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シャーウッドの暗黄花
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母はマリーゴールドを愛していた。鮮やかな色を放ち気高く美しい存在を愛していた。父を早くに失った母にとって強くあろうとするものに惹かれていたのだろう。
そんな母も私が中学にあがる頃に亡くなった。私は造園師をやっている叔父夫婦に引き取られた。母の影響か、私は叔父の仕事に興味を持ち、仕事を手伝うようになった。高校卒業後、私は造園師としての道を進むこととなった。
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一面に広がる黄色のマリーゴールド、私はこの花の匂いがどうにも受け付けない。害虫を寄せ付けないそれは、見た目だけが綺麗で中身の腐った醜いものに思えた。
「そろそろ、休憩にしませんか?」
お嬢さんが声をかけてきた
「えぇ、そうしましょう」
彼女は、この庭付きの家主の1人娘にあたる。あまり日に当たっていない白い肌に、手入れされた髪の毛。長いまつげに汚れのない爪。多くの男は魅力的に感じるかもしれない。しかし、私は彼女に嫉妬心を抱いていた。家族に恵まれ、裕福でどこか浮世離れした様子の彼女に少しのいらだちを感じていた。
「お茶を入れますね。どう、このレースの敷物素敵でしょう?」
「えぇ、素敵ですね。どこで買ったんですか?」
「先週、イギリスのノッティンガムへ行ってきたの。その時に気に入って買ってきましたわ」
「ノッティンガムですか、それは何が有名なところなのでしょう?」
「あら、知らないんですの?そうですね、いちばん有名なのはロビンフッドの伝説ですね」
「ロビンフッドですか?」
「そうですわ。彼は盗賊ですが弓がとても上手で、悪人から財を奪って貧しい方へ分け与えたと言われてますわ。とても強くて素敵だと思いませんか」
「えぇ、そうですね」
「そのロビンフッドが隠れ住んでいたとされるのが、シャーウッドの森ですわ」
シャーウッドの森、私は行ったことも無いその場所に期待を抱いた。まだ知らぬ自然の美を私も見たいと思った。
「へぇ、その森にも行ったんですか?」
「えぇ、もちろん。とはいえキャンプしてる人が少しいたくらいで特に見所がありませんでしたわ」
「そうなんですか?珍しそうな植物とかありそうですけど」
「大きな木はありましたね。ただ緑色しかなくて退屈でしたの」
「お嬢さんはマリーゴールドのようなお花が好きなんですね」
「えぇ、私は綺麗なものが好きだから」
そんな母も私が中学にあがる頃に亡くなった。私は造園師をやっている叔父夫婦に引き取られた。母の影響か、私は叔父の仕事に興味を持ち、仕事を手伝うようになった。高校卒業後、私は造園師としての道を進むこととなった。
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一面に広がる黄色のマリーゴールド、私はこの花の匂いがどうにも受け付けない。害虫を寄せ付けないそれは、見た目だけが綺麗で中身の腐った醜いものに思えた。
「そろそろ、休憩にしませんか?」
お嬢さんが声をかけてきた
「えぇ、そうしましょう」
彼女は、この庭付きの家主の1人娘にあたる。あまり日に当たっていない白い肌に、手入れされた髪の毛。長いまつげに汚れのない爪。多くの男は魅力的に感じるかもしれない。しかし、私は彼女に嫉妬心を抱いていた。家族に恵まれ、裕福でどこか浮世離れした様子の彼女に少しのいらだちを感じていた。
「お茶を入れますね。どう、このレースの敷物素敵でしょう?」
「えぇ、素敵ですね。どこで買ったんですか?」
「先週、イギリスのノッティンガムへ行ってきたの。その時に気に入って買ってきましたわ」
「ノッティンガムですか、それは何が有名なところなのでしょう?」
「あら、知らないんですの?そうですね、いちばん有名なのはロビンフッドの伝説ですね」
「ロビンフッドですか?」
「そうですわ。彼は盗賊ですが弓がとても上手で、悪人から財を奪って貧しい方へ分け与えたと言われてますわ。とても強くて素敵だと思いませんか」
「えぇ、そうですね」
「そのロビンフッドが隠れ住んでいたとされるのが、シャーウッドの森ですわ」
シャーウッドの森、私は行ったことも無いその場所に期待を抱いた。まだ知らぬ自然の美を私も見たいと思った。
「へぇ、その森にも行ったんですか?」
「えぇ、もちろん。とはいえキャンプしてる人が少しいたくらいで特に見所がありませんでしたわ」
「そうなんですか?珍しそうな植物とかありそうですけど」
「大きな木はありましたね。ただ緑色しかなくて退屈でしたの」
「お嬢さんはマリーゴールドのようなお花が好きなんですね」
「えぇ、私は綺麗なものが好きだから」
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