スパイさん、かまって‼︎

うめおおかみ

文字の大きさ
2 / 2

第一話 サイと幸

しおりを挟む
 コンコンコンコンコンコンコンコンコン
「叩きすぎだろw」
クウがツッコミを入れる。
緊張しちゃって…。
「S-B班長、赤峰サイです。失礼します」
校長室のドアを開けて中に入る。
ここにきたのは、1ヶ月ぶりだ。たしか私が教室の花瓶を割った時…ははは。
「同じくS-B副班長、青井クウです。失礼します。」
クウが私に続いて入ってくる。
部屋には校長先生と教頭先生がいた。二人とも右側の客用の椅子に座って紅茶を飲んでいた。
「おお、早かったね。じゃあ座って。」
「「失礼します」」
クウと左側の客用の椅子に座る。
カップを置いた校長先生が口を開く。
「今日呼んだのは、かなり重要なプロジェクトを君達B班に頼もうと思ってね。」
プロジェクト……!
「君たちB班には、国から頼まれた案件、地球の偵察に行っても」
「本当ですかっ!ぜひやらせてくださいっっ」
今まで、国にからの案件は全てA班に取られてたのに!やっとだ!しかも、憧れの地球になんて!!
「…サイ!先生の話の途中だぞ。」
クウが小さな声で注意する。
…………あ。
「すっすいませんっ!つい、憧れの地球に行けると思ってっ」
「いいよいいよ。好奇心があるのは良いことだ。」
良い人でよかった…!
「早速なんだが、この資料をB班のみんなに渡してくれ。そこに、地球での生活のための名前やら住所やらが載っている。みんなで確認しなさい。」
教頭先生から全員分、5人分の紙の束を受け取る。
「ありがとございます!それでは失礼いたします!」
ぺこりと頭を下げて、私とクウは校長室を後にした。

「たっっだいまーーっ!って、なにたべてんの!」
なんと3人が私のケーキを食べている!!
「おはえりー。らってーおそふなるはとをもってぇ」
もぐもぐと黄瀬くんがケーキをほうばる。
まぁ私の分があるっぽいから良いけど。
「俺たちB班は地球に偵察へ行くことになった。」
「……………ええええええええあああえっっ!?」
あーー!ひどい、クウ!当てさせようと思ったのに!
しかもすんなりと言ってーもっと溜めろよ…!
「で、その資料は、その案件の⁉︎」
ラノが資料を私から奪い取り、みんなが私から奪っていく。
くっっ。かっこよく配りたかったッ!
「へーー。見てみて!私たち名前変わるんだね。」
あ、たしかに教頭先生がそんなこと言ってたな。
地球偵察なんとか案件なんとか課なんとか科なんとか氏発なんとかプロジェクトと書いてある表紙をめくると、まず目次のページが出てきた。
名前は、6ページか。

〔名前変更〕
・赤峰サイ→赤峰幸(アカミネサチ)
・青井クウ→青井空(アオイソラ)
・緑谷ラノ→緑谷莉乃(ミドリヤリノ)
・黄瀬リャウ→黄瀬竜(キセリュウ)
・桃木ユル→桃木優奈(モモキユウナ)
・黒川ツウ→黒川秀(クロカワシュウ)

幸。それが私の名前……!
あ、黒川って人は私たちの担任ね。
わざわざカタカナで読み仮名が書いてあるけど、昔の日本の文化そのままがこの世界だから、書いてなくてもわかる。理由はこの世界の発端がコウタさん、日本人だからだそうだ。
ページを戻って案件内容を確かめる。

〔プロジェクトEarth〕
 現在の地球の現状を知るため、アンナイド学園S-B、B班に地球へ行ってもらい、現地調査をしてもらう。

実行日 7月1日~10月1日 変更可

宇宙船は家の形にもなるらしい。また、その家で私たち5人と先生は共同生活を送るとこになるんだって。
もちろん同伴者はいるけど、親は心配かもしれないから、許可はいるらしい。
「もう放課後だから、帰ってサインもらお!」
そういうと、みんなが顔を上げ、頷いた。

片付けを終え、帰ろうとした時、
「サイ!一緒に帰ろうぜ。」
家が隣同士の私とクウはよく一緒に帰っている。
プロジェクトEarthの話をしていると。
「あぁ。プロジェクトEarthのことか。」
校長先生と教頭先生の声が聞こえた。
「はい。やはり国は酷い。」
!なんの話……?
「だな。本当は断ったんだが、援助を止めると言われてな。より多くの子供たちを守るためには、こうするしかなかった…本当に申し訳ないな。」
校長先生…?どう言うこと。より多くって…
クウも青ざめている。
「伝えたほうがいいでしょうか?」
「いや‼︎精神的にダメージを彼女らに与えてしまうかもしれないし、プロジェクトを降りるとも言われかねん。まさか、」
ごく。クウと同じタイミングで息と唾を飲む。
ーーーーー嫌な予感しかしない…っ!
「ーーーA班に死なれては困るから亡くなってもいいB班に頼め、なんて。総理たちは本当に人間か?」
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。 カレンと晴人はその後、どうなる?

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

兄様達の愛が止まりません!

恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。 そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。 屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。 やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。 無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。 叔父の家には二人の兄がいた。 そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…

処理中です...