大学1年生。優里くん、よろしくね」

「俺は一条優里です。大学2年生。理央…くんでいいのかな?」

「うん!」

 理央くんがかわいすぎて一瞬、"理央ちゃん"って呼びそうになった…危ない危ない。

 自己紹介を終えて、2人でほわほわする。
 理央くんとはすごい仲良くなれそう。よかった。



「改めて優里くん、僕は結城翠。大学3年生だよ。理央は僕の恋人。これから会う機会がよくあると思う。よろしくね」

「はい」

 こんなかわいい人が恋人なんていいなあ。
 まあ、俺の彼氏もイケメンですけどね!!








 と、こんな感じでゆったりと食事会が進んでいたはずだったのに……
 この後あんなことが起こるとは思ってもいなかった。





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