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声の色
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「佐藤には俺の声がどんな風に聴こえる?」
「どうって?いつも通りだけど」
「あぁ、俺の質問が悪かった。もっと具体的な特徴を教えて欲しい、例えば声が低くてかっこいいとか」
「えー?伊藤くんの声ってなんというか普通だけど」
この要領を得ない答えをするのは幼なじみの佐藤詩織。彼女は捉えどころのないところが多く、未だにどんな考えをしているのか分からない
「わかった、なら鈴木の声はどう思う?」
「鈴木くんは青かな」
「井上は?」
「井上くんは赤かな」
「遠藤は?」
「遠藤さんは黄色だよね」
…
またよく分からない返答だった
「どういうことなんだ?」
「えー?みんなの声に色ついてるじゃんそのままの意味だけど」
「???」
「鈴木くんは頭が良くて冷静なところから青色の声が出てくる、井上くんは負けず嫌いで熱心なところから赤色の声が出てくる、遠藤さんは明るくて新しいもの好きだから黄色の声が出てくる。そういうものだよね?」
「いや、そういうものじゃないと思うけど。じゃあ俺の声は何色なんだ?」
「伊藤くんはいつもの声だけど」
なぜかはぐらかされる、俺の声は色として考えてないのか、それともからかわれてるだけなのだろうか?
「…じゃあ、岡田さんの声の色ってわかる?」
同じクラスの岡田沙織
いつも本を読んでいる物静かな少女。長い黒髪と整った顔立ちから男子たちの間では密かに人気があるが近寄り難い雰囲気と人形のように動かない表情から彼女とコミュニケーションを取ろうとする者はいない。俺は彼女の声を聞いたことがなく、佐藤の言う声の色についてどうしても気になってしまった。
「…私、岡田さんの声聞いたことないから分からない。」
「あー、そっかそうだよな」
予想通りの反応だった
「…伊藤くんが岡田さんに話しかけてみてよ、私もどんな声してるのか興味あるし」
「うーん、嫌がるんじゃないかな話しかけられたく無いかもしれないし」
「伊藤くんってそんなに優しい人じゃないよね」
佐藤にしては棘のある言い方だった
「わかった、話しかけてくる」
普段だったら、断ってただろう。なぜか今は岡田の声を聞きたいという好奇心の方が勝っていた、佐藤の言い方に腹がたったというのもあるかもしれない。
「………」
「こ、こ、こ、こんにちは!岡田さん、何を読んでらっしゃるのですか?」
「………………」
反応がない、死にたい、消えたい、でももう引けないのだ。
「今日はお天気がよろしいですね、それでもお本を読みなさるということは、相当本が好きなんですね」
「……………」
「ぼ、僕も本が好きでして、お漫画とかよくお読みになりますの。岡田さんも漫画などお読みますか?」
「………………」
「えー……お読みになられないのですね。えーっと、うん。 ところで、わたくしのお声はどう思います?」
なぜか佐藤に降った質問をしてしまった。そもそもなんで佐藤にあんなことを聞いたのだろう?自分の声に自信がなかったから?誰かの感想を聞いて安心したかったのだろうか、少なくとも岡田さんに聞くのは間違ってるのかもしれない。彼女には俺の事など路上の石にすぎず、目にも耳にも入らない存在なのだろう
「………………」
「伊藤くんは白…………」
か細く小さな声のようなものが聞こえた。
人の声を色で表現するのは最近流行ってるのだろうか、でも何故か今日1番嬉しかった。岡田さんが勇気を出して俺の質問に答えを出してくれたからなのか、俺の声に対する評価がとてもしっくりくるものだったのか。
「ありがとう、突然話しかけてごめんね」
それから会話は起こらず、俺は佐藤の元へ戻って行った
「なぁ、何色だった?」
佐藤はなぜか何も言わなかった
「どうって?いつも通りだけど」
「あぁ、俺の質問が悪かった。もっと具体的な特徴を教えて欲しい、例えば声が低くてかっこいいとか」
「えー?伊藤くんの声ってなんというか普通だけど」
この要領を得ない答えをするのは幼なじみの佐藤詩織。彼女は捉えどころのないところが多く、未だにどんな考えをしているのか分からない
「わかった、なら鈴木の声はどう思う?」
「鈴木くんは青かな」
「井上は?」
「井上くんは赤かな」
「遠藤は?」
「遠藤さんは黄色だよね」
…
またよく分からない返答だった
「どういうことなんだ?」
「えー?みんなの声に色ついてるじゃんそのままの意味だけど」
「???」
「鈴木くんは頭が良くて冷静なところから青色の声が出てくる、井上くんは負けず嫌いで熱心なところから赤色の声が出てくる、遠藤さんは明るくて新しいもの好きだから黄色の声が出てくる。そういうものだよね?」
「いや、そういうものじゃないと思うけど。じゃあ俺の声は何色なんだ?」
「伊藤くんはいつもの声だけど」
なぜかはぐらかされる、俺の声は色として考えてないのか、それともからかわれてるだけなのだろうか?
「…じゃあ、岡田さんの声の色ってわかる?」
同じクラスの岡田沙織
いつも本を読んでいる物静かな少女。長い黒髪と整った顔立ちから男子たちの間では密かに人気があるが近寄り難い雰囲気と人形のように動かない表情から彼女とコミュニケーションを取ろうとする者はいない。俺は彼女の声を聞いたことがなく、佐藤の言う声の色についてどうしても気になってしまった。
「…私、岡田さんの声聞いたことないから分からない。」
「あー、そっかそうだよな」
予想通りの反応だった
「…伊藤くんが岡田さんに話しかけてみてよ、私もどんな声してるのか興味あるし」
「うーん、嫌がるんじゃないかな話しかけられたく無いかもしれないし」
「伊藤くんってそんなに優しい人じゃないよね」
佐藤にしては棘のある言い方だった
「わかった、話しかけてくる」
普段だったら、断ってただろう。なぜか今は岡田の声を聞きたいという好奇心の方が勝っていた、佐藤の言い方に腹がたったというのもあるかもしれない。
「………」
「こ、こ、こ、こんにちは!岡田さん、何を読んでらっしゃるのですか?」
「………………」
反応がない、死にたい、消えたい、でももう引けないのだ。
「今日はお天気がよろしいですね、それでもお本を読みなさるということは、相当本が好きなんですね」
「……………」
「ぼ、僕も本が好きでして、お漫画とかよくお読みになりますの。岡田さんも漫画などお読みますか?」
「………………」
「えー……お読みになられないのですね。えーっと、うん。 ところで、わたくしのお声はどう思います?」
なぜか佐藤に降った質問をしてしまった。そもそもなんで佐藤にあんなことを聞いたのだろう?自分の声に自信がなかったから?誰かの感想を聞いて安心したかったのだろうか、少なくとも岡田さんに聞くのは間違ってるのかもしれない。彼女には俺の事など路上の石にすぎず、目にも耳にも入らない存在なのだろう
「………………」
「伊藤くんは白…………」
か細く小さな声のようなものが聞こえた。
人の声を色で表現するのは最近流行ってるのだろうか、でも何故か今日1番嬉しかった。岡田さんが勇気を出して俺の質問に答えを出してくれたからなのか、俺の声に対する評価がとてもしっくりくるものだったのか。
「ありがとう、突然話しかけてごめんね」
それから会話は起こらず、俺は佐藤の元へ戻って行った
「なぁ、何色だった?」
佐藤はなぜか何も言わなかった
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