誰かは鳥

やわらかうさぎ

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誰かは鳥

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私たちは気づいた時には囚われていた。檻の中にいる訳では無いが、この世界という枠の中に囚われていた

そしてそれに気づいていないものが大半だと気づいていた。囚われた人達は決して今を疑わない

「私は教師になりたいです」

過去の自分が、私に話しかけてくる。なぜそんな夢を持っているのか、小さな視界から見た世界では教師という存在が輝いて見えたのだろうか

そしてその世界は別の誰かによって作られたものであり、囚われた私には本当に求めているものなど手に入るはずがない。思考は何回も巡り同じような色を放つ



顔をあげると見知らぬ男が立っていた

「気分がよろしくないのですか?綺麗なお顔が真っ白になっていますよ」
「え、えぇ…」

急に話しかけられて面食らってしまった。
綺麗なスーツ姿に帽子を被った紳士は私の目から見れば囚われた人ではなかった

「それならばよかった。わたくし、こういうものでして」

突然、名刺を渡された。この人は私に何を求めているのだろうか?

「もしお困りでしたらぜひご連絡ください、それではごきげんよう」

そういうと男は去っていった。名刺を見ると


--爆弾屋--
鈴木瑛一
もしも壊したいものがあるならご連絡ください


何かの冗談に違いない。はぁ、変に思い詰めている私を見て笑わせようとしたのだろう。今の少なくとも見た目は平和に見えるこの世界で、爆弾という言葉が出てくるとは思えなかった

壊したいもの…
過去の私の願望を壊したい、いっその事今存在するそれを破壊すれば私は檻から抜け出すことが出来るのではないか。それとはもちろん私が過去に抱いた教師として活躍する場所、私にとって目障りになった学校。今なら爆破予告などと馬鹿げたことをしてる人の気持ちが分かる気がする、空想に取り憑かれると、こうも人の理性は誤った方向へ行くのだと

私は、黒く染った精神を貰った名刺に見出していた。こんなものはすぐに捨ててしまおう


通りがかった本屋に入り、ゴミ箱にその名刺を投げ入れた。そのままいつも通り帰宅すればいいのに、私は本の表紙たちを眺めていた。色とりどりなものが今の私にとってひどく居心地の悪いものだった


ふと、目に入った本があった

爆弾。
これは私の心の中に設置しよう。本当に破壊すべきは、願望を抑え込む自分自身であると


私はその本を購入した


学生の時以来だろうか、問題集を買ったのは
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